昨年のロンドン・オリンピックの開会式に突然現れた、UK若手の筆頭格、アークティック・モンキーズが2年ぶりの新作を発表しました。

珍しく2日連続の新譜紹介。ご紹介させていただきます。

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AM / Arctic Monkeys

13年発表

アルバム・タイトルは彼らのバンド名のイニシャルのようですが、ビーディ・アイの「BE」に対抗してるのでしょうか。(そんな事はあり得ないと思いますが。)

デビュー当時の高速ビートから、徐々にゆったりとした落ち着いたサウンドとなって、大物然とした貫禄を身に纏うようなってきた彼ら。3rdから4thの前作あたりから、ようやくオールド・ロック・ファンの私にもしっくり来るサウンドになって来ておりましたが、今回はさらにその路線を推し進め、聴き応えのある作品を届けてくれました。

個人的には彼らのサウンドに欠けてたように感じていた、グルーヴ感やねっとりとした妖しさが、かなり前面に出て来て、ブリティッシュ・ロックの伝統が継承されているようです。リズム的にもかなりメリハリがついており、デビュー前はレッド・ツェッペリンをカヴァーしていたというのも、初めて納得がいったような気がしました。

06年のデビュー・アルバム以来、全英No.1をキープしている彼ら。このアルバムも初登場1位を獲得しました。

① Do I Wanna Know?
スロー・テンポで唸るようなギターが印象的なナンバー。哀愁漂うメロディも曲にピッタリ。徐々に盛り上がって来るところもゾクゾクします。グラストンベリーの映像でどうぞ。


② R U Mine?
タイトルは「Are You Mine?」をプリンス風に表記しています。ファンキーなリズム感が、下世話な騒がしさを演出し盛り上げて来ます。タイトなナンバーです。
http://www.youtube.com/watch?v=METqtia7Fh8

③ One for the Road
④ Aragella
③もスロー・テンポながら、リズムがはっきりとしたナンバー。ファルセットのバック・コーラスも効果的。④も妖しげなリズム・セクションが気持ちのいいナンバー。音数は少ないけど、迫力は満点。

⑤ I Want It All
⑥ No.1 Party Anthem
ここでようやく従来の彼ららしい、弾むようなリズム感のナンバー⑤が展開されます。それでも、まだまだゆったりとした落ち着きはキープされてます。「Hunky Dory」や「Ziggy Stardust」の頃のデヴィッド・ボウイを彷彿とさせる⑥は、今回、最も耳を惹いたナンバー。グラム・ロックにも接近してきました。
http://www.youtube.com/watch?v=83hFiC-siDs

⑦ Mad Sounds
⑧ Fireside
ボウイかと思ったら、⑦ではUSパンクのテレヴィジョンを彷彿とさせます。ニューヨークのアンダーグラウンドにも接近します。アコースティック・ギターをフィーチャーした⑧は、アレンジは新しい感じですが、曲そのものは彼ららしさを感じます。

⑨ Why,d You Only Call Me When You,re High?
⑩ Snap Out of It
⑨もミディアム・テンポでファンキーな機械的ビートが印象的なマイナー調ナンバー。メロディには何か親しみを感じます。当アルバムで最もポップな曲調の⑩も、陰りのあるメロディで深みを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=JvN0tF2gle8

⑪ Knee Socks
⑫ I Wanna Be Yours
これまたミディアム・テンポで迫って来る⑪。ヴォーカルも色気があっていいですね。そしてラスト・ナンバーの⑫は、スローでメローな雰囲気のナンバー。しっとりと幕を引いて行きます。
http://www.youtube.com/watch?v=Y4NGoS330HE


リーゼントになった天才アレックス・ターナー、まだまだ才能が溢れています。