BIGBANG ジヨンmain妄想小説☆

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BIGBANGのペンです。

BIGBANGの妄想小説。
ほぼジヨン中心です。

BIGBANGの妄想小説。 ジヨン中心。 BIGBANG G-Dragon ジヨン
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ベッドに横になって目をつむっていると

遠くでバイクの音がした。

あたしはその音をたどる。

その音はか細く、だんだんと遠ざかっていった


真夜中に響く音は、さみしい音ばかりだと思う。



目を開ける。



あたしにその音は聞こえるはずもない。

それは夢だった。



ベッドには、仰向けになりながらタバコを吸う彼がいた。

タバコの灰が、いくつか頬に張り付いている。


あたしは体を起こす。


「具合どお?」


自分が服を着ていることを確認した。

頭がいたくてめまいがする。

そうだ
酔っぱらっただけだ。

「大丈夫」

どうやってこのホテルに来たのかまったく覚えていなかった。


時計を見た。
朝の5時。



ベッドから降りて鞄を手にしたあたしに彼が言う。


「事務所に戻ってこないの?」


あたしはゆっくりと振り向いた。

タバコの火を灰皿に押し付ける彼がいる。



「戻らないよ」



今度は彼が、ゆっくりとあたしの方を見た。



「じゃあ、韓国に戻ってこないの?」



あたしは鼻で笑ってしまった。


なんの用があってあの国に行かなきゃいけないの。


「何かあれば行くだろうね」



振り返らずに部屋を出た。



彼にはもう会うことはないだろう。

そう思った。







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音がなくなるとはどういうことだろうか。
そう思って、右耳を塞いでみる。

