11月のポール・マッカートニーの来日も近づいて参りましたね。今回は全ての公演が平日ということで、残念ながら観に行くことはできそうもありませんが、ア・ビートルはリンゴでもいいので(笑)、いつかは観たいなと思っております。

そんな来日公演へ行けない田舎モンのために、ポールが新作を発表してくれました。

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New / Paul McCartney

13年発表

昨年、スタンダード集を発表していますが、新作のオリジナル・スタジオ・アルバムとしては、07年の「Memory Almots Full」以来6年振りの作品。70歳を越えたポールが、こうやって元気な作品を発表してくれ、それを私がこうやって聴いていることに、なんか幸せを感じます。

しかし、さすがポールです。今回は、複数のプロデューサーを起用して、曲によってその趣を変えているところが、イキです。アデル等をプロデュースしたポール・エプワース、エイミー・ワインハウスや、最近ではブルーノ・マーズも手がけたマーク・ロンソン。UKの若手バンド、ザ・ヴァクシンズもプロデュースしたイーサン・ジョンズといった、新進気鋭のプロデューサーを起用しています。さらに、ジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティンも参加するという、ビートルズ・ファンには嬉しいコラボもあります。

今回は、随所に、ポールらしさ、もっと言えばビートルズらしさを感じる部分が多い一方、あんまりポールらしくない部分もあって、アルバム・トータルとしては、手放しで喜べない感もあるのですが、ジョンとジョージの新曲が聴けないこの世界、ポールの新作を聴ける喜びの前に、作品の良し悪しなんて、どうでもいい気分になって来ます。

① Save Us
なんとなく80年代のサントラ映画の曲みたいな雰囲気のナンバーで、ポール独特のひらめきは感じませんが、テンポが良く、スピード感のあるオープニング。ライヴ映像をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=fv3syIA5AYM

② Alligator
③ On My Way to Work
④ Queenie Eye
マイナー調の②では、サビにポール独特の節回しを感じます。アコースティク・ギターのゆったりとしたストロークが印象的な③、徐々に本領を発揮してきます。そして、ようやくこれぞポールといった感じの④は、ビートルズ・マジックの再現を感じます。ELOみたいって感じもあり。
http://www.youtube.com/watch?v=ROeW_rjeckU

⑤ Early Days
⑥ New
アコギを使ったフォーキーな⑤も、ポールらしいメロディが印象的。そして、アルバム・タイトル曲の⑥は、当アルバムのベスト・チューン。21世紀の「Penny Lane」って感じですね。64歳を越えても、70歳を越えても、ポールはポールです。


⑦ Appreciate
⑧ Everybody Out There
エレクトロニックなサウンドで徐々に盛り上がって行く⑦は、コンテンポラリーなサウンドも、積極的に取り入れようとするポールを意欲を感じます。一転、アコギでテンポの良いポップ・ナンバーへと展開する⑧も、ポールの旨さを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=tbiP7Lllkt8

⑨ Hosanna
⑩ I Can Bet
ゆったりとしたバラード・アンバー⑨も、ポールならではのソング・ライティングです。⑩もかなり現代的なアレンジがなされたナンバー。⑦⑧と同様、マーティンのプロデュースというところが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=9ey-vXm6kY0

⑪ Looking at Her
⑫ Road
⑪も打ち込みリズムのナンバーですが、サビでは思わずホッとするポール・メロディが楽します。ラスト・ナンバー⑫は、マイナー調のちょっとお洒落な雰囲気で、一旦幕を閉じます。

⑬ Sacred
私が買ったのは通常盤だったのですが、一応シークレット・トラックとしてもう1曲収録されています。ピアノの弾き語りナンバー。心にグッと来るメロディが印象的。


来日公演でも、何曲か取り上げられることと思います。観に行かれる方、楽しんで下さいね~!