スウェーデンのギターを中心としたビート・バンド、マンドゥ・ディアオ。ここ最近新作が出てないなぁと思ってたら、いつの間にか昨年10月に、スウェーデン国内やドイツ、スイスのみで新作が発表されていました。

彼らにとって6枚目となる新作ですが、今回はこれまでの彼らのサウンドとかなり違った雰囲気の作品が出来上がって来ました。

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Infruset / Mando Diao

12年発表

HMVのサイトで出ているのを知ったのも遅かったのですが、値段の方も日本盤並みに高いので、もうじき安くなるだろうと放っておいたら、いつの間にか年を越し、値段も一向に安くならないので、待ち切れずに、といってもようやくと言った感じですがゲットしました。

これまで彼らは英語の曲で勝負してきたんですが、今回は初めて母国語、スウェーデン語で全曲作られています。英米では発売されてないようですので、確かに安くならないわけだ。

そして、このアルバムが母国語で通されているのには、理由がありました。このアルバムは、没後100年となるスウェーデンの詩人、グスタフ・フレーディングに感銘を受けて作られた作品であるとのことでした。フレーディングの詩10編に曲をつけて、まとめられたのがこのアルバムなのだそうです。

さらに、そのサウンドも、彼ら得意のギター・ロックは廃され、アコギとピアノにリズム・セクション、ストリングスを加えたバラード・ナンバーが主体。いつものノリ良いのマンドゥ・ディアオの影を全く感じられないのですが、さすがメロディ・メーカーとしての力量が高く評価されている、グスタフ・ノレンビヨルン・ディクスガードの作る曲は、とっても良くできていると思います。スウェーデン語の違和感を感じさせない、素晴らしいソング・ライティング力だと思います。

① Den Självslagne
② En Sångarsaga
ピアノの音色が美しい①は、マイナー調のメロディが心を打つナンバー。とっても穏やかな雰囲気のメロディが素晴らしい②のメロディも、良くできてると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=mFdFI--sBNI

③ Infruset
④ I Ungdomen
アルバム・タイトル曲の③は、アコギをフィーチャーした、妖しげなフレーズが印象的なナンバー。個人的には当アルバムで最も好きなナンバー。胸キュン・メロディが涙を誘う、心に深く訴える曲。
http://www.youtube.com/watch?v=wBGc3K_O-sI

⑤ Snigelns Visa
⑥ Strövtåg I Hembygden
ピアノとストリングスで感動的にむせぶような高揚感を与えてくえる⑤もいい曲です。カントリー調の明るい雰囲気の⑥のメロディも、とっても親しみやすいですね。



⑦ Men
⑧ En Ung Mor
マイナー調のなんだか寂しい雰囲気の⑦も、心に迫って来るような迫力を持ったナンバー。スペイシーなサウンドをバックに、静かながら楽しげなメロディの⑧も、心落ち着かせるナンバー。

⑨ Titania
⑩ Gråbergssång
⑨では女性ヴォーカルが聴こえてきます。ビヨルンのシスター、リネア・ディクスガードだそうです。アコギ一本のシンプルなアレンジ。後半はストリングスとコーラスで盛り上がって来ます。そしてメドレーでつながる⑩は、マイナーながらラストに相応しい盛り上がりを見せてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=znG5n3iEyX4


4thアルバムのスウェーデンのトラッドに回帰した時もビックリしましたが、今回はそれ以上に、彼らのサウンドを根底から変えてしまうようなアレンジでした。これが、単なる企画モノなのか?彼らは既に路線を変えてしまったのか?次のアルバムどうなるか、早くも気になる作品となって来ました。