言語活動は、私たちに適切な同一性を与えはしない。
私たちが使っている言葉は、テレビ、書物、メディアで他人が使っているもの。
言葉は、私たちのものではないのだ。
言葉は口から出てしまった途端、疎開していくもの。
例えば私たちが、
親密な人に心から”愛している”というようなことを言いたいと思っても、
かつてそれを他の多くの人達が言っていたのを聞いているのだから、
禁止されているのだろう。
”愛している”と言っても、
心の中で思っている”愛している”ではない。
”愛している”を言い出しても、
その言葉に裏切られていって、
親密な人との愛を表せないままに終わる。