休眠状態となっておりました「ピックアップ・アーティスト」のコーナー。形を変えて復活したいと思います。これまでは、特定のアーティストのアルバムを1枚ずつ、時系列に何枚か連続して紹介する形で、進めてまいりました。
 
しかしながら、最近、アルバム紹介が、結構キツくなっておりまして、「20世紀のロック・アルバム」もなかなか進められないので、このコーナー、やり方を変えてやって行きたいと思います。
 
基本的に1アーテイスト1回の記事とさせていただき、そのアーティストの中から、私が特に好きな10曲をご紹介する形で進めて行きたいと思います。
 
そんなわけで、新装第1回は、珍しく、日本のバンド、ムーライダーズです。
 
 
なんで、このバンドを急にピックアップしたかと言うと、「聴かず嫌い選手権」で重宝しておりますSportifyに、(全てではないのですが)彼らのオリジナル・アルバムが聴けるようになっていたからでした。18年に行われたライヴ盤も聴くことができ、個人的に盛り上がってしまったからであります。
 
はっぴいえんどと並ぶ、元祖日本語ロックのバンドはちみつぱいを母体に、75年に結成されたバンド。76年にデビュー・アルバムを発表。大きな商業的成功を果たしたことはありませんでしたが、日本ロックのオルタナの雄として、現在も活動を続けています。
 
メンバーは、個人でも、様々な活動をしています。
鈴木慶一[リーダー、ギター](ゲーム「Mother」の音楽を担当)
岡田徹[キーボード](プリンセス・プリンセス等のプロデュース)
武川雅寛[管弦楽器](かぐや姫の「神田川」にヴァイオリンで参加)
鈴木博文[ベース](慶一の弟。メロトロン・レコードを主宰)
かしぶち哲郎[ドラムス](石川セリや岡田有希子に楽曲提供)
白井良明[ギター](沢田研二のプロデュース、映画「20世紀少年」の音楽)
 
そんな実力派の彼ら、渾身の10曲をご紹介します。(各曲に順位はありません。)
 
スカンピン from "火の玉ボーイ"(1976)
彼らのデビュー・アルバムに収録された曲。美しいバラード・ナンバー、心に沁みる曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=PtsqfXaIOww
 
砂丘 from "ムーライダーズ" (1977)
2ndアルバムのラストに収録された、かしぶちの作による曲で、ヴォーカルも本人がとってます。児童合唱団のコーラスも取り入れた、これまた心に沁みる曲。
https://www.youtube.com/watch?v=jWuqgBc-nQM
 
さよならは夜明けの夢に from "イスタンブール・マンボ" (1977)
77年に発表された3rdアルバム収録曲。博文の作詞で、岡田の作曲。こちらも美しいメロディで、心に迫ってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=YT6MEm5wncU
 
いとこ同士 from "ヌーベル・バーグ" (1978)
4枚目のアルバムからのナンバー。こちらも博文&岡田のコンビによる作品。ライヴで定番となっている曲。
https://www.youtube.com/watch?v=5woij4-rYeE
 
Modern Lovers from "モダーン・ミュージック" (1979)
音楽的方向性をニューウェイヴへと大きく舵を切った、彼らの代表作とも言える5枚目のアルバムに収録された曲。アルバムの中でも、特に良くできた曲でした。
https://www.youtube.com/watch?v=rnvzAFAVlvU
 
鬼火 from "モダーン・ミュージック" (1979)
同じく5枚目のアルバム収録曲。アコースティクなサウンドをバックに慶一が切々と歌い込む、これまた心に沁みる名曲。
https://www.youtube.com/watch?v=hEWY24snTnc
 
彼女について知っているニ、三の事柄 from "カメラ=万年筆" (1980)
80年の6枚目のアルバムに収録されたナンバー。このアルバムの曲のタイトルは、全て映画のタイトルから取られていることが特徴的。
https://www.youtube.com/watch?v=1GPa-8SNTQc
 
スカーレットの誓い from "マニア・マニエラ" (1982)
当初発売が見送られ、その後、カセット・ブックなどで発表された問題作。アルバムのラストに収録されたこの曲は、その後、ライヴの定番となりました。かしぶちの作。
https://www.youtube.com/watch?v=vdjlxNC5UTI
 
青空のマリー from "青空百景" (1982)
録音は"マニア・マニエラ"よりも後でしたが、先に発表された、何か吹っ切れた感のあったアルバムに収録された曲。こんなに明るくポップな彼らの曲は珍しいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Jn2H_GRl5PE
 
Frou Frou from"アニマル・インデックス" (1985)
そして、ラストは85年の10枚目のアルバム収録曲。かしぶちの作で、こちらもライヴで定番のナンバー。

 

ムーライダーズの10曲いかがでしょうか。90年代以降も作品を発表しており、私もその一部は聴いておりますが、やはり70年代後半から80年代前半にかけての彼らは、日本のミュージック・シーンの中でも、格別の存在であったと思います。