今年も残すところ1週間となりました。毎年恒例、1年の振り返り記事。今年もやらせていただきます。ロシアのウクライナ侵攻、安倍元総理の暗殺、北朝鮮のミサイル頻発と、物騒な1年でしたが、新型コロナウィルスの脅威もほぼ収束に近づき、暮れにはサッカー・ワールドカップで盛り上がるなど、新たな年に向かう勢いもついてきた感じです。

私が興味を持っている音楽シーンの方は、全盛期を彷彿とさせる作品を発表するアーティストがちらほら出てきて、まずまずの1年であったと思います。ただ、Spotifyも使いながらのリスニング・ライフで、新人のCDを全く買わず、配信のみで済ますという近年にない年にもなりました。ウェット・レッグなんか悪くなかったのですが、Spotifyで聴いて、まあCDまではいいかなという感じでした。

そんな2022年をじっくりと振り返ってみたいと思います。



【若手・中堅(UK)】
若手・中堅と言っても90年代以降のアーティストを対象としていますので、最早、大物といったアーティストも対象となります。UKの方では、ミューズステレオフォニックスといったところが、実力を遺憾なく発揮した作品を届けてくれました。スコットランドのベル&セバスチャン、若手代表格のアークティック・モンキーズも安定したサウンドを聴かせてくれました。レイディオヘッドのトム・ヨークは、新ユニット、ザ・スマイルを結成し、またまた新たな試みに挑戦しました。

まずは、ミューズの新作から、"Compliance"お聴き下さい。近年、会社で良く聞く言葉ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vr1y1pvlgLc

【若手・中堅(US)】
USの方では、2つの大物バンドが期せずして、連作ものを発表しています。テデスキ・トラックス・バンド"I Am the Moon"シリーズ、ウィーザー"SZNZ"シリーズ。いずれも彼らの魅力を存分に詰め込んだ力作でした。また、ジョン・フルシアンテがカムバックしたレッド・ホット・チリ・ペッパーズは新作を2枚も届けてくれました。ザ・ブラック・キーズラーキン・ポーは、ロック魂を込めた作品を発表。ピクシーズアーケイド・ファイアーらオルタナ系も貫禄のサウンドを聴かせてくれました。そして、前作はおとなしめだったジャック・ホワイトも、パワー全開の作品を届けてくれました。

それではレッチリの最初に発表された新作のオープニング・ナンバー、"Black Summer"をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=OS8taasZl8k

【リイシュー・未発表音源】
大物に入る前に、彼らのリイシューや未発表音源を見てみましょう。"Purple Rain"の大ヒット後、85年のプリンスのライヴ。映像は過去に発表されてましたが、音源とセットでの再発でした。ザ・ローリング・ストーンズは、"Love You Live"の1面にのみ収録されていたエル・モカンボでのライヴの完全盤をリリースしてくれました。これは嬉しかった。そして、お馴染み、ニール・ヤングのアーカイヴ・シリーズからは、01年のお蔵入りアルバム"Toast"に、"Harvest"の50周年記念盤と、相変わらず精力的なリリースでした。そして、ザ・ビートルズ。"Let It Be"まで行ったので、次どうなるかと思っていたら、なんと"Revolver"のリマスターでした。未発表音源も満載で、今回も大満足でした。

それではストーンズのエル・モカンボ・ライヴから、"Route 66"をどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=p0Kc6kI-zhk

【ベテラン】
上記に加えて、ヤングは毎年恒例の新作を発表してくれました。ボニー・レイットダン・ペンといったシブいところに、タジ・マハールライ・クーダーの54年ぶりのコラボという激シブもありました。日本ではムーンライダーズの久々の新作もありました。エルヴィス・コステロの初期を思わせる新作も素晴らしかったし、ブルース・スプリングティーンのR&Bカヴァー集も秀逸でした。

この中から、コステロの新作から"Magnificent Hurt"をどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=-s-K2_sFBos

【墓碑銘】
そして、ラストに今年亡くなった方々を追悼したいと思います。なんか、だんだん増えて行ってるように感じます。

 ロニー・スペクター(1月12日、享年78歳)
 ミート・ローフ(1月20日、享年74歳)
 イアン・マクドナルド<キング・クリムゾン他>(2月9日、享年75歳)
 ゲイリー・ブルッカー<プロコル・ハルム>(2月19日、享年76歳)
 クラウス・シュルツ<タンジェリン・ドリーム>(4月26日、享年74歳)
 ヴァンゲリス(5月17日、享年79歳)
 アラン・ホワイト<イエス他>(5月26日、享年72歳)
 ロニー・ホーキンス(5月29日、享年87歳)
 オリヴィア・ニュートン=ジョン(8月8日、享年73歳)
 ジェリー・リー・ルイス(10月28日、享年87歳)
 キース・レヴィン<パブリック・イメージ・リミティッド>(11月11日、享年65歳)
 ウィルコ・ジョンソン<ドクター・フィールグッド>(11月21日、享年75歳)
 クリスティン・マクヴィー<フリートウッド・マック他>(11月30日、享年79歳)
 ジェット・ブラック<ザ・ストラングラーズ>(12月6日、享年84歳>

最後にお送りするのは、イアン・マクドナルド在籍時の第1期キング・クリムゾンのアルバムから、このコーナーに相応しく、名作"Epitaph"です。


来年も充実したミュージック・ライフを送ることを祈念して、締めくくりたいと思います。恒例のアルバム・ベスト10は、また後日。