究極シリーズ第3弾のパンク・ロック・ソングスの特集。3月も最終週となりまして、なんとか3月、2回目の掲載を実現することができました。18回90曲を予定しているこの特集、今年中に終われるか微妙な雰囲気ですが、頑張って進めて行きたいと思います。

今回は、パンクがニューウェイヴへと移行していく、そんな過渡期的な時期に登場して来たUKバンドが中心となりました。

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⑯ Alison / Elvis Costello (1977)
⑰ Hong Kong Garden / Siouxsie And The Banshees (1978)
⑱ Hersham Boys / Sham 69 (1979)
⑲ King Rocker / Generation X (1979)
⑳ Science Friction / XTC (1977)

前回のイアン・デューリー、ニック・ロウの流れに乗って登場するのが、エルヴィス・コステロです。ロウのプロデュースで77年にデビュー。2ndシングルとして発表され、デビュー・アルバムにも収録された一世一代の大名曲、「⑯ Alison」をまずはピックアップいたしました。スタイル的にはパンク・ロックと呼ぶのが憚れる、素晴らしいロック・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=9IoG-TncBr0

セックス・ピストルズの親衛隊のメンバーが結成したバンド、スージー&ザ・バンシーズも、パンク第2世代的な感じで78年にデビュー。女性ヴォーカルのスージー・スーの呪術めいたヴォーカルが印象的なサウンドでした。その中でもポップな異国情緒を感じさせる「⑰ Hong Cong Garden」は、異彩を放っておりました。
https://www.youtube.com/watch?v=Y-l9GQJRl9Y

続いては、77年インディーで、78年にはメジャーでデビューを果たしたUKはサリー州出身のパンク・バンド、シャム69です。シング・アロング・スタイルの曲が特徴で、暴力的でむさ苦しい雰囲気がありましたが、当時は見れなかった彼らの映像を見ていると、意外とすっきりした感じだったのでビックリしました。こういう曲はイギリス人好きなんだろうなぁと思います。「⑱ Hersham Boys」をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=LZZbi3IfCHI

これまた77年デビュー組のジェネレーションXビリー・アイドルが在籍したバンドと言った方がわかりやすいかも知れません。パンク・バンドの中ではアイドル的な扱われ方をし、BBCの音楽番組「トップ・オヴ・ザ・ポップス」にパンク・バンドとして初めて出演した歴史もあります。「⑲ King Rocker」は、イアン・ハンターがプロデュースした2ndアルバム収録曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=lR6TSe1Gqfo

今回ラストは、ニューウェイヴ側にかなり寄ってしまうXTCの登場です。ロンドンから130km西にあるスウィンドンという街で結成され、77年にヴァージン・レコードからデビュー。デビュー当時はキーボードを含む4人組でした。先鋭的で尖がったところのある独特のサウンドで、こちらも異彩を放っておりました。「⑳ Science Friction」は77年のデビューEPのA面収録曲。実質的な彼らのデビュー曲と言えましょう。



今回のピックアップした曲を聞いていると、パンクからニューウェイヴへと移行していくあの時期の雰囲気が蘇ってくるような気がします。ほんの2~3年の間のことでしたが、音楽が大きく動いていた時代でした。