昨年はアーカイヴ・シリーズの発掘ライヴ1本に終り、恒例の新作発表がなかった、我らがニール・ヤング師匠ですが、今年は早くも年中行事をサラリとやってくれました。

12年にアメリカのトラディショナル・ナンバーを集めた「Americana」というアルバムを発表したヤングですが、今回はその続編とも言うべきカヴァー集を発表しました。しかも今回は、もっと彼の年齢に近いシンガーの曲を集めてくれました。

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A Letter Home / Neil Young

14年発表

ヤングが10代の頃聴いていたと思われる、ジ・エヴァリー・ブラザーズウィリー・ネルソンから、ほぼ同時代アーティストであるボブ・ディランブルース・スプリングスティーンまで、50年代から70年代を彩ったシンガーの曲を取り上げてます。

録音状態は極めて悪く、デモ・テープ並の音質。基本的にヤングの弾き語りによるものばかりで、この時代にあって、手作りっぽい感じのする作品です。

基本的にヤング一人による録音ですが、2曲だけ、元ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトが参加しています。この組み合わせも、かなり凄いことだと思います。


① A Letter Home Intro
② Changes
③ Girl from the North Country
オープニングはヤングの2分にわたるモノローグが流れる前説。②は60年代前半からグリニッジ・ヴェイレッジで活動したプロテスト・シンガー、フィル・オークスの66年の曲。そして③はディランの2ndアルバムに収録された初期の名曲。
http://www.youtube.com/watch?v=A5433ZDjFE8

④ Needle of Death
④はUKフォーク界を代表するアコースティック・ギタリスト&シンガー、バート・ヤンシュのデビュー・アルバムに収録さえていたナンバー。


⑤ Early Morning Rain
そして、ヤングと同じくカナダ出身のシンガー・ソングライター、ゴードン・ライトフットの作品。66年のデビュー・アルバムに収録されていたようです。13年のファーム・エイドでの映像がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=OEVusEYoKgQ

⑥ Crazy
⑥はカントリー界の大御所、ウィリー・ネルソンが61年に作り、パッツィー・クラインが取り上げてヒットしたナンバー。私はリンダ・ロッシュタットのカヴァーで知った曲です。

⑦ A Letter Home Intro #2
⑧ Reason to Believe
⑨ On the Road Again
雰囲気的にはここからLPのB面みたいな感じで、⑦は再度、ヤングのモノローグが流れてきます。こちらは短めに終わり、60年代後半に活躍したUSフォーク・シンガー、ティム・ハーディンが65年に発表した⑧へとつながります。この曲、ロッド・スチュワートもカヴァーしています。そして、⑨は再びウィリー・ネルソンの作品で、80年発表の比較的新しいナンバー。ここでジャック・ホワイトがピアノで参加。
http://www.youtube.com/watch?v=EfvUyAZNIGc

⑩ If You Could Read My Mind
⑪ Since I Met You Baby
⑫ My Hometown
⑩はこれまた再びライトフットのナンバーが登場。70年に発表されたシングルで、カナダでNo.1を獲得。⑫は50年代のブルーズ・ミュージシャン、アイヴォリー・ジョー・ハンターのナンバー。ブギウギ調のピアノが印象的。そして⑬では、スプリングスティーンのロック・バラードをカヴァー。84年の「Born in the U.S.A.」に、ラスト・アンバーとして収録され、シングル・カットもされました。
http://www.youtube.com/watch?v=D4bzMSoIl2I

⑬ I Wonder If I Care As Much'
ラストはジ・エヴァリー・ブラザーズの57年のナンバー。サイモン&ガーファンクルもカヴァーした「Bye Bye Love」のB面として発表された曲に、ホワイトがヴォーカルとギターで参加して作られたナンバー。


ヤングが聴いて来た曲や、本当に好きな曲を、気ままに演奏してみました的雰囲気が、なんかとっても心温まる作品でした。