ちんたらと進めております「続・20世紀のロック・アルバム」。緊急事態宣言に入る前に、一歩進めて参りましょう。70年代中盤のロック・シーンを支えた御三家の一角の登場です。
エアロスミス、このシリーズ、初登場です。
 
Toys in the Attic / Aerosmith
75年発表
 
70年にボストンで結成された5人組バンド。73年にデビューを果たし、ストーンズ張りのロック・バンドと認識されておりましたが、本日ご紹介する75年に発表された3rdアルバムが、アルバム・チャートの11位にまであがり、知名度が向上。この私も、このアルバムで初めて彼らを知ることになりました。
 
当時は、クイーンやキッスの人気も上がっていたこともあり、ティーンのロック・ファンの熱い支持を受けた3大バンドということで、御三家とも呼ばれたりしておりました。その中でも一番不良っぽい感じで、そのストーンズを意識した編成とサウンドも相まって、他の2つよりは、通好みとも言われました。
 
特に、ヴォーカルのスティーヴン・タイラーと、ギターのジョー・ペリーのコンビは、ミックとキースを思わせるような、ステージングやソング・ライティングぶりで、その若々しさもあり、ストーンズよりも馴染み深かった面もありました。
 
① Toys in the Attic
オープニングはアルバム・タイトル曲のこの曲。録音レベルをレッド・ゾーンぎりぎりにまで上げて割れんばかりの音圧で迫るナンバー。スピード感もあって、個人的には彼らの代表曲の1つと思っております。タイラーとペリーの共作。

 

② Uncle Salty
③ Adam's Apple

②はタイラーとベースのトム・ハミルトンの作品。ミドル・テンポの何やら怪しげなナンバー。タイラー単独作品③は、個人的にはこのアルバムで最も好きな曲。ギターのリフや、徐々に盛り上がって来るAメロは最高です。
https://www.youtube.com/watch?v=Tq1s3weVzn0
 
④ Walk This Way
そして、エアロで最も有名なナンバー④。当時もシングル・カットされておりましたが、何と言っても、80年代に彼らが低迷している時に、ランDMCがこの曲を取り上げ、PVではタイラーとペリーも出演し、大ヒットを記録。これをきっかけにエアロ自身も息を吹き返しました

https://www.youtube.com/watch?v=ATWUtBsFTT0

 
⑤ Big Ten Inch Record
⑥ Sweet Emotion

⑤は当アルバム唯一のカバー曲。ブル・ムース・ジャクソンというR&Bシンガーの曲。かなりシブい選曲です。B面に入って、⑥は、再びタイラーとハミルトンのナンバー。このアルバムから最初にシングル・カットされた曲。妖しげなイントロから盛り上がって行くところはゾクゾクします。常にライヴの定番曲となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xvKF3WQYADk
 
⑦ No More No More
⑧ Round And Round
⑨ You See Me Crying

歯切れの良いロックン・ロール・ナンバーの⑦は、タイラーとペリーの手によるもの。もう1人のギタリスト、ブラッド・ウィットフォードとタイラーの手による⑧は、レッド・ツェッペリンをも思わせるヘヴィ・ロック・ナンバー。そして、ラストの⑨は、ストリングも導入されたバラード・ナンバー。タイラーと以前のバンド仲間の名前がクレジットされています。
https://www.youtube.com/watch?v=szWVgukqi78

このアルバムの後、"Rocks"、"Draw the Line"と、歴史的名盤を次々と繰り出しますが、その端緒となったこの作品。個々の曲もしっかりとしており、個人的には、最も好きな彼らのアルバムです。