ザ・ローリング・ストーンズのレコード・リリース順を、今一度、しっかり把握しようということで進めております「ディスカヴァー・ストーンズ」のコーナー。いよいよ、初期のピークを迎えます。宿敵ビートルズは5枚目のアルバム、"Help!"を発表した時期に当たります。

(貼り付けをしていない曲は、曲名をクリックすれば動画にアクセスできます。)

USS-07 "(I Can't Get No)Satisfaction
 / The Under Assistant Wast Coast Promotion Man"


65年6月5日、USで彼らの代表曲となるこの曲がシングルで発表されました。本国UKに先立つこと2か月という、異例の形でのリリースであったようです。ジャガー=リチャードの金字塔的作品。彼らにとって、初の全米チャートNo.1獲得曲。多くの方にとって、お馴染みの曲であると思います。エド・サリヴァン・ショーの映像でどうぞ。

 

 


このシングルのB面に収録された、"The Under Assistant Wast Coast Promotion Man"は、メンバー全員を表すナンカー・フェルジ名義のナンバー。ブルーズ・フィーリングに溢れるナンバーです。

UKE-03 "Got Live If You Want It"

 

一方、本国UKの方では、6月11日に、最後のEPとなる6曲入りライヴ盤が発表されております。後に、USでも同名のLPが発表されますが、ほとんど曲の重複はありません。音は本当に悪いのですが、彼らにとって初のライブ盤ということで、歴史的意義も大きいのではないかと思います。

We Want the Stones
② Everybody Needs Somebody to Love
③ Pain in My Heart
④ Route 66
ライヴ前の観客の歓声を収録した①に、続き、UKの2ndアルバムに収録された②の一部が収録されています。この2曲で約50秒。続く、③もUKの2ndアルバムでもカヴァーされていたオーティス・レディングのナンバー。ここからようやく、じっくり曲が聴けます。デビュー・アルバムに収録されていたチャック・ベリーの④はライヴならではの勢いがあります。

I'm Moving On
I'm Alright

B面トップは、カントリー・シンガー、ハンク・ショーが50年に発表した⑤。レイ・チャールズもカヴァーしていたようです。⑥はボー・ディドリーのカヴァー。結局このライヴはカヴァー曲のみでのリリースとなりましたが、当時のストーンズ・ファンの熱さを感じさせてくれる作品でした。
 

USL-04 Out of Our Heads

 

上記"Satisfaction"が7月10日付ビルボード誌でシングル・チャートのNo.1に輝いた勢いで、7月30日にUSで4枚目のアルバムが発表されました。こちらもUSアルバム・チャートで初のNo.1に輝きました。

Mercy Mercy
Hitch Hike

③ The Last Time
That's How Strong My Love Is
Good Times

⑥ I'm Alright
オープニングはR&Bシンガー、ドン・コヴェイの64年のナンバー。この時期になるとカヴァー曲も自らのサウンドとして咀嚼されています。②はマーヴィン・ゲイの62年のナンバー。シングルとして既出の③に続いて、④は、O.V.ライトが64年に発表したものがオリジナルで、オーティス・レディングも取り上げているR&Bの名曲。さらに、サム・クックの64年のナンバー⑤、そして上記のUKリリースのライヴEPに収録されていた、ボー・ディドリーの⑥が、USではここに収録されていました。③を除くと、大R&B大会です。

⑦ (I Can't Get No)Satisfaction
⑧ Cry to Me
⑨ The Under Assistant Wast Coast Promotion Man
⑩ Play with Fire
The Spider And the Fly
One More Try

シングルとして既出の⑦⑨⑩をB面に収録。⑧はソロモン・バークが62年に発表した曲。オリジナルの新曲、⑪⑫はいずれもジャガー=リチャードのクレジットとなりますが、このアルバムに収録されたR&Bカヴァーに比べると、軽さは否めません。

UKS-07 (I Can't Get No)Satisfaction 

/ The Spider And the Fly


そして、ようやく本国UKでも、8月20日に、この曲がシングルとして発表されました。こちらもUKでNo.1を獲得しています。B面は上記US盤"Out of Our Heads"に収録済のナンバーでした。


USマーケットを重視していたのか、本国リリース前に全米No.1を獲得していたとは驚きでした。ここに来て、ビートルズと肩を並べる存在になったのかなと思います。