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8月にポール・マッカートニーの「Red Rose Speedway」をご紹介して、しばらく途絶えておりましたが、その第2弾として、今晩は、70年代前半にシーンで話題になったシンガー、ジョブライアスをピックアップいたしました。

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Jobriath

73年発表

グラム・ロックの大ブームが吹き荒れる70年代前半。UKではデヴィッド・ボウイやT・レックスが絶大な人気を誇る中、USでもこのブームにあやかろうと、エレクトラ・レコードと50万ドル(当時の為替レードでは1億円以上)の契約金を得てデビューした、ジョブライアス。

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彼を売り出すための大々的キャンペーンが行われ、日本の音楽雑誌「ミュージック・ライフ」でも、上半身裸の姿や、全身タイツに金魚鉢を被った姿など、ボウイ以上に、異様な出で立ちのグラビアが掲載されていました。当時としてはタブーに近かったゲイであることも、公けにされていたそうです。

UKならいざ知らず、USではそのような売り出し方が受け入れられず、セールス的には、散々な結果になり、2枚のアルバムを発表して活動停止。その後、名前を替えて、キャバレーやクラブでのライヴ活動を続けていたようですが、83年にエイズで亡くなっています。

80年代にザ・スミスやペット・ショップ・ボーイズらの間でカルト的な注目を集め、知る人ぞ知るアーティストと評価されています。

彼の1stアルバムを聴いてみましたが、サウンド的には当時のボウイを思わせるサウンドで、さほど惹き付けるものはありませんが、曲のヴァラエティには富んでいて、当時の雰囲気が味わえて、我々世代には懐かしくていい感じです。

① Take Me I,m Yours
タイトなバンド・サウンドのオープニング・ナンバー。ヴォーカルもなかなか変態チックで、グラムの雰囲気を味わえます。
https://www.youtube.com/watch?v=6VB21npYPHQ

② Be Still
③ World without End
②はピアノをバックにしたロック・バラード。なかなかに美しい曲です。ファンキーなリズム感で盛り上がる③は、なかなかキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=3l5rhGxJ8Lc

④ Space Clown
⑤ Earthing
⑥ Movie Queen
⑦ I,m a Man
④はボウイの「Hunky Dory」に収録されていそうな感じの曲。⑤も軽快なファンキー・リズム感が小気味よいナンバー。2分弱の⑥はピアノの伴奏のみで歌われる、オペラの小曲のような雰囲気。静と動を絡ませた曲構成が印象的な⑦。この映像で、今回、私、初めて動くジョブライアスを見ました。
https://www.youtube.com/watch?v=1Lp_e4wUnz4

⑧ Inside
⑨ Morning Star Ship
またしてもピアノをバックに歌い上げる⑧。続く⑨はミドル・テンポのバンド・サウンドで、ボウイの世界を彷彿とさせます。
https://www.youtube.com/watch?v=ouP2A0aMR-4

⑩ Rock of Ages
⑩はテンポの良いキャッチーなナンバー。当アルバムで最もノリの良い曲です。そして映像の方では、金魚鉢姿を見ることができます。あの金魚鉢が、あんな風になることを知れただけでも、生きてて良かったと思いました。


⑪ Blow Away
ラストは5分を超える大作。ピアノをバックにじっくりと歌い上げる前半から、徐々に盛り上がっていき、再び静かなピアノの演奏に戻って行く、ラストに相応しいナンバー。


これまで、際物的な印象を持ってて、気にはなりながらスルーしていたジョブライスですが、ボウイのコピー的な部分に目をつぶれば、この時代の象徴するサウンドとして、楽しめる内容でした。