{0B294A32-87CF-4142-8F80-06A02D4B47B4}

桂三木男さんの二つ目としては最後になる独演会に行ってきました。

なんとなく緊張して会場へ到着。
三木男さんのお母さんにご挨拶するも、いつもの着物姿ではなく洋装!?
聞けばいろいろと大変みたい…そりゃそうだ、真打ち昇進・五代目襲名に加え、あれこれ重なった状況らしい。
健康第一ですよ!ほんと。
「桂三木男」の手ぬぐいをいただいて客席へ…

出囃子…前座の上がりで「道灌」。
ご本人もおっしゃっていた通り、やはり節目となるその日の一席目は初心を忘れない了見溢れる前座噺。
私自身が立川流贔屓という事もあり、そりゃこれまでかなりの数の「道灌」を聴いてきたけれど、やっぱり前座さんが覚えたての「道灌」を必死で喋るのとは訳が違いますね。
三木男さんの「道灌」、安定の出来栄え。

続いての一席は「へっつい幽霊」。

やっぱりね、思えば今日の会は節目と決意に溢れていた独演会。
三代目の「へっつい幽霊」はやっぱりかっこよくて、若い頃の立川談志師匠の録音を聴いてもその三代目の「へっつい幽霊」を実に忠実に再現しているくらいの完成度。
幽霊と百五十両を賭けた博打の場面、三代目は又の名を「隼の七」だけあってさぞやリアルであったろう。三木男さん、久しぶりの博打に喜ぶ幽霊とその賽の振り方の可笑しみがいい。
きっとこの噺、五代目の得意演目になるだろうな…

中トリは春風亭一之輔師匠。
前座時代の先輩だったという一之輔師匠…さぞや怖い先輩だったろうな(笑)。
例の調子で「普段の袴」。
まぁ顔つきがおかしいと言うズルさ(失礼)もあるけれど、そこはさすがの一之輔!爆笑に次ぐ爆笑でしたね。

仲入りからのいよいよ二つ目最後の独演会での一席!
「かもなぁ…」の予想通り「芝浜」‼️
なにかジンときた。
ものの本によると八代目文楽師匠から教わって、三代目が今の形に創り上げた「芝浜」。
あの談志師匠の「芝浜」も何度も聴いてきたけれど、私の「芝浜」はやっぱり三代目桂三木助なのである。
そんな「芝浜」を今、五代目になろうとしている節目に孫である三木男さんが決意も新たに喋りはじめる…

安藤鶴夫さんの著述を引用してここは締め括る事にします…本当に素敵な夜をありがとうございます。

「寄席のさわやかな熱気のようなものが、たった一人でいる三木助のところにまで伝わってきて、このあと「芝浜」をやるのだということに、なんとも言えないすがすがしい緊張と、これから藝をやるのだという喜びが、三木助の身内に、ゆるく、しずかに昂まっていくのが感じられた。
そして三木助は、藝人にとって、いまの、この、こういう時こそが、なににもましていちばん大きな喜びなのだなと思った。」


五代目桂三木助が誕生する。楽しみな、楽しみな桂三木助が誕生する。

{AF3B0B05-0E4B-4AA6-84A0-53EC6DB8DC0E}