昨年に発表されたアルバムなのですが、暮れのギリギリに購入したもので、総ざらいにも掲載することのできなかったアルバムのご紹介です。スコットランドはグラスゴー出身のインディー・ロック・バンド、ベル・アンド・セバスチャンが、彼らにとっては4枚目となるライヴ・アルバムを発表しました。



 

What to Look for in Summer / Belle And Sebastian
20年発表

本来、新作の制作が予定されていたのですが、新型コロナウィルス感染拡大に伴うロックダウン等の影響で延期となり、その前年の北米・欧州ツアーの模様を収録したライヴ・アルバムを発表することになったようです。CD2枚組に、彼らのキャリアを網羅するように、ほぼ全てのアルバムから22曲が収録された、かなりのヴォリューム感のある作品です。

録音されたのは、19年7月12日から11月4日にわたる、8カ所でのライヴからで、中には、彼らが主催したクルーズ・ツアーの船上での音源も収録されているようです。

アコースティックな感触のある、メロディ重視の7人バンドで、ライヴにおいても、その高い音楽性を淡々と披露している感じですが、ベスト的選曲ということもあっていい曲が並んでおり、聴いていて気持ちが良くなってくる作品です。

まずは曲目のご紹介。
【ディスク1】
 ① The Song of the Clyde      
 ② Dirty Dream #2
 ③ Step into My Office, Baby
 ④ We Were Beautiful
 ⑤ Seeing Other People
 ⑥ If She Wants Me
 ⑦ Beyond the Sunshine
 ⑧ Wrapped Up in Books
 ⑨ Little Lou, Ugly Jack, Prophet John
 ⑩ Nice Day for a Sulk
 ⑪ I Can See Your Future
 ⑫ Funny Little Frog
【ディスク2】
 ① The Fox in the Snow
 ② If You're Feeling Sinister
 ③ My Wandering Days Are Over
 ④ The Wrong Girl
 ⑤ Stay Loose
 ⑥ The Boy Done Wrong Again
 ⑦ Poor Boy
 ⑧ Dog on Wheels
 ⑨ The Boy with the Arab Strap
 ⑩ I Didn't See It Coming
 ⑪ Belle And Sebastian


1-①は、ライヴ直前に会場で流れているような曲で、ケネス・マッケラーというスコットランドの歌手が歌っているもののようです。これに拍手がかぶさって来るところで、メンバーが登場してきたのだと思われます。そして、1-②からベルセバのライヴ・スタートといった感じです。

まずは、雰囲気を味わうため、上述のクルーズ船でのライヴ映像をご覧下さい。2-⑧と、このアルバムには収録されていない、"Judy and the Dream of Horses"の2曲です。


続いて各曲の録音日と場所をまとめてみました。
 7月12日・フィラデルフィア      :1-⑤、2-⑤⑦⑧
 7月13日・ボストン            :1-⑩、2-④⑥⑪
 7月15日・モントリオール        :1-⑫
 7月18日・ピッツバーグ         :1-⑥
 7月19日・クリーヴランド          :1-⑦
 7月21日・ミシガン             :1-④⑧、2-①⑨⑩
 8月10日・地中海上のクルーズ船  :1-②③⑪、2-②③
 11月4日・パンプローナ(スペイン):1-⑨
クルーズ船でのライヴが5曲収録されており、ミシガンでの録音と並んで最多です、やはり、このクルーズ船でのライヴは、彼らにとっても思い出深いものだったのでしょうね。

また、各曲を収録アルバム別にまとめてみました。
 1st Tigermilk (96)                       :2-③
 2nd If You Feeling Sinister (96)                :1-⑤、2-①②⑥
 EP Dog on Wheels (97)                    :2-⑧⑪
 3rd The Boy with the Arab Strap (98)          :1-②、2-⑨
 4th Fold Your Hand, You Walk Like a Peasant (00) :1-⑦⑩、2-④
 6th Dear Catastrophe Waitress (03)            :1-③⑥⑧、2-⑤
 7th The Life Pursuit (06)                    :1-⑫
 8th Write about Love (10)                               :1-⑨⑪、2-⑩
 EP How to Solve Our Human Problems (18)           :1-④、2-⑦
2ndと6thからが4曲と最多でした。それにしても、90年代から10年代と幅広い期間にわたっての選曲でした。

それでは、この2枚のアルバムから選曲された曲をお聴き下さい。
まずは、2ndアルバムから、1-⑤の"Seeing Other People"です。
https://www.youtube.com/watch?v=Gzfsx3HkBTk

そして、ラストは6thアルバム、1-⑧から"Wrapped Up in Books"です。
https://www.youtube.com/watch?v=3k812DSy4XY

さて、今年は延期となった新作を聴くことができるでしょうか。新型コロナウィルス感染の1日も早い収束を祈るばかりです。