本来、本日は「究極のロックソング」の第5回をアップしようと思っていたのですが、div shareの調子が悪いものですから断念しまして、その中でなんで取り上げてないんだと、複数の方からお叱りを受けているバンドをピックアップしたいと思います。

最盛期の2枚のアルバムを、当ブログのかなり初期のうちに取り上げてしまっていたものですから、ここのところ全く出番がなかった、60~70年代を代表するファンク・バンド、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、久々の登場です。

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Dance to the Music / Sly & The Family Stone

68年発表

テキサス生まれのカリフォルニア育ちのシルヴェスター・スチュアートが、スライ・ストーンと名乗って、弟妹や友人達とともにこのバンドを66年に結成。67年にデビューを果たし、評判は良かったようですが、セールス的には失敗。プロデューサーから、もっとポップな曲をと言われて作ったのが、本日ご紹介のアルバムのタイトル・ナンバー。ビルボードのトップ10に入るヒットとなり、遂にブレイクを果たします。

このヒットの勢いで制作されたのが、この2ndアルバムで、天才スライの若々しく溌剌とした勢いのよいファンク・ナンバーが詰まっている傑作アルバムで、R&Bチャートで11位にまで上がるヒットとなりました。

曲もヴァラエテイに富んでおり、後の名曲のベースとなった曲や、12分を超えるメドレーなど、とにかく、それまで温めて来た才能を一気に爆発させた勢いがあり、やや陰鬱な雰囲気を帯びてくる70年代の作品にない瑞々しさを感じます。

① Dance to the Music
イントロのホーンの響きと、冒頭のタイトルを力強く連呼する導入部は、ほんと力がみなぎってます。高揚感を煽って来るようなドラムのリズムに、思わず体が動いてしまいます。一発目でいきなりノックアウトです。


② Higher
69年の彼らの代表作「Stand!」に収録された、彼らの代表曲「I Want to Take You Higher」のベースとなった②。完成された後のヴァージョンほどの勢いはありませんが、歯切れの良いリズム感で、こちらのヴァージョンでも、高み連れてってくれそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=esiCTBmHNoo

③ I Ain,t Got Nobody (For Real)
④ Dance to the Medley: Music Is Alive/ Dance In/ Music Lover
サイケデリックっぽい、スペイシーなオルガンが、随所に顔を出す③は、サイケデリック・ファンクと呼ばれた彼らの特徴を示してます。そして、大ファンク大会となる④のメロディ。こちらでも「I Want to Take You Higher」という歌詞が飛び出してきます。延々とこのリズムの波に身を預けていると、恍惚感すら味わえそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=UM9hcnBTrfM

⑤ Ride the Rhythum
⑥ Color Me True
⑦ Are You Ready
B面も良質のファンク・チューンが目白押し。トップの⑤も、軽快なテンポで進むノリのいいナンバー。ミドルテンポの⑥は、引きずる感じのメロディ・ラインで激しさを感じさせます。男女のヴォーカルの掛け合いが印象的な⑦も、ミドルテンポでグイグイ押して来るナンバーです。
https://www.youtube.com/watch?v=EP6qwjnJW4c

⑧ Don,t Burn Baby
⑨ Never Will I Fall in Love Again
ロック色の強い⑧は、小刻みのビートが独特の高揚感を与えてくれます。ラストの⑨は、バラードというほどではありませんが、スローテンポで曲を聴かせるナンバー。とはいえファンキーなリズム感は、そんな中でも伝わって来ます。
https://www.youtube.com/watch?v=wVzkhcFkvgw


この作品でブレイクした彼らは、翌年ウッドストックに出演し、ロック・ファンからも賞賛を浴び、時代を象徴するバンドへと飛躍して行きます。