ちょっと間が空いてしまいましたが、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(CCR)特集、最終回を迎えました。今回は最後の2枚となる6th、7thアルバムを取り上げます。絶頂期の勢いが減速した感はありますが、それでも彼らしいノリの良いサウンドは健在。そしてあの名曲も登場いたします。

 

Pendulum
70年発表

前作"Cosmo's Factory"から5か月のインターヴァルで、70年12月に発表された彼らの6thアルバム。アルバム・チャートの首位を獲った前作に続いた作品でしたが、USでは5位どまり。しかし日本(オリコン)では、彼らにとって最高位となる2位まであがったようです。

【収録曲】
 ① Pagan Baby
 ② Sailor's Lament
 ③ Chameleon
 ④ Have You Ever Seen the Rain
 ⑤ (Wish I Could) Hideaway

 ⑥ Born to Move
 ⑦ Hey Tonight
 ⑧ It's Just a Thought
 ⑨ Molina
 ⑩ Rude Awakening #2


このアルバムが日本のチャートで上位にあがったのは、やはりこの曲があったからでしょう。日本で最も有名な彼らの曲、④"Have You Ever Seen the Rain"(邦題:雨をみたかい)が収録されたからではないかと思います。USチャートでは8位どまりで、得意の2位獲得には至りませんでした。
https://www.youtube.com/watch?v=bO28lB1uwp4

そのシングルのB面に収録されたのが、⑦"Hey Tonight”。ヨーロッパではこちらの方がシングル・チャートの首位になった国もあったようです。ジョン・フォガティのソロ・ライヴでも取り上げられている、彼らの代表曲の1つ。こちらの方がCCRらしさを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z3qqwJpAtjA

アルバムの終盤に収録された⑨"Molina"も、彼ららしさを感じるテンポの良いロックン・ロール・ナンバー。ジョンのサックス・ソロも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=h5rETfmn-FM

ラスト・ナンバー⑩"Rude Awakening #2"の後半部は、プログレを思わせるようなアヴァンギャルドなインストゥメンタル・ナンバー。これまでの彼らのサウンドからは、かなり異色な作品でした。

 

Mardi Gras
72年発表

その後、71年1月にジョンの兄、トム・フォガティが脱退し、トリオ編成となった彼ら。それまでに比べて長い間隔を置いて、72年4月に発表されたラスト・アルバム。これまで、オリジナル曲はジョンに手によるもので、リード・ヴォーカルも彼がとって来ましたが、このアルバムでは、ベースのステュ・クックやドラムスのダグ・クリフォードもソングライティングやリード・ヴォーカルを担当する、民主的アルバムでした。

【収録曲】
 ① Lookin' for a Reason
 ② Take It Like a Friend
 ③ Need Someone to Hold
 ④ Tearin' Up the Country
 ⑤ Someday Never Comes

 ⑥ What Are You Gonna Do
 ⑦ Sail Away
 ⑧ Hello Mary Lou
 ⑨ Door to Door
 ⑩ Sweet Hitch-Hiker


②⑦⑨がクックの作でリード・ヴォーカルを担当。④⑥がクリフォードの作でリード・ヴォーカルを担当。③はクックとクリフォードに共作でクリフォードがリード・ヴォーカルを担当。そしてジョンの作品は①⑤⑩の3曲のみで、カヴァー曲の⑧と併せて4曲でリード・ヴォーカルを担当しています。

アルバム発表後にシングル・カットされた⑤"Someday Never Comes”は、カントリー調のナンバーで、初期の彼らを感じさせる大らかな雰囲気の曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Igbd3EEOHIs

唯一のカヴァー曲⑧"Hello Mary Lou"は、ジーン・ピットニー作で、リッキー・ネルソンが61年にヒットさせたナンバー。多くにアーティストにカヴァーされており、オールディーズ・ナンバーとして広く知られている曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=A_yaFj0Lysc

そしてラスト・アルバムのラスト・ソングとなった⑩"Sweet Hitch-Hiker"。実際はアルバムに先がけて71年7月にシングルとしてリリースされていた曲ですが、"Get Back"みたいな感じで、この特集のラストにご紹介したいと思います。これぞCCRといった感のあるナンバーです。


これだけの名作、名曲を世に放ち、CCRは72年10月に解散します。デビュー・アルバム発表から解散まで、4年ちょっとの期間に7枚のアルバムを残した彼ら。アメリカン・ロックを代表するバンドとして、現在も根強い人気を保っています。