主に60~80年代のアーティストを中心にピックアップして参りました、「ピックアップ・アーティスト」のコーナーですが、今回は初のチャレンジです。チャレンジといっても粉飾するわけではありません。自分としては、未だ不得意アーティストが多い、90年代から00年代にかけて活躍したバンドを、取り上げてみたいと思います。

今年のサマー・ソニックでヘッド・ライナーを務めることになった、現代UKを代表するバンド、レイディオヘッドのアルバムを、自分の勉強の意味も込めて、順次取り上げてみたいと思います。

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Pablo Honey / Radiohead

93年発表

85年にオックスフォードで結成。91年にパラフォーンと契約を結び、現在のバンド名となりました。92年に当アルバムに収録されている「Creep」でシングル・デビュー。当初はヒットしませんでしたが、93年に、今回ご紹介のデビュー・アルバムを発表した後に、再発されて世界的ヒットとなり、一気に彼らのブレイクへとつながりました。

後にエレクトロニカなど、ポスト・ロックと呼ばれる方向へと進んで行く彼らですが、このデビュー・アルバムでは、USのオルタナティヴ・ロックや、UKのシューゲイザーなど、通常のギター・ロックの流れを汲む作品で占められています。

私が、彼らを最初に聴いたのは、方向転換した後でして、このデビュー・アルバムは後追いで聴いたもの。こちらから聴いていたら、彼らに対する印象は随分、変わっていたと思います。

このアルバムは2012年9月に記事にしております。
http://blogs.yahoo.co.jp/kosi0810/46615201.html


① You
スローなテンポで、厚みのあるギターがうねる中を、トム・ヨーク
心に突き刺さるヴォーカルがきかせる、ゾクゾクとしてくるオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=8vbZ73q4oew

② Creep
初期の彼ら、さらには90年代ロックを代表するナンバー。一時期ライヴで演奏されなくなりましたが、03年のサマー・ソニックでの再演は、大きな感動を呼びました。


③ How Do You?
③は、80年代のニューウェイヴ・バンドの雰囲気を持った曲で、個人的にはとってもしっくりくるナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=ALw7fOjWVJs

④ Stop Whispering
陰鬱なサウンドが多い彼らには珍しく、フォーク・ロック調の牧歌的なナンバー。とっても普通な感じで、時折U2を思い起こさせます。
https://www.youtube.com/watch?v=PECnzN8P6KQ

⑤ Thinking about You
アコースティック・ギターをフィーチャーした、サイケデリック・フォーク調のナンバー。UKバンドだけあって、トラッドの影響も感じさせます。
https://www.youtube.com/watch?v=K-im6H5Z9dU

⑥ Anyone Can Play Guitar
②に続いてシングル・カットされた⑥は、サビの郷愁を帯びたメロディがとっても印象的なナンバーで、これもかなり私にはしっくりと来る曲。
https://www.youtube.com/watch?v=0si0fB0lnow

⑦ Ripcord
静と動がクルクルと入れ替わるテンポの良いナンバー。この曲でも、彼らのメロディ・メーカーとしての力量を感じさせます。
https://www.youtube.com/watch?v=6VRVOklCd2Y

⑧ Vegetable
ミディアム・テンポで、切れの良いリズム感で、サビにかけて盛り上がって来るナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=XUFmcbpqYos

⑨ Prove Yourself
冒頭のヨークの美しく澄んだヴォーカルをフィーチャーし、徐々にサウンドに厚みを持たせて盛り上げていくナンバー。この時代を象徴する感触があります。
https://www.youtube.com/watch?v=6wC2w3L64ME

⑩ I Can,t
こちらもスローながら、とっても親しみ深いメロディで、落ち着いて聴いていられるナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=vFHObhK6btk

⑪ Lurgee
静寂なサウンドに込められた熱情を感じさせるナンバーで、彼らの評価を決定づけた、後の3rdアルバムへの萌芽が感じられる作品。
https://www.youtube.com/watch?v=iViMeViQJeA

⑫ Blow Out
ラストの⑫は、ボサノヴァ調のイントロが印象的なナンバー。抑制されたサウンドに、徐々に厚みのあるギターがかぶさって来て、壮大なラストへと向かって行きます。
https://www.youtube.com/watch?v=vRX1PGhgT1w


後のアルバムに比べると、あまりに普通過ぎて、熱烈なファンの間では、あまり評価の高くない作品なんですが、個人的には最も聴き易い彼らのアルバムだと思います。