それでも、結局彼女の気持ちがわかるはずもない。

だって俺の両耳に音は存在する。

結局そうなんだ。



photo:03





あたしは100%聞こえないというわけではないし、補聴器が音を拾ってくれるから、不自由に感じたことはない。

むしろ、今はそれを有効に使う。

聞きたくないときは、外す。電源を切る。音量を下げる。

今、
この瞬間がそうだ。





あたしは騒音から逃れるため、扉の中に入る前に補聴器の電源を切った。



光と振動と、左耳から入ってくる音量に、バランスが取れない感覚に陥る。

お酒も飲んでないのに酔っているような感じ。




たのしそうでフロアで踊る人たちを、あたしは見つめてから、辺りを見渡す。



彼はすぐに見つかった。



彼はひとりでカウンターに座り、頬杖をついてタバコの煙を吐いていた。

近づこうとして、腕を引っ張られる。
それが不意すぎて、あたしは驚いた。


振り向くと、知らない男がいる。
顔を見て、韓国人だということがわかった。


その男の口元を読むと、「なにしてるの?」というフレーズが浮かび上がる。

あたしは耳に指をかけて、切っていた電源を入れた。


「何も」

「ひとり?」

「そうだよ」

「じゃあ一緒に踊ろうよ」

「踊りたくない」

「じゃああっちで一緒に飲もうよ」


しつこいな。
そう思いながらも、「いいよ」と応えていた。


振り向いて、ジヨンを見る。
さっきまでひとりでいたはずの彼は、今は何人かの男女に囲まれて飲んでいた。


「彼に興味あるの?」


男に聞かれて、首を振る。


「別に」



口にしてみると、ほんとにその通りだった。



別に、そうでもない。
それほど興味もない。



ここにきた目的が瞬時にどうでもよくなって、あたしは男のあとをついて行った。



この男もくだらないけど、
あたしもたいがいくだらない人間だ。

つくづくそう思う。







「アサミって子、知ってる?」

「誰?」

知らないならいい。

そう言おうとしたら、隣の女が応えた。


「それってもしかしてあの子のこと?」


そう言って指をさした先を見た。

そこに彼女がいた。


「……そう」


「あの子、ほぼ毎日のように来てるよ。いつも同じ男連れてるけど、今日は違うね」

彼女の隣にいる男は知っている男だった。
YG所属のダンサーだ。
でも、彼女はたぶん知らないだろう。


「あー。あの子なら俺も知ってる。
先月から急に来るようになった。なにやってんのか知らないけど、お金は相当持ってるみたいだよ」

「へー。あの子、働いてるの?」

「働いてないんじゃない?」

「だよね」


そう言って、二人はわらった。

黙って聞いていた俺は、意味がわからない。

ただ、タバコの煙を深く吸って、そして吐き出した。
その繰り返し。




正確な情報が知りたい。
噂とかじゃなくて、本当のことを。




俺はタバコの火を消すと、カウンターから降りた。








男の話があまりにもつまらなくてまた補聴器の電源を切りたい気分になっていた。

その衝動を抑えるために、あたしはシャンパンの入ったグラスを頬に当て、冷やしていた。

退屈なこの時間ほど、あたしにはふさわしいのかもしれない。



くだらない。




目を瞑って、当てたグラスの音に耳を澄ます。

泡の弾ける音を探ろうとする。
捉えようとする。
つかもうとする。

でも、あたしにはそのどれも叶わない。


ただ、ただただ騒音が響くだけだ。


この箱の中で溢れ出す人の声と音楽。
光の音が全部合わさって、ただ騒音としてあたしの右耳から入ってくる。




それがむしょうに悲しい。




音のない世界に
音が区別されない世界に住むあたしのむなしさを
あなたはわかるだろうか。








近づいて隣に座ってみると、俺の存在に全く気がつかない彼女が、頬にグラスを当てなら泣いていることに気がついた。


彼女の隣に座るこの男は気がつかないのだろうか。

アサミ

と話しかけようとして、
男と目が合った。

彼は肩をすくめると、グラスを持って立ち上がる。



彼がいなくなって、俺は彼女に近づくため、座り直す。

ソファが少ししずんで、ようやく彼女は俺の存在に気がついて、驚いた瞳で見つめる。


泣いていると思っていた頬の水滴は、よくみるとグラスについた水滴だった。

それでも俺は、その雫を拭おうと、指を近づけた。




近づいてきた彼の手のひらから、あたしは逃れることができない。

吸い込まれるようにあたしの頬は彼の手に包み込まれる。





その瞬間、あたしの両耳から、音が消える。


その現象に、あたしは驚く。


ただ彼を見つめる。

そして思い出す。




そうだ
あたしはその昔、彼のことが好きだった。

憧れだった。

夢だった。


そのことを。






もう二度と甦ることはないだろうと思っていたその感情が、

あたしの心の中ではなく

それは目の前でふたたび動き出す。





それは悪夢なのかなんなのか。



ただ苦しいだけだ。









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片耳が聞こえない。

そのことを、彼女が去ってたから反芻した。


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非常に驚いた彼の表情を思い出して、
何を今さら
と思う。

でもそうか
知らなかったのか。
とも思う。

いや、でも当たり前。

だってあたしは何も言ってないし、連絡も取らなかった。


でもまさか事務所の人たちが一切伝えていないとは思わなかった。


10年。
もしかすると彼は、ずっと気がかりだったのだろうか。


そんなことを思いながら、あたしはホテルで男に抱かれていた。



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快楽は、簡単に手に入れることができる。

それは例えば一本のタバコだったり
一杯のお酒だったり。

例えば一人の女だったり。


俺はその快楽を手に入れるため、紹介された女の子を、ホテルで抱く。


クォン ジヨンという名前は、とても便利だ。


日本にくるたびに日本人の女の子を抱きはするが、
今日に限って、彼女が頭をよぎる。

感じ方や、
中の感触は

やっぱり、僕らとは違うのだろうか。


ありがたいことに、日本の子は僕を簡単に受け入れてくれる。

それがあまりにも容易過ぎて、
もしかして彼女も他の男に対しておんなじなんだろうか。


そんなくだらないことを、俺は思う。



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彼が思うとおり、あたしは簡単に男の腕に抱かれる。

それが悪いことだとは思わない。
安売りだとも思わない。


補聴器を外して
あたしは男の指使いと、体の感触に集中する。

目を瞑って、快楽をたどる。

あたしはそるだけで最高にしあわせになる。


その瞬間だけは。


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すべての行為が終わったあと、
それは一瞬だと自覚する。


俺は、同じベッドに横たわる女の背中を見つめながら、
なんで彼女の連絡先を聞かなかったのだろう。と思った。


彼女に再会したことで、
自分がもう一瞬の快楽で満たされないことを感じた。



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あたしは正直誰でもいい。
相性がよければそれでいい。

でも、面倒くさいことは嫌いだ。


それなのにあたしは目を瞑ると、再び彼の顔を思い出す。




少しだけ芽生えた罪悪感が、
あたしを再び彼の元へ足を向かわせる。


いるかどうかの確信はないけれど、
あたしは

今度は自ら、彼の元へ向かった。













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