ここのところ、毎年のようにUKから元気な若手新人ギター・バンドが登場しておりますが、その中でも昨年デビューしたトライブスは、私のツボをかなり的確に押さえて来まして、個人的にかなり気になっているバンドです。

そんな彼らが早くも2ndアルバムを発表しました。CDショップのサイトの新譜ニュースには取り上げられてなかったのですが、なんとか網に引っ掛かりました。これがまた素晴らしく良くできた作品でした。

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Wish to Scream / Tribes

13年発表

ロンドン出身の4人組バンド。11年にシングル及びEPでデビュー。12年にデビュー・アルバムを発表し、期待の新人として話題になっておりました。

今回の作品は、心を空っぽにして聴いていると、グラム・ロック、スペクター・サウンド、ウェスト・コースト・サウンドといった、60年代から70年代にかけてシーンを席巻したサウンドを思わせるような雰囲気の曲が並んでおりまして、まさにロックのクリーム・スキミングってな感じでした。

前作もキラリと光るモノを感じましたが、今回はさらに成長し、溢れんばかりの実力を惜しげもなく披露した感じがいたします。セールス的には前作までには至ってないようでありますが、オールド・ロック・ファンの耳には、とっても馴染みやすいサウンドではないかと思います。

① Dancehall
まずは、シングル・カットもされたオープニング・ナンバーは、彼ららしい、しっとりと絡みつくようなヴォーカルが印象的なナンバー。モット・ザ・フープルを思い起こさせる、泣きのメロディがいいですね。


② Get Some Healing
③ How the Other Half Live
②はウォール・オヴ・サウンドでお馴染み、スペクター・サウンドを思い起こさせる、ゆったりとスケール感のあるナンバー。アルバム先行シングルとして発表された③も、懐かしさすら感じるキャッチーなメロディのナンバー。
http://www.youtube.com/watch?v=z7CAMTmyf9w

④ Wrapped Up in a Carpet
⑤ Never Heard of Graceland
ちょっとTレックスを思わせるねっとりと妖しげな④も、オールド・ファッションなロック・ナンバー。ブルース・スプリングスティーンの世界に迫る⑤は、泣きのメロディが心に沁みて来ます。
http://www.youtube.com/watch?v=lu0fbv-q4o0

⑥ It Never Ends
⑦ Looking for Shangri-La
ジギーの頃のデヴィッド・ボウイが演りそうな感じの、アコースティック・ギターをフィーチャした⑥も、ゆったりと落ち着きのあるナンバー。ウェスト・コースト・サウンドのような爽やかさを感じる⑦は、彼らの音楽性の幅広さを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=0nWlMPXaqAI

⑧ Sons And Daughters
⑨ One Eye Eye Shut
⑩ Englishman on Sunset Boulevard
テンポの良いポップな⑧も、キャッチーなメロディで親しみ深いナンバー。⑨もアコースティックなサウンドによる、フォークやカントリーを意識したナンバー。スティングに対抗して、西海岸のイギリス人を歌う⑩も、ジギーの頃のボウイを感じさせるナンバー。感動的なサビが素晴らしい。
http://www.youtube.com/watch?v=kVRMLSPDw5U

⑫ Street Dancin,
ちょっと異色な雰囲気のラスト・ナンバーは、R&Bやザ・バンドの世界にも迫る雰囲気で、静かに幕を閉じて行きます。


最早彼らのことは時代遅れと呼ぶべきなのかも知れませんが、時代遅れの私にはとっても共感の持てる作品でした。このバンドは信じても良さそうです。