今週も月曜日のアップになってしまいました、ボブ・ディランの全曲訳詞に挑戦中、「ディラン日記」のコーナー。いよいよ、エレクトリック・ディランへの完全衣替え作品となった、6枚目の作品に入りました。

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Like a Rolling Stone

6thアルバム「Highway 61 revisited」(65年発表)

そのアルバムの冒頭に収録されたこの曲。オールタイム・ロック・ソングのランキングでも常に上位、というか1位になることが多いナンバー。サウンド、歌詞、アティテュード、あらゆる面でロックという音楽の基礎となった歴史的名曲。今回、遂に取り上げさせていただく喜びをヒシヒシと感じます。

歌詞は、かつて栄光を放った女性が落ちぶれていく様を歌っています。そしてそれは、世間の立派な大人たちに向けられたメッセージでもあるようですし、自らをも含む急に売れ出したミュージシャンに対してでもあるような気がします。少なくとも当時のポップ・チャートには、なかった強いメッセージを持っていました。

そして前作から始まったエレクトリックなサウンドによる音作りは、マイク・ブルームフィールドのギターや、アル・クーパーのオルガンにより、さらにレヴェル・アップがなされ、この曲の底流にしっかりと流れています。

まずは、ディランのHPから、曲の一部と歌詞をお楽しみ下さい。
http://www.bobdylan.com/us/songs/rolling-stone

昔むかし アンタは立派に着飾って
全盛期には 怠け者に10セント硬貨を投げていた じゃねぇの?
回りの人達は言う「気をつけなお人形サン アンタそろそろ落ちぶれるぜ」
アンタ思ったよな ヤツらがふざけているんだと
アンタはかつて笑ってたな 遊び呆けてるヤツらを
さあ アンタ もうでかい声出せない
さあ アンタ プライドもなくなったようだ
次のメシをたかることについては

どんな気分だい
どんな気分だい
ホームレスになっちまうのは
完全に忘れられちまうみたいのは
根なし草になっちまうみたいのは

最高の学校に行ったよね さびしがり屋さん
でもアンタ絞り取られるだけだと わかったね
そして誰もアンタに 世間での生き方教えてくれなかった
そして今 それに慣れなきゃいけないとわかった
アンタは決して妥協しないなんて 言ってたね
不思議な放浪者には でも今アンタわかったね
ヤツはどんなアリバイも売っちゃくれない
ヤツの目の空っぽなところを 見つめながら
そしてヤツに訊ねる 取引したいのかって

どんな気分だい
どんな気分だい
自分だけに頼るのは
帰るところもなくなって
完全に忘れられちまうみたいのは
根なし草になっちまうみたいのは

アンタは曲芸師やピエロ達のしかめっ面を
見るために戻って来たりしなかった
ヤツらがみんなやってきて あんたを引っ掛ける時
アンタは良くないことだと 決してわからなかった
アンタは他の人に アンタの立場を取らせるべきじゃなかった
アンタは外交官と クロムメッキされた馬にかつて乗っていた
ソイツはシャム猫を肩に抱えていた
ヤツが それがあったところには本当はいない事を
アンタが見つけるのは そんなに難しくない
ヤツが盗れるものをみんな 盗ってしまった後ではね

どんな気分だい
どんな気分だい
自分だけに頼るのは
帰るところもなくなって
完全に忘れられちまうみたいのは
根なし草になっちまうみたいのは

尖塔の上の王女と 全ての素敵な人々
ヤツらは飲んで やったぜと思ってる
あらやる種類の貴重な贈り物を交換しながら
でもあんたはダイヤの指輪は取っといて 
質に入れた方がいいぜベイビー
あんたはかつて楽しんでた
ボロ服のナポレオンと 彼が話した言葉に対して
ヤツのところへ行けよすぐに ヤツが呼んでる アンタは拒めない
何にもかもなくしちまったら もう失うものはない
いまやアンタは透明人間 隠す秘密もないのさ

どんな気分だい
どんな気分だい
自分だけに頼るのは
帰るところもなくなって
完全に忘れられちまうみたいのは
根なし草になっちまうみたいのは


この曲と関係ありそうな名前を持ったUKの老舗バンド、ザ・ローリング・ストーンズは、90年代になって初めてこの曲をライヴで取り上げるようになりました。(もちろんストーンズの名前は、マディ・ウォーターズの曲からとられています。)
http://www.youtube.com/watch?v=BHsNNuLGlYw

そしてディランの映像。60年代のものと思われます。