3回にわたってお送りしてきました、サザン・ソウルの聖地、マッスル・ショールズのFameスタジオで録音された名演、75曲をコンピレーションした3枚組CD。超ビッグ・ネームから無名アーティストまで、また超有名曲から未発表曲まで、実にヴァラエティに富んだ仕上がりになっております。


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The Fame Studios Story・1961-1973:Home of the Muscle Shoals Sound

11年編集

ディスク1も2も、本当に素晴らしいとしか言いようのない流れでしたが、このラストのディスク3も実に心に迫る曲が目白押し。録音は68年から73年にかけてのものを収録。ピーク時期から最後期にかけてのものです。

前回にも勝るとも劣らないアーティストが続々登場して参ります。それでは、参りましょう!

【Disc3】
① Lady in the Rain / Lowell Fulson
② Hey Jude / Wilson Pickett
 ブルーズ・シンガーの少ないこのコンピですが、ウェスト・コースト・ブルーズ・シーンの代表的アーティストのローウェル・フルソンが①で登場。そして、故デュアン・オールマンの名演の1つとされる、ウィルソン・ピケットによるビートルズ・ナンバーのカヴァー②。ギターが歌ってます。
http://www.youtube.com/watch?v=f6944F32lOc

③ Another Man,s Woman, Another Woman,s Man / Unknown Female
④ Snatching It Back / Clarence Carter
⑤ I Got You Babe / Etta James
⑥ Wanted: Lover (No Experience Necessary) / James Govan
⑦ Find ,Em, Fool ,Em And Forget ,Em / George Jackson
⑧ I,m Just a Prisoner (Of Your Good Lovin,) / Candi Staton
 誰が歌ってるかわからない③も、このコンピに中にあって決して引けをとらない作品。ディスク2にも登場したクラレンス・カーターや、エタ・ジェイムズも登場。ジェイムズの⑤は、ソニー&シェールのヒット曲をカヴァー。80年代になって活躍するジェイムズ・ゴヴァンの⑥、シングル3枚をこのレーベルから発表したジョージ・ジャクソンの⑦に続くは、④のカーターが発掘した女性シンガー、キャンディ・ステイトンによる、⑦のジャクソンが書いたナンバー。当時の売れっ子シンガーでした。
http://www.youtube.com/watch?v=nXFTiZQ8Ef4

⑨ Grits And Gravy / The Fame Gang
⑩ One Bad Apple / The Osmonds
 スタジオのハウスバンド、ザ・フェイム・ギャングのシングル⑨に続くのは、こんなグループもフェイムで録音してたのか、ビックリした⑩。日本ではカルピスのCMにも出演していた、ダニー・オズモンドを擁する白人兄弟グループ、ジ・オズモンズの全米No.1ヒット。白いジャクソン5って感じのナンバーです。
http://www.youtube.com/watch?v=96HqPpjI3UY

⑪ I,d Rather Go Blind / Spencer Wiggins
⑫ Take Me Back / Brothers Limited
⑬ Walk a Mile in MY Shoes / Willie Hightower
⑭ Patches / Clarence Carter
 ディスク2でも登場した⑪のスペンサー・ウィギンズに続いて、柄の悪そうな8人組の写真がブックレットに掲載されている⑫のブラザーズ・リミティッド、アラバマ出身のシンガー⑬のウィリー・ハイタワーと初めて聞く名前のアーティストも揃ってます。⑭は④のカーターのヒット曲。
http://www.youtube.com/watch?v=M_LQ4_MhDu4


⑮ Fancy / Bobbie Gentry
⑯ Double Lovin, / George Jackson
⑰ Greenwood, Mississippi / Little Richard
 「ビリー・ジョーの唄」という全米No.1ヒットを放った女性カントリー・シンガー、ボビー・ジェントリーのFame録音ナンバー⑮も収録。⑦のジャクソンの⑯も収録。そして、ロックン・ロールの伝説的シンガー、リトル・リチャードもFameで録音していたようです。(クリックしてご覧ください。)


⑱ What Color Is Love / Roscoe Robinson
⑲ Bring It on Home to Me / Lou Rawls
⑳ I Can,t Let You Break My Heart / Bettye Swann
(21) Back Road into Town / Willie Hightower
(22) The Thanks I Get for Loving You / Candi Staton
(23) Get Involved / George Soule
(24) Put on Your Shoes And Walk / Clarence Carter
(25) You Better Move On / Travis Wammack
 ⑱のロスコー・ロビンソンや⑲のルー・ロウルズは、ジグザグKTさんに以前教えてもらった、知る人ぞ知るシンガー。⑳はカリフォルニアで活躍していたキャピトル所属の女性シンガー、唯一の録音。(21)のハイタワー、(22)のステイトン、(24)のカーターは既にこの面で登場。(23)のジョージ・ソウルは、スタジオの控えミュージシャンで、デモの歌入れもやっていたのですが、たまたま歌ったこの曲がリック・ホールの耳にかないシングルとして発表されたもの。そして、この大作コンピのラストを飾るのは、トラヴィス・ワマックはハウスバンドの一員として活躍したシンガー。曲はこのコンピのトップに収録のアーサー・アレクサンダーのナンバー。大胆にアレンジされています。


と、ディスク1枚だけでも満腹感いっぱいの内容ですが、これが3枚もあるとほんとに圧倒されます。とにかくサザン・ソウルの真髄を十二分に味わえる、素晴らしい企画だと思います。

宝物がまた1つ増えました。