究極シリーズ第3弾として先月から始まりました「究極のパンクロック・ソング」。前回はニューヨーク・パンクの草創期に活躍した5バンドをご紹介しましたが、今回は、その熱波が大西洋を渡って火がついたロンドン・パンクの草創期を再現してみましょう。

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⑥ She Does It Right / Dr. Feelgood (1975)
⑦ New Rose / The Damned (1977)
⑧ White Riot / The Clash (1977)
⑨ In the City / The Jam (1977)
⑩ Anarchy in the U.K. / The Sex Pistols (1977)

いきなり意外なバンドが登場したと思われる方も多いと思いますが、まだ情報が錯綜していた日本では、このバンドがロンドン・パンクの元祖みたいな形で紹介されておりました。今では、パブ・ロックの系譜で語られることの多いバンドですが、レコード・デビューが、他のパンク・バンドに先行したことから、当時のロンドンの生の雰囲気を伝えることができたドクター・フィールグッドのデビュー・アルバムのオープニング・ナンバー、「⑥ She Does It Right」です。ハード・ロックも、プログレッシヴ・ロックも、様式美や、演奏テクニックに走っていた時期に、初期衝動的な激しいサウンドは、忘れていた何かを思い出させるものでした。
https://www.youtube.com/watch?v=rViBFgjChH0

そして、現在では、ロンドン・パンクで最初にシングル、アルバムを発表したバンドとして歴史に名を刻む、ザ・ダムドです。そんな彼らの76年に発表されたデビュー・シングル「⑦ New Rose」です。デビュー・アルバムも77年2月に発表され、この曲も収録されています。後のハードコア・パンクに大きな影響を与えたバンドで、ニューヨークのラモーンズと並んで、典型的なパンク・サウンドの確立に大きな貢献をしたバンドと思っております。
https://www.youtube.com/watch?v=UZu8aDWhM9Y

続いては、初期パンク・シーンにおいて、最も重要なバンドと考えておりますザ・クラッシュです。ザ・ジャムとは異なり、パンクの範疇に留まりながら音楽的進化を果たした唯一のバンドと思っております。今回ピックアップした「⑧ White Riot」は、77年3月に発表された彼らのデビュー・シングルで、同年4月に発表されたデビュー・アルバムにも収録されています。ザ・クラッシュのみならず、初期のパンクを代表する、エポック・メイキングな名曲であると思います。


さらに4月には、ザ・ジャム「⑨ In the City」でデビューして来ました。パンク・ムーヴメントに乗って世に出て来ましたが、その本質はモッズで、その後徐々にそちらの音楽性を全面に押し出すことで、高い評価を得るようになりました。5月に発表されたデビュー・アルバムにも、後から聴けば、確かにそんな雰囲気もあるなぁといいう感じですが、当時は、次から次へと出て来るパンク・バンドの作品だという感じでした。
https://www.youtube.com/watch?v=5ipGhzrIi3s

そして、ロンドン・パンク草創期から、そのライヴ活動での悪行三昧が話題になることで、さらに注目度が高まり、そのバンド名の奇抜さも相まって、短命ながら、ロンドン・パンクを代表する存在となったザ・セックス・ピストルズです。「⑩ Anarchy in the U.K.」は76年11月にEMIからリリースされた彼らのデビュー・シングルなのですが、リリースから1か月半後に、メンバーの素行の悪さを理由にEMIから契約解除を言い渡され、日本では幻のデビュー曲となっておりました。結局77年10月に発表されたデビュー・アルバムに収録され、ここ日本でも普通に聴けるようになりました。グレン・マトロック在籍時の映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=0TZ_9-rbslo

やっぱ、ロンドン・パンク、素晴らしいです。