当ブログの最重要書庫「20世紀のロックアルバム」は、第2シーズンを昨年9月からお送りしておりますが、2月に「#103」を掲載して以来、長い休止状態になっておりました。

 

東京に来てから、平日、なかなか時間がとれなくて、しっかりとしたアルバム・レビューもできずに、簡単な記事でお茶を濁して来ておりますが、やはり当ブログで最も充実しているこのコーナーは、気持ちを改めて、しっかりやって行きたいと思います。

 

今回はニール・ヤングの最高傑作とも言われるこのアルバムをピックアップしました。

 

Harvest / Neil Young
1972年発表

 

このアルバムが第1シーズンで、なぜ登場しなかったんだと、疑問を投げかける方もいらっしゃると思いますが、ファン投票で複数票をとれず、ようやく満を持しての登場となりました。第1シーズンでは「After the Gold Rush」が見事に選ばれております。

 

その「After~」がクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングがまだ存続している時期に録音されたもの(発表は解散後)だったのに対し、このアルバムは完全にソロとなってからの作品。バックにはザ・ストレイ・ゲイターズを従えて、ヤングの牧場内の小屋で録音(アルバムの裏ジャケ参照)されたりした音源を中心としたアルバム。

 

共同プロデュースや、ストリングス・アレンジに、スペクター・サウンドを支えたジャック・ニッチェを迎え、基本カントリー・アルバムでありながら、洗練されたアレンジの曲も含まれており、品格を感じさせる作品となっております。

 

セールス的にも、数多いの彼のアルバムの中でも、最も成功した作品で、アルバムも、カットされたシングルも、いずれも全米チャートのNo.1に輝やいております。

 

このアルバムは2009年8月にご紹介しております。
https://ameblo.jp/bbkosi/entry-12471170531.html

 

① Out on the Weekend
② Harvest

オープニング①はゆったりとしたカントリー・ナンバー。イントロのヤングのハーモニカと、曲に入ってからのヴォーカルが、心を和ませます。アルバム・タイトル・ナンバーの②も、ゆったりとしたアコースティックな感触が心地よいナンバー。ベン・キースのスティール・ギターも印象的。
https://www.youtube.com/watch?v=jkMQc82RMJw

 

③ A Man Needs a Maid
④ Heart of Gold

オーケストラを導入した③は、ピアノをバックにヤングが歌うシンプルな前半部と、壮大なオーケストラが入って来る劇的な後半部のコントラストが印象的。そしてヤング唯一の全米No.1ソング④は、歴史に残る名曲。いつ聴いても素晴らしいナンバー。


⑤ Are You Ready for the Couttry?
⑥ Old Man

A面ラストの⑤は、リズムを強調したスワンプ風ロック・ナンバー。B面トップの⑥は、これまたカントリー調の穏やかなナンバー。④に続いて、シングル・カットもされていたようです。
https://www.youtube.com/watch?v=An2a1_Do_fc

 

⑦ Thers's World
⑧ Alabama

③に続き、オーケストラを導入した⑦は、全編にわたって荘厳な弦の音を聞かせる、ドラマチックなナンバー。そして、前作の「Southern Man」に続いて、南部批判をした⑧は、後にレイナード・スキナードが「Sweet Home Alabama」というアンサー・ソングを発表するなど、何かと話題を振りまいた曲。当アルバムで、最もエレクトリック色の強い、ロック・ナンバーです。
https://www.youtube.com/watch?v=rf-Tmj8eArg

 

⑨ The Needle And the Damage Done
⑩ Words (Between the Lines of Age)

⑨は当アルバム唯一のライヴ録音ナンバー。ヤングの弾き語りで、麻薬問題をテーマにしています。そして、ラストの⑩は、6分半にも及ぶ、エレクトリック・サウンドで盛り上げて来るドラマティックな曲。名作を締めくくりに相応しいナンバーです。
https://www.youtube.com/watch?v=pMRcFpIn49o


なんだかんだ言っても、やはりこれがヤングの最高傑作であると思います。今でも、心を落ち着けたい時に、無性に聴きたくなるアルバム。捨て曲なしの名盤です。