ザ・ローリング・ストーンズのレコード・リリース順を、しっかりと把握しようと始めた「ディスカヴァー・ストーンズ」のコーナー。敬老の日の休日、巣ごもり暇つぶしもかねて、一歩進めて参ります。今回は65年1月から3月にかけてのリリースをチェック。今回はかなりややこしくなっています。宿敵ザ・ビートルズは、映画「ヘルプ!」の撮影に入った時期に当たります。

(貼り付けをしていない曲は、曲名をクリックすれば動画にアクセスできます。)
 

UKL-02 The Rolling Stones No.2


USで既に2枚のアルバムを発表していましたが、本国UKでは65年1月に、ようやく2ndアルバムを発表します。これ、USの2ndアルバム"12 x 5"と同じジャケットなんですが、半分は新曲で、残りはUSで先行リリースされた曲や、シングルのB面なんかが収録されています。

Everybody Needs Somebody to Love
② Down Home Girl
③ You Can't Catch Me

④ Time Is on My Side
⑤ What a Shame
⑥ Grown Up Wrong

オープニングの①は、ソロモン・バークが64年に発表したシングルのカヴァー。ザ・ブルース・ブラザーズでもおなじみの曲ですね。②は"Jail House Rock"や"Stand by Me"の作者として知られる、ジェリー・リーバーマイク・ストーラーの作で、64年のアルヴィン・ロビンソンがオリジナル。③はチャック・ベリーの56年の曲で、ビートルズの"Come Together"の元歌としても有名。

A面の残り3曲は既出済。④は64年9月にUSでシングルとして発表。⑤は64年12月にUSで発表されたシングル"Heart of Stone"のB面曲。⑥は"12 x 5"の収録曲です。

⑦ Down the Road Apiece
⑧ Under the Boardwalk
⑨ I Can't Be Satisfied
⑩ Pain in My Heart

⑪ Off the Hook
⑫ Susie Q

⑦は40年のウィル・ブラッドリー・トリオがオリジナルのブギウギ・ナンバー。ストーンズは、60年のチャック・ベリーのカヴァーを参考にしているようです。この他、新曲は、マディ・ウォーターズが48年に発表した⑨と、アラン・トゥーサン作で、オーティス・レディングが63年に発表した⑩と、こちらも3曲の新曲。

⑧⑫は"12 x 5"収録曲。⑪は64年11月にUKで発表されたシングル、"Little Red Rooster"のB面曲です。


USL-03 The Rolling Stones, Now!


続いて65年2月には、USで3rdアルバムが発表されました。ジャケットはUKの2ndアルバムと全然違いますが、収録曲は12曲中7曲が同じという内容。新曲は2曲のみで、残りは、既出シングルや、USアルバム未収録曲を集めたものになっております。

① Everybody Needs Somebody to Love
② Down Home Girl
③ You Can't Catch Me
④ Heart of Stone
⑤ What a Shame
⑥ Mona (I Need You Baby)

UK2ndアルバムとほぼ同じ曲順で、④が既発表シングルに、⑥がUKのデビュー・アルバムに収録されながら、US盤では"Not Fade Away"収録のため落されたボー・ディドリー・ナンバーに差し替えられております。

⑦ Down the Road Apiece
⑧ Off the Hook
⑨ Pain in My Heart
⑩ Oh Baby (We Got a Good Time Goin')
⑪ Little Red Rooster
⑫ Surprise, Surprise

B面も曲順こそ違うものの、⑦⑧⑨はUK2nd収録曲。⑪はUKシングル。残り2曲が新曲。⑩は女性R&Bシンガー、バーバラ・リンの64年のナンバー。そして、ラストの⑫は、ジャガー=リチャードのオリジナル・ナンバー。ボー・ディドリー調リズムのご機嫌なナンバーですが、曲の出来はまだまだといった感じです。


UKS&USS-06 "The Last Time / Play with Fire"


そして2月にUKで、3月にはUSで、どちらの国でも6枚目となるシングルが発表されました。英米でAB面とも同じ曲のシングルが発表されるのは"It's All Over Now"以来2回目。

"The Last Time"ジャガー=リチャードのオリジナル・ナンバーで、イントロのリフが印象的なナンバー。UKチャートでは首位に、USでは9位にまで上がりました。後にザ・フーも、ストーンズ逮捕に抗議するためにカヴァーしています。

 

B面の"Play with Fire"は、ナンカー・フェルジ名義のオリジナル・ナンバーですが、ジャガーとリチャードのみが録音に参加。この他、フィル・スペクターがベースで、ジャック・ニッチェがハープシコードで参加した、アコースティック・ナンバーです。


65年に入りさらにギアを上げてきたストーンズ。4~5月は、アルバムもシングルもリリースはありませんでしたが、その翌月には、いよいよあの曲が登場して来ます。