昨年、中古屋さんで見つけた、ザ・ヤードバーズのコンピレーション・アルバムを本日はピックアップしました。60年代UK3大ギタリストを輩出したバンドとして、ロック史のその名をとどめておりますが、このコンピは、その初代ギタリスト、エリック・クラプトン在籍時の作品を20曲集めたもの。

クラプトンは、結成時の63年から、彼らにとって初のシングル・ヒットを飛ばした65年3月まで、このバンドに在籍しておりました。そんなわけで、64年5月のデビュー・シングルから、彼らにとってデビュー・アルバムとなるライヴアルバム、「Five Live Yardbirds」(以下、FLY)、そして脱退後に発表された「For Your Love」(以下、fYL)に収録された曲を中心に、後に発表されたライヴ音源などにより構成されております。

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Eric Clapton Years / The Yardbirds

94年編集

このアルバムがどんな経緯で発表されたのかは、詳しくはわかりませんが、いろいろ調べた範囲内では、日本独自の編集盤であるようです。ライナーノーツによると、「ジェフ・ベック・イヤーズ」というのも出ているそうです。

ブルーズ・ロックの源流に位置するバンドで、ほとんどの曲が、USのブルーズ・シンガーや、ロックン・ロール・シンガーのカヴァー。後に様々なバンドにカヴァーされ、ロックの古典となっているナンバーも多く、結構楽しめる作品ではないかと思っております。

① Too Much Monkey Business
記念すべき、デビュー・ライヴ・アルバムのオープニングに収録された、チャック・ベリーのナンバー。MCのメンバー紹介に続いて始まる演奏は、テンポも良く、熱いですね。


② I Wish You Would
③ Let It Rock
④ A Certain Girl
⑤ Good Morning School Girl
②はこれまた記念すべき彼らのデビュー・シングル。オリジナルはビリー・ボーイ・アーノルドキース・レルフのハープが前面に出ています。③もチャック・ベリーのナンバー。81年にスペインでリリースされた「London 1963」(以下、L63)アルバムで陽の目を見た音源。④は、②のB面として発表された曲で、オリジナルはアーニー・K・ドゥー。⑤はFLYにも、fYLにも収録された彼らの2ndシングル。サニー・ボーイ・ウィリアムソンIのナンバーで、個人的は、私が初めて知ったヤードバーズのナンバーです。
https://www.youtube.com/watch?v=oIB9HIJH0Uc

⑥ Smokestack Lightning
⑦ I Ain,t Got You
⑧ You Can,t Judge a Book by the Cover
⑥は、FLYの収録されたナンバーで、オリジナルはハウリン・ウルフ。⑦は⑤のB面曲で、カルヴィン・カーターの作で、ジミー・リードビリー・ボーイ・アーノルドがオリジナル。ジ・アニマルズやエアロスミスもカヴァーしています。⑧は曲を聴いておわかりの通り、ボー・ディドリーのナンバー。作はウィリー・ディクソン。最近ではザ・ストライプスがカヴァーしたことでも有名。L63に収録。
https://www.youtube.com/watch?v=6z3VoYROtHc

⑨ Boom Boom
⑩ Who Do You Love
⑪ I,m Talking about You
⑫ Got Love If You Want It
⑨は彼らの初のレコーディングの音源で、ジョン・リー・フッカーの作品。ジ・アニマルズのカヴァーも有名ですね。⑩はボー・ディドレーの代表曲。⑪はチャック・ベリーのナンバー。この3曲は③と同じくL63に収録されています。⑫はFLYに収録されたナンバーで、スリム・ハーポがオリジナル。
https://www.youtube.com/watch?v=byaEn95gNIU

⑬ Honey in Your Hips
⑭ I Wish You Would
⑮ Sweet Music
⑯ Pretty Girl
⑬はボー・ディドリー・ナンバーのような雰囲気ですが、レルフ作のオリジナル。初期の音源でL63に収録。⑭は②のライヴ録音でL63に収録。⑮はfYLに収録された曲で、ここまでの曲とはちょっと雰囲気の異なるナンバー。R&Bナンバーのカヴァーのようです。⑯もボー・ディドリー・ナンバーでFLYに収録されています。

⑰ Got to Hurry (single 65 FYL A5)
⑱ Putty (in Your Hands) (FYL A3)
⑲ I,m a Man (FLY B4)
⑳ Four Your Love (single 65 FYL A1)
⑰はメンバー全員の共作によるインスト・ナンバーでfYLに収録。⑱もfYLに収録されているナンバーで、調べきれませんでしたが、ザ・シューレールズの曲のような感じです。⑲はボー・ディドレーの作で、ブルーズ・スタンダードと言っていいほど、多くのミュージシャンが取り上げています。ラストの⑳はfLYのアルバム・タイトル曲で、彼らにとって初のヒット。ベック時代の曲だと思っていたのですが、クラプトンがまだ在籍していた頃の録音なのだそうです。曲のリリースとほぼ同時に脱退したので、PVやテレビ出演映像では、ベックがギターを弾いています。曲は後に10ccを結成するグラハム・グールドマン
https://www.youtube.com/watch?v=GPrk-WU7cKQ


ということで、後年になって陽の目を見た音源もありますが、初期の彼らの溌剌とした演奏が楽しめるコンピでした。fLYの頃になると、バンドの音楽性もだいぶ変わって来ていて、クラプトンが辞めたいと思った事も、改めて理解できたような気がします。