発売50周年を記念して取り上げております73年発表の作品。今回は第2弾となりますが、ジェフ・ベックの追悼も兼ねまして、ベック・ボガート&アピス(BBA)の大阪で録音された2枚組ライヴ・アルバムをピックアップいたしました。
Beck, Bogert & Appice Live
73年発表
ロッド・スチュワートらとのいわゆる第1期ジェフ・ベック・グループが69年に空中分解。新たにヴァニラ・ファッジのティム・ボガート(ベース)とカーマイン・アピス(ドラムス)とともに新バンドを結成する予定だったのですが、ベックが交通事故に遭い、この話は白紙となってしまいます。
その後、マックス・ミドルトンらと新グループを71年に結成。第1期とは全く毛色の異なるサウンドに取り組みますが、こちらも72年に2枚のアルバムを残して解散します。
そして、カクタスを結成していたボガートとアピスも同バンドの解散を受け、一度は立ち消えた念願のトリオ・バンドを結成。第1期に勝るとも劣らぬハード・ロック・サウンドを引っ提げて73年に唯一のスタジオ・アルバムを発表。5月には来日も果たし、大阪厚生年金会館でのライヴの模様が、日本でのみ2枚組ライヴ・アルバムとして発表されました。
【収録曲】
① Superstition
② Lose Myself with You
③ Jeff's Boogie
④ Going Down
⑤ Boogie
⑥ Morning Dew
⑦ Sweet Sweet Surrender
⑧ Livin' Alone
⑨ I'm So Proud
⑩ Lady
⑪ Black Cat Moan
⑫ Why Should I Care
⑬ Plynth / Shotgun (Nedley)
BBAのアルバムからの①②⑦⑧⑨⑩⑪⑫に加え、ヤードバーズ時代の③、第1期の⑥⑬も取り上げられています。
ベックも惚れ込んだボガートとアピスのリズム・セクションは強力で、その凄さがこのライヴではスタジオ盤以上に際立っています。ベックは、後にピーター・フランプトンで有名になる。トーキング・モジュレーターを使ったギター・プレイを披露するとともに、このハードなバックに乗って自由奔放に弾きまくっている感じたいたします。
なお、このアルバム、13年に40周年記念盤がリリースされていますが、その時は大阪公演の実際の曲順に編集し直されています。
そちらの曲順は、【ディスク1】①⑧⑨⑩⑥⑦②⑪③⑫【ディスク2】④⑬⑤となっており、本編とアンコールで2枚のディスクに分けているようです。
まずは、スティーヴィー・ワンダーからベックに送られる予定だったが、先に本人が演ってしまったオープニング・ナンバー①"Superstition"を、映像はあまり良くありませんがご覧下さい。
続いてヤードバーズ時代の③"Jeff's Boogie"も軽快に演奏してくれます。時々ふざけたようなフレーズが出て来るところはご愛敬。
https://www.youtube.com/watch?v=KsFcMoBZePQ
第1期の⑥"Morning Dew"ではアピスのドラム・ソロで盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=7UjJwjGtyvo
BBAのオリジナル・ナンバー、⑩"Lady"イントロのリフが印象的。
https://www.youtube.com/watch?v=sinAtIA2mAg
ラストに収録され、実際もアンコールで盛り上がった⑬"Plynth / Shotgun"を最後にお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=DIpsA5LF5sc
結局、これがBBAのラスト・アルバムになりました。ベックにとって、最後のハードロックでした。