さて最後は今年の流行語大賞スギちゃんの口グセまで出てきた前編でしたが、間髪入れずに後編に入って参りたいと思います。
その前に世の中の状況を把握しておきたいと思います。
UKの音楽雑誌ニュー・ミュージカル・エクスプレス(略称NME)の今年のNo.1は、なんとオーストラリアのバンド、テイム・インパラの「Lonerism」というアルバムでした。私も年末になってこのアルバム注文したのですが、在庫なしで手に入らず、残念ながら聴けておりません。nyaoさんのブログでも1位になっていたので、私がこれを聴いてたら、間違いなくベスト10に入ってたのではないかと思います。ということで来年のお楽しみ。
日本のクロスビート誌では、この雑誌には珍しくソウル系のフランク・オーシャンの「Channel Orange」でした。フランクと言えば、永井しか知りませんが、ジャスティン・ビーバーやジョン・レジェンドらの曲を書いて来た人だそうで、これも今年の大ブレイク。上記のNME誌でも3位に入ってました。
それでは、当ブログのベスト10はどうなりましたでしょうか?
第10位 Psychedelic Pill / Neil Young with Crazy Horse
こんな位置では勿体ないのですが、ニール・ヤング御大の力作が早くも出て参りました。今年は、アメリカのトラディショナル・ソングをカヴァーした「Americana」という作品も発表した上に、このCD2枚組のオリジナル・アルバムを発表しました。ほんとこの人の創造力は枯れることがないようであります。中身は21世紀の「Rust Never Sleeps」でありました。
第9位 Babel / Mumford & Sons
続いてはUKの若手トラディショナル系ロック・バンド、マムフォード&サンズの2ndアルバムがこの位置に来ました。全米アルバム・チャートでもNo.1を獲得し、グラミー賞の最優秀アルバムにもノミネートされ、大成功を収めました。アコースティックなサウンドに、郷愁たっぷりのメロディが、ケルトの血を騒がせます。
第8位 Tempest / Bob Dylan
そして、ごめんなさい、こんなところで。8位はボブ・ディランの3年ぶりの新作です。音楽マニアとしてのディランの造詣の深さと、詩人としてのディランの表現力の深さを融合した、久々の超力作。さらに渋みを増したヴォーカルもサウンドにぴったりで、70歳を超えてもまだまだ成長するディランの力強さに圧倒された作品でした。
第7位 That's Why God Made the Radio / The Beach Boys
そして、またまた、ごめんなさい、こんなところで。今年、ブライアン・ウィルソンも含めて来日した、ザ・ビーチ・ボーイズの20年ぶりの新作が7位に入りました。このアルバムを聴いていると、今は昭和何年なんだろうと、不思議なタイム・スリップ感に襲われました。昔と変わらない美しいハーモニーとメロディ。これも人類が得た宝ではないでしょうか。
第6位 Born to Sing: No Plan B / Van Morrison
そして、ディランとビーチ・ボーイズを押しのけて6位に入ったのが、これまた60年代から活躍する、アイルランドのヴォーカリスト、ヴァン・モリソンの4年ぶりの新作です。この人も人類の宝と言って過言でない声の持ち主です。R&B、ブルーズ、ジャズの要素を取り込んだサウンドと、深みのあるヴォーカルを十二分に堪能できる素晴らしい作品でした。
それではここで一休み。そのモリソンのアルバム・タイトル・ナンバー、「Born to Sing」をお聴き下さい。
さあ、それではいよいよベスト5、一気に参りましょう!
第5位 Country, God Or the Girl / K'naan
第5位には、ソマリア出身でカナダで活動しているラッパー、ケイナーンのアルバムを持って参りました。全く自分の趣味の分野ではないし、売れたわけでもなかったのですが、CDのネットショップで紹介されていてYouTubeで何曲か聴いてみたら、凄く良かったのでゲットして聴いた次第。通常のラップやヒップホップと違って、70~80年の洋楽の肌触りのある音楽で、メロディもかなりしっかりしているので、ツボにはまった次第です。
このアルバムから、「Hurt Me Tomorrow」を聴いて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=0E3c-X86Y6o&list=UUrAft3zAvQoshgeRvpEWwWA
http://www.youtube.com/watch?v=0E3c-X86Y6o&list=UUrAft3zAvQoshgeRvpEWwWA
第4位 Blunderbuss / Jack White
そして、待ってました若大将、ジャック・ホワイトの待ちに待った初のソロ・アルバムが、4位に入って来ました。ホワイト・ストライプス解散後も、ラカンターズやデッド・ウェザーといったユニットで作品を発表して来ましたが、やはりホワイト自身の作品が聴きたい気持ちはとめられませんでした。そんな期待に十分応えてくれたのがこの作品。これにメグのドラムを足せばストライプス!ってところまで来てくれました。
第3位 Boys & Girls / Alabama Shakes
そしてベスト3にまで入って来たのは、個人的には今年最高の新人、アラバマ・シェイクスのデビュー・アルバム。黒人女性のヴォーカル&ギターと、白人男性3人(ギター、ベース、ドラム)というシンプルな編成の4人組。サウンドはほんとザ・バンドを思わせるようなルーツ系ロックで、そこにソウルフルなヴォーカルが絡むと、最高のグルーヴ感が生まれてきます。新人でこれだけの作品を創り上げるとは、全くアッパレ!って感じです。
第2位 The 2nd Law / Muse
さて続いては、ロンドン・オリンピックを彩ったミューズのこれまた3年ぶりの新作。このアルバム、実は賛否両論で、昔からのミューズ・ファンの方には、ちょっと戸惑った方も多かったようですが、私みたいそれほど深く聴いて来なかった者にとっては、かなり聴きやすく、親しみ深く、そして面白い作品だなという印象でした。とにかくUKロックの伝統を今に引き継いでくれている、そんな生真面目さも好印象でした。そしてオリンピック閉会式での晴れ舞台。今年は彼らの年でもありました。
第1位 !Uno!-!Dos!-!Tre! / Green Day
そして2012年トップに輝いたのは、グリーン・デイでした。一応時期をずらして3枚のアルバムを発表したのですが、基本的に同時期に録音されたものということで、3連作で1枚扱いにさせていただきました。一昨年のアッシュみたいな感じです。とにかくこの創造力。これだけたくさんの曲を創りながら、ほとんどの曲が一定の水準を維持しているのが凄いですね。そして、内容も、これまでの彼らの集大成でありながら、これからの方向性も示した、彼らにとってもエポック・メイキングな作品となりました。サマソニでのライヴもエネルギッシュで、とにかく勢いのある活動を見せてくれました。
今年のランキングは以上です。最後はちょっとガキっぽかったかな?
いずれにしても、今年も若手・中堅・ベテラン、いろんな層のアーティストが素晴らしい作品を発表してくれました。ゴルフのトーナメントみたいに、一般とシニアに分けてランキングつけようか、かなり真剣に考えた位でした。
いずれにしても、今年も若手・中堅・ベテラン、いろんな層のアーティストが素晴らしい作品を発表してくれました。ゴルフのトーナメントみたいに、一般とシニアに分けてランキングつけようか、かなり真剣に考えた位でした。
それでは、ラストは、グリーン・デイの3連作のラストを飾る名曲でしめたいと思います。「The Forgotten」