先日、タワー・レコードをブラブラしておりましたら、このアルバムが廉価盤で出てまして、そう言えば、一枚も持ってなかったなと気づき、思わずかってしまいました。今晩は、久々のロック日記、リック・デリンジャーを取り上げました。
 
All American Boy / Rick Derringer
73年発表
 
65年、まだ10代だったデリンジャーは、自ら率いるザ・マッコイズが発表した"Hang On Sloopy"で、いきなり全米No.1を獲得しました。その後は、スタジオ・ミュージシャン的な活動が多くなり、特に、ジョニー&エドガーのウィンター兄弟との活動が頻繁となっておりました。
 
そして、73年に満を持して、本日ピックアップした初のソロ・アルバムを発表。以降、00年代まではアルバムを発表し続け、10年代になってもライヴ活動は続けているようです。
 
甘いマスクのデリンジャーが、金色の長い髪を振り乱して、ギターを掻き鳴らし、ヴォーカルをとっている様は、まさにアイドル的な雰囲気で、当時、高い人気を誇ってました。2ndアルバムのジャケットなんか、女の子みたいな感じでしたもんね。

① Rock And Roll, Hoochie Koo
そんな彼の代表曲と言っていいナンバー。70年にジョニー・ウィンターに提供した曲でしたが、自らのヴァージョンをこのソロ・アルバムのトップに持って来ました。ギターのリフと、切れのあるリズムが、実に格好いいナンバーで、当時のラジオでも耳を惹きました。エドガー・ウィンターも参加した映像をご覧下さい。

 

② Joy Ride

③ Teenage Queen
短尺のインスト・ナンバー②は、速いテンポの曲で、デリンジャーのギター・ソロが楽しめます。③では、当時、バーストームというバンドで活動していたジョー・ウォルシュが参加しています。ミドル・テンポのロッカ・バラード調の曲。
 
④ Cheap Tequila
⑤ Uncomplicated

アコースティクな感触の④は、カントリー調の明るいナンバー。ミドル・テンポのロック・ナンバー⑤では、再びウォルシュが参加。この時代のアメリカン・ロックらしさを感じるご機嫌な曲調です。
https://www.youtube.com/watch?v=ecWbEGjxlqA
 
⑥ Hold
⑦ The Airport Giveth (The Airport Giveth Away)
⑧ Teenage Love Affair

スローなバラード・ナンバー⑥では、エドガーがピアノで参加。B面トップの⑦は、ストリングスも導入されたドラマチックなナンバー。こちらもエドガーが参加。シングル・カットもされた⑧は、スピード感溢れるロック・ナンバー。エドガーのグループに客演した映像でどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=yeKlefIHq1g
 
⑨ It's Raining
⑩ Time Warp
⑪ Slide on over Slinky

ちょっと気分を変えて、明るいトロピカルな雰囲気を醸す⑨もシングル・カットされた曲。インスト・ナンバーの⑩もテンポの良いアコースティック・ギターのカッテイングが心地よい。またまたエドガーが参加したミドル・テンポにロック・ナンバー⑪も、とってもノリが良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=p1MTnzL0Xmo
 
⑫ Jump, Jump, Jump
ラストは洗練された感じのブルーズ・ナンバー。スローでメロディアスな旋律が心に沁みます。ラストでじっくり聴かせるところ、粋ですね。

やはり、70年代前半のアメリカン・ロックらしさを十分に満喫できる作品。緩急自在のアルバム編成は、とっても馴染み易いものでした。