プリンス亡き後、今や、毎年アルバムを発表する(たぶん)唯一のアーティストとなったニール・ヤング御大。昨年は、10枚組のアーカイヴ第2弾に加え、巣ごもり作品を発表したり、幻のアルバム"Homegrown"を世に出したり、"Greendale"期のライヴ作品を発表するなど、新作・発掘音源等、相変わらず賑やかなリリース・ラッシュでした。

その勢いは今年も止まりません。既に、2月と3月に、アーカイヴ・シリーズのパーフォーマンス・シリーズを2作リリースしてくれました。ナンバリング的には、NYAPSの3.5と11.5と、なんとも計画性のなさを示しておりますが、いずれも素晴らしいライヴ作品でした。


Way Down in the Rust Bucket / Neil Young
21年発表

録音の時系列的には逆になりますが、まずは、今年2月に発表された90年11月にライヴ音源のリリース。"Ragged Glory"発表後の、クレイジー・ホースを従えたライヴで、この後のツアーの音源が、が91年のライヴ・アルバム"Weld"としてリリースされています。

基本的に、クレイジー・ホースと制作したアルバムのナンバーを中心に収録されています。やはりこの時点の最新作が中心で、19曲中8曲が、そのアルバムからのナンバー。さらに、初期の1-⑥や、70年代後期の代表作2-⑥も披露されており、ベスト・オヴ・ウィズ・クレイジー・ホースとった感じの選曲がうれしいですね。

やはり、エレクトリック・ヤングのバックはクレイジー・ホースがしっくりきます。アルバム冒頭から、本当に安心して聴くことができます。

それでは、収録曲のご紹介です。(曲名の後の[ ]内は収録アルバムを示しています。)
【ディスク1】               
 ① Country Home
[Ragged Glory]
 ② Surfer Joe And Moe the Sleaze [Re-ac-tor]
 ③ Love to Burn [Ragged Glory]
 ④ Days That Used to Be [Ragged Glory]
 ⑤ Bite the Bullet [American Stars 'n Bars]
 ⑥ Cinnamon Girl [Everybody Knows This Is Nowhere]
 ⑦ Farmer John [Ragged Glory]
 ⑧ Over And Over [Ragged Glory]
 ⑨ Danger Bird [Zuma]
 ⑩ Don't Cry No Tears [Zuma]
 ⑪ Sedan Deliver [Rust Never Sleeps]
【ディスク2】
 ① Roll Another Number (For the Road)
[Tonight's the Night]
 ② F*!#in' Up [Ragged Glory]
 ③ T-Bone [Re-ac-tor]
 ④ Homegrown [American Stars 'n Bars]
 ⑤ Mansion on the Hill [Ragged Glory]
 ⑥ Like a Hurricane [American Stars 'n Bars]
 ⑦ Love And Only Love [Ragged Glory]
 ⑧ Cortez the Killer [Zuma]


それでは、この中から、"Country Home"をお聴きください。

 


続いて、今年3月にリリースされた、71年1月のライブ作品をご紹介します。


Young Shakespeare / Neil Young
21年発表

こちらは、ヤングの代表作、"After the Gold Rush""Harvest"の合間に行われたヤング1人によるギターもしくはピアノの弾き語りによるライヴを収録したもの。71年1月のコネチカット州ストラトフォードのシェイクスピア・シアターでのパフォーマンスです。

したがって、"Harvest"以降のアルバムに収録された、②③⑦⑧は、この時点では未発表曲ということになります。"Harvest"が発表されたのが、72年2月ですから、ずいぶん前に、曲ができていたということですね。

また、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングで発表されていた④⑩、盟友クレイジー・ホースの1stアルバム(71年)に提供した⑤なども収録されており、全盛期のヤングのナマの息遣いを感じさせる、これまた素晴らしいライヴです。

① Tell Me Why [After the Gold Rush]
② Old Man [Harvest]
③ The Needle And the Damage Done [Harvest]
④ Ohio [single (CSNY)]
⑤ Dance Dance Dance [Crazy Horse (by Crazy Horse)]
⑥ Cowgirl in the Sand [Everybody Knows This Is Nowhere]
⑦ A Man Needs a Maid / Heart of Gold [Harvest]
⑧ Journey through the Past [Journey through the Past]
⑨ Don't Let it Bring You Down [After the Gold Rush]
⑩ Helpless [Deja vu (CSNY)]
⑪ Down by the River [Everybody Knows This Is Nowhere]
⑫ Sugar Mountain [single:"Loner" B-side]

最後に、この中から"Helpless"をお聴き下さい。



さて、今年のヤング御大、何枚のアルバムを発表してくれるでしょう。