最近、音楽聴き放題の「スポーティファイ」というものに、最初の3か月、月100円に惹かれて加入してしまいました。洋楽であれば、ほとんどのアーティストの、オリジナル・アルバム、リマスター版、ライヴ・アルバム、ベスト・アルバムを聴くことができ、中にはCDでは発売中止になっているものも、聴くことができます。

そんなわけで、レンタル時代にテープ録音したきりになっているものや、これまで聞き漏らしていたアーティスト、アルバムを片っ端から登録して、小刻み聴いて喜んでおります。最近、アルバム・レビュー記事が少なくなっているのも、その影響ではないかと思います。

これで2か月ほどになるもんですから、さすがに落ち着いて来まして、そろそろ当ブログでも未紹介の作品を、この中からピックアップして行きたいと思います。

で、その第1弾として、本日は、ポール・マッカートニー&ウィングスの作品を取り上げました。

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Red Rose Speedway / Paul McCartney And Wings

73年発表

このアルバム、ポールのアーカイヴ・シリーズで再発されることをずっと待っているのですが、最近は80年代以降の作品のリマスターになって、このアルバムは忘れ去られたような雰囲気になっております。既発CDは既に在庫がなくなっているのか、ネットで調べると、中古は8000円以上、新品は1万円以上の値がついています。そんな貴重な作品も、スポーティファイではちゃんと聴けるようになっております。ありがたいことです。

このアルバムはウィングスとしては2枚目のアルバムで、デビュー作に比べると、バンドとしてのまとまりも、曲づくりのレベルもより高いものになっており、当時のポールのアルバムとしては、十分に及第点を与えても良い内容になっておりました。全米No.1シングルも輩出していますし。

個人的にも、リアルタイムで(友人に借りて)聞いた初のポールのソロでありました。ビートルズ時代のレベルにはまだ戻ってないけれど、それまでの地味なソロに比べると、いよいよポールも本領を発揮し始めたかなという印象てした。まさに、体制は整いつつあったわけです。


① Big Barn Bed
② My Love
オープニングの①は、ポールの2ndソロ「Ram」収録の「Ram On」の後半部を発展させた曲。リラックスした雰囲気でスタートです。続く②は、全米No.1に輝いた、ポールのソロ・キャリアの中でも、5本の指に入る作品の1つ。ストリングスをバックに歌うバラード・ナンバーは、ビートルズ時代を彷彿とさせました。


③ Get on the Right Thing
何かとってもワクワクとしてくるイントロの③は、これもポールらしさ溢れるポップ・ナンバー。曲が進むにつれてどんどん盛り上がって行きます。
https://www.youtube.com/watch?v=P-iTYCCrBjQ

④ Only One More KIss
⑤ Little Lamb Dragonfly
カントリー調のゆったりとした雰囲気の④は、この時期流行っていたレイド・バックのスタイルを感じさせます。A面ラストの⑤は「Ram」のアウトテイクとのことですが、なんで落ちたのだろうと思ってしまう、とても良くできた曲。ちょっと哀しげなメロディがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=1YgOJZwxWi0

⑥ Single Pigeon
B面トップは、ポールのピアノ弾き語りによる、ちょっとジャジーな雰囲気のナンバー。エンターテイナー・ポールもここに来て全開です。
https://www.youtube.com/watch?v=SS1VGGsPCDo

⑦ When the Night
⑧ Loup (1st Indian on the Moon)
⑨ Medley:Hold Me Tight/Lazy Dynamite/Hands of Love/Power Cut
マイナー調の⑦は、これまでのソロ作に入ってそうな小品ですが、メロディ・メーカーとしてのセンスは、ここでも感じさせます。ラス前の⑧は、次の曲の前奏曲的な感じで、歌詞はなく「アーアー」というメロディを唸るだけの歌で、曲調も細かく変化しています。そして、ラスト⑨は「Abbey Road」のB面を再びといった感じで、4曲をメドレーでつなげた11分を超える大作。どれも良くできた曲です。冒頭の曲は、ビートルズとは同名異曲。
https://www.youtube.com/watch?v=k8dvOmyLwdk


当初2枚組で発表される予定だったそうですが、当時のポールのセールス力ではそこまでは許してもらえなかったのでしょうか、結局上記のラインアップになりました。未だに発表されていない曲もあるようなので、ここはぜひ、アーカイヴ・シリーズでのデラックス盤を期待したいところであります。