当代きってのドブロ・プレイヤーとして誉れの高い、ジェリー・ダグラスの新譜がこのほど届けられました。昨年はアリソン・クラウスとのユニオン・ステイションとして、新作を発表しておりますが、ソロ作品としては09年以来、3年ぶりの作品となります。

グラミー賞では、カントリーやブルーグラス部門での受賞が多いアーティストですが、今回のアルバムでは、ロックやブルーズ分野のアーティストとの共演も多く、幅広い音楽性を備えたアーティストではないかと思います。

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Traveler / Jerry Douglas

12年発表

カントリー系については、全く門外漢の私ではありますが、アリソン・クラウスがロバート・プラントと共演したことをきっかけに、ブログの先輩方からのご教示を受けながら、このアーティストに辿り着くことができました。

70年代から様々なアーティストのアルバムに参加するなど音楽活動を開始し、79年以降はソロ・アーティストとしてもコンスタントにアルバムを発表。98年以降は前述のユニオン・ステイションの重要メンバーとして、クラウスと活動を共にし、並行してソロ活動も行っているようです。

今回のアルバムも、カントリー色を感じるものから、コンテンポラリー・ブルーズの雰囲気を味わえるナンバーもあり、かなり質の高いアルバムではないかと思います。

① On a Monday
② Something You Got
 いきなりダグラスの粘りのあるスライド・ギターでスタートする、①のスワンプ色たっぷりのアンプラグドな演奏が印象的。押さえたホーンの響きがR&Bっぽさを演出②は、エリック・クラプトンがヴォーカルとギターで参加するナンバー。
http://www.youtube.com/watch?v=O8ULMXC7ViY

③ So Here We Are
④ Boxer
 元ウェザー・リポートのオマー・ハキムがドラムスと作曲に参加した③は、ダグラスのうねるようなスライドギターが印象的なインスト・ナンバー。そして、サイモン&ガーファンクルの名曲④を、本家ポール・サイモンとUKの若手バンド、マムフォード&サンズと共演しております。映像がこのアルバムと逆で、マムフォード&サンズのライヴにダグラスが参加したものです。


⑤ Duke And Coke
⑥ High Blood Pressure
 マンドリン奏者サム・ブッシュと共演したインスト・ナンバー⑤、ブルーズ・ミュージシャンケブ・モーとの共演したブルーズ・ナンバー⑥とゲストとの共演が続きます。
http://www.youtube.com/watch?v=Q0d6YWG6e1g

⑦ Gone to Fortingall
⑧ Right on Time
⑨ American Tune / Spain
 ⑦は広いアメリカ大陸を想起させるスケールの大きなインスト・ナンバー。USのフォーク・ロック・シンガー、マーク・コーンをヴォーカルに迎えての⑧も実に穏やかな曲。そしてまたまたポール・サイモンの曲をインストで取り上げた⑨も、落ち着いて聴いていられます。
http://www.youtube.com/watch?v=eDLBYabLpsI&feature=relmfu

⑩ Frozen Fields
 そして、現在のメイン活動、アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションを率いての⑩も、じっくり聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=_wM272Uqa60

⑪ King Silkie
 ラストはブルーグラス調のインスト・ナンバーで、前半ゆったりとしながら、後半はかなりテンポアップして、幕を閉じます。


昨年あたりから、カントリーにジャンル分けされてるアーティストのアルバムをポツポツと聴いているのですが、60~70年代のロックを聴いている人間にとっては、最近のモノよりこちらの方がしっくり来ます。このアルバムも、アコースティックな雰囲気ではありますが、そんな1枚で、気に入っております。