迷走してきた「ピックアップ・アーティスト」のコーナー。いろいろな試みをして参りましたが、結局続かず、2年間休止しておりました。ここでオーソドックスにアルバム紹介に戻したいと思います。バンドの軌跡を追った映画が今年、都会では公開されていたのですが、こちらでは上映されず悔しい思いをした、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(以下、CCR)をピックアップしました。映画の方は、いつか映像作品化されるのを待ちたいと思います。
彼らのサウンドは、ブルーズやカントリー等のルーツ・ミュージックをベースとしながら、サイケやポップな要素を取り入れ、ロック初心者にもわかりやすいものだったため、私が洋楽を聴き始めた70年代前半には、日本のラジオでも頻繁に流れておりました。
このコーナー、これまでは1記事1枚でご紹介してまいりましたが、それでは途中で途切れる可能性もありますので、1記事1~2枚を取り上げていきたいと思います。曲も全曲紹介しておりましたが、何曲かピックアップしてご紹介していきたいと思います。ご容赦下さい。
Creedence Clearwater Revival
68年発表
【収録曲】
① I Put a Spell on You
② The Working Man
③ Susie Q
④ Ninety-Nine And a Half
⑤ Get Down Woman
⑥ Porterville
⑦ Gloomy
⑧ Walk on the Water
中学時代に知り合った、ジョン・フォガティ(vo&g)、スチュ・クック(b)、ダグ・クリフォード(ds)により結成され、後にジョンの兄トム・フォガティ(g)が参加。ザ・ブルー・ベルベッツ、ザ・ゴリウォッグズ名義で61年から67年にかけてシングルを発表しますが、成功に至らず。68年にバンド名をCCRに変えて再出発して発表されたのが、このアルバム。
このアルバムに先がけてシングル・リリースされた③"Susie Q"がビルボードの11位にまであがるヒットとなり、ブレイクすることができました。まずは、その曲を聴いてみましょう。オリジナルはロカビリー・シンガー、デイル・ホーキンスが57年に発表したシングルで、初期のザ・ローリング・ストーンズもカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=Bs99a-5vgA0
続いて、アルバムのオープニングに配された①"I Put a Spell on You"。こちらもカヴァー曲でオリジナルはスクリーミン・ジェイ・ホーキンスが56年に発表したもので、こちらも多くのアーティストにカヴァーされています。
https://www.youtube.com/watch?v=KWxDGQm2hKk
さらにこのアルバムにはザ・ゴリウォッグズ時代にシングルとして発表した曲が2曲収録されています。⑧"Walk on the Water"は再録音されたものですが、最後のシングルとなった⑥"Porterville"はそのまま収録されたようです。いずれもジョンの手によるオリジナル・ナンバー。ここでは後者をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=EBAqTiKMxKg
Bayou Country
69年発表
【収録曲】
① Born on the Bayou
② Bootleg
③ Graveyard Train
④ Good Golly Miss Molly
⑤ Penthouse Pauper
⑥ Proud Mary
⑦ Keep On Chooglin'
デビュー・アルバムでのブレイクをきっかけにツアーを開始し、さらに2ndアルバムの録音に取りかかりました。68年10月にロスアンゼルスで録音され、69年1月にリリースされたのがこの2ndアルバム。デビュー・アルバムに3曲収録されたカヴァー曲は1曲のみとなり、いよいよ彼ら独自のサウンドが構築されていきました。セールスも公表でアルバム・チャートの7位に入るヒットとなりました。
まずは、オープニング・ナンバーの①"Born on the Bayou"をお聴き下さい。なんともダルなイントロですが、ジョンの迫力あるヴォーカルが入って来ると、いかにもCCRといったサウンドになって行きます。
https://www.youtube.com/watch?v=Elw0RVAw8uI
唯一のカヴァー曲は④"Good Golly Miss Molly"。リトル・リチャードが58年に発表したシングルがオリジナル。この曲も多くのアーティストが、レコードやライヴで取り上げています。スピード感溢れるナンバーで、間奏やオブリガードのギターも格好いいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FpzxuajEES0
そして、今回ラストにご紹介するのは、お待たせしました。⑥"Proud Mary"です。彼らを代表するナンバーであり、ロック史に残る名曲。ビルボードでも2位を獲得。CCRはビルボードのNo.1を獲得していないアーティストの中で、最も多い5曲の2位獲得曲を持つという、変わった記録を持っていますが、その1曲目です。多くのアーティストがカヴァーしており、アイク&ティナ・ターナーのヴァージョンは大ヒットし、彼らの代表曲にもなっています。ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ映像でお楽しみ下さい。
次回に続きます。