学校内で後ろから2番目に頭の悪かった100人規模の元暴走族の総長だった男ジョージは高校にはいくつもりはなかったが、親父に高校だけは行けと言われ渋々高校の受験をし、受験の時前に座っていたのが外人だったためカンニングをし奇跡的に高校へ行くことができ、ある一人の先生に出会ってから人生が180度変わる。それから死ぬほど勉強して3流の高校からはありえないといわれていた1流の大学に行くことができた。   そんなジョージの中学生の頃の話。


中学に通い始めたジョージは小学校の頃に嫌がらせを受けていたことを忘れ、楽しく毎日を過ごしていたのだが、ある日またあの嫌な記憶が蘇る。

  またいじめを受けていたジョージは、どうすればいいかわからなくなっていた。学校へ行きいじめを受け、とうとう部活の中でもグループができ、完全にはみ出し者になっていた。
「こんな事誰にも言えない。言ったら余計嫌われるだけだ。」
ジョージは毎日悩み、「死ぬ事」でさえも考えていた。
 家に帰り、兄に
「お兄ちゃんって中一の頃友達いた?」といじめられているという事を悟られないように聞いてみた。
「んー、兄ちゃんはどんな人でも合わせれるからいたよ!」なんとも言えない答えが返ってくる。
「そっか、ありがと!」そう言うとジョージはいつものようにベッドに横になった。心の中では、
「明日はなんかクスクス笑ってたら昔みたいに大声出してボコボコにしてやる!」と思ってはいるのだが、いざその場面になると何もできないものだ。そんなことばかり考えていたらいつの間にか朝になっていた。
  
ある日クラス内でゲームの話で盛り上がっていた。入院していた頃いろんなゲームをしたので、ゲームに関しては少しは知っていた。話の中に少し入るといつもとは雰囲気が違う感じで、いじめを受けていたグループの中の一人竹島と坂上がそのゲームをやりにジョージの家に行くと言い出したので、嬉しくなりジョージは、
「いいよ!じゃあ今日一緒に帰ろう!」と言い、部活後そのままジョージの家へ帰った。家に着き、ゲームをしていてジョージはトイレに行きたくなったのでトイレへ行き戻ってくると、2人はクローゼットを勝手に開け僕の宝物とも言える遊戯王カードや親父にもらった昔のおもちゃが散乱していた。
「ちょ、やめろって!」ふいに怒ってそう言うと、2人は逆ギレしエアーガンをジョージに突きつけ、僕の頭に2発撃った。
「パン、パン!痛っ!」小学校時代の番長時代のジョージのスイッチが入り、2人の胸ぐらを掴み、
「てめーらいい加減にしろよ!」ジョージはそう言って怒った。
すると2人は怒って帰ってしまった。
「....やってしまった。」
次の日学校に行くとまたいつものように話しかけても無視される日が続いた。

  夏休みが終わり、文化祭や体育祭が始まろうとしていた。部活をやっていたせいか、ジョージの体には以前と比べて少し筋肉がついてきた。親父がバリバリの関西人で昔ながらの職人だったこともあり、親父譲りの体型をしていたので段々とジョージの体は周りより目立つようになってきた。

  ある日の部活帰り、あまり話もしなかった野球部の神田という子とゲームの話で意気投合し、毎日のように遊ぶようになった。いろんなことを話しているうちに仲良くなり「かんちゃん」と呼ぶようになっていき、かんちゃんは家庭の事情があまり良くなかったので、自分のことは自分でやれという自由奔放な家庭のジョージとは話も合った。
  夜中いつものように公園に集まり話をしていると、かんちゃんが急にジョージに言った。
「俺さぁー、知ってたんだよね。」一瞬ドキッとしたがジョージは知らないふりをし、
「ん?なにが??」と聞くと、
「いや、ジョージが部活入りたての頃いじめられてたの。」ジョージは心臓が張り裂けそうになった。
「また嫌われる。せっかく仲良くなったのに。かんちゃんも最初の頃は俺のことが嫌いだったのだろう。」そう思って黙っていると、
「ゴメンな。何も言えなくて。」かんちゃんがそれを聞いたジョージは今までの緊張の糸が全てちぎれたかのように、一人泣いた。
「かんちゃんありがとう。そうやって思ってくれるだけで心強いよ。かんちゃんは俺の事嫌いかい??」ジョージが聞くと、
「君のことが嫌いだったら今ここにいて話してないでしょうが。」と答えた。
この日、
「友達は何人もいるより、本当に思ってくれている友達が1人いればいいのだな」という事にジョージは気づき、急に心強くなった。

  次の日学校へ行っても何かが吹っ切れたジョージは、なにも怖く無くなり普通にクラスになじむようになっていった。心の中では、
「いつか絶対復讐してやる。」と思いながら。

文化祭の合唱コンクールで「マイバラード」を全力で歌い、あっという間に一年の終わりが近づいていた。

かんちゃんと仲良くなってからは、クラスで嫌がらせも無くなり野球部の連中とも仲良くなっていった。野球部には、昔スイミングスクールで一度だけ話したことがある天然キャラの竹島、デブだけど髪型やファッションにこだわっているショウヘイ、ニキビブツブツですぐ切れるハルキ、足が臭いけど仲良くなったかんちゃん、出っ歯でいつも角刈りのサトシがいて、いつもこの5人といた。野球部の中ではジョージは、
「怒ると怖い。いつも熱いことを語る。真剣な話になったら便りがいがある」のような、相談センター役になっていった。

クリスマスが近づき、野球部と話している時
「クリスマスまでに彼女ができたらケンタッキーのチキンをおごる!」という制約が生まれ、結果クリスマスまでに誰一人彼女ができず結局いつもの公園でサークルKのチキンを食べてポコペンをして遊んでいた。お正月もいつものメンバーで集まり、神社へ行きコンビニで買ったどん兵衛を食べて朝まで語り合っていた。
  地獄のいじめからかんちゃんの一言で救われたジョージはあっという間に2年生になった。

~To be continued ~

今日の一枚
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