2年間続けて参りました「ロック・クロニクル」のコーナーも、ついに最終回を迎えました。その最終回が「序章」というのもふざけた話ではありますが、「ロック・クロニクル」の書庫をクリックすると、この記事が一番最初に来るので、読みやすいと思います。ビートルズのデビュー・アルバムで一つの源流まで上り詰めましたので、今回はそれをもう少し上流にまで遡りたいと思います。

「ロック」のスタートをどこにおくかは、いろんな考え方があります。いわゆるポップスとは異なる白人の軽音楽として、ザ・フーがデビューした「65年」とする説もあれば、エルビス・プレスリーが「Heart Break Hotel」で全米No.1を獲得した「56年」をスタートとする考え方もあります。が、ビル・ヘイリー&ザ・コメッツの「Rock around the Clock」が、8週連続全米No.1という大ヒットした「55年」をスタートするのが通説とされております。

このブログでは、どの説をとるか、どうでもいいので決めませんが、今回は私が音源を持ってる最も古いアルバムが、56年ということで、このクロニクルの源泉を56年とさせていただきました。

ビートルズ以前となると、てきめんに弱くなりまして、なんかジャズ・アルバムばっかでした。そんな中から、ビートルズを始め、後のロック・アーティストに大きな影響を与えた3組を紹介させていただきます。ビートルズ前夜の音楽界です。

Elvis Presley (1st) (56年発表)

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まずは、ザ・ビートルズ以前の最大のロック・アーティスト、エルヴィス・プレスリーのデビュー・アルバム。英米チャートでNo.1を獲得。新たな時代の訪れを高らかに宣言した作品です。
今聴くと、カントリーっぽい曲もあったり、音もスカスカだったりして、60年代以降のロックとは随分違った感じですが、エルヴィスの熱いヴォーカルは今でも輝いています。汗がこっちまで飛んで来そうです。当時のヒット曲「Heartbreak Hotel」が収録されていないのは残念ですが、「Blue Suede Shoes」や「Tutti Frutti」などのロックン・ロールの名曲が演じられています。
激しい動きが感じられるジャケットのデザインは、後のパンクの名盤にも受け継がれました。

それではこの中から、「Blue Suede Shoes」をお聴き下さい。



The Best of Muddy Waters (58年発表)

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続いては、これまた60年代以降のロックに大きな影響を与えた、シカゴ・ブルーズの父、マディ・ウォーターズの1stアルバムです。
「The Best of ~」とタイトルされてはいますが、それまでのウォーターズ作品を初めてアルバムに収録したもので、デビュー作にしてベストということになったわけです。
この人の曲からグループ名をとったUKバンドもいるくらいだし、カバーされた曲は数限りないくらいありますね。ボートラも含めて、このアルバムにもロックの世界で既に知っていた曲も随分収録されています。
この野太いずっしりと来るヴォーカル、当時のイギリスの若者が夢中になったのも良くわかります。

それでは、「Rollin, Stone」をお聴き下さい。



この他、私が音源を持っているアルバム(ジャズ除く)は。。。

 Bob Dylan (1st)(62年)
 Ray Charles (1st)(57年)

の2枚であります。この他にもブルーズのコンピレイションがあるので、録音はこの時期やもっと以前のものながら、発表が後年になったためここに含まれていないものもあります。

また、私が未だに音源を持っていない、この時期に高い人気を得たアーティストを、紹介しておきます。

まずロックン・ロールの世界では、チャック・ベリーリトル・リチャードファッツ・ドミノボ・ディドレーなどがいました。

白人では、ジェリー・リー・ルイスバディ・ホリーロイ・オービソンエヴァリー・ブラザーズもロックの巨人ですね。

R&Bではサム・クックジェイムス・ブラウンもこの時期から活躍しています。他にも挙げ出したらキリがありませんが、あまりちゃんと聴いてないなぁと、反省することしきりです。


What'd I Say / Ray Charles (59年発表)

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そして、このコーナー、最後に登場するアルバムは、ジーニアス、レイ・チャールズの59年のアルバムです。このR&Bという音楽もロックに多大なる影響を与えてきました。このR&Bを世に広めた最大の功労者と言っていいでしょう。
40年代から音楽活動を始め、53年にはアトランティック・レコードと契約し、そしてこのアルバムのタイトル曲で、初のUSポップ・チャートのトップ10入りを果たし、黒人のための音楽から、全国民に受け容れられる音楽へと発展して行った時期の作品。
このパワー溢れるヴォーカルと、躍動するリズム感がほんと痺れます。ジャズ全盛のこの時期に、こんな音楽を生み出すとは、まさに天才!

それでは、その大ヒット曲、「What,d I Say」をご覧下さい。



ザ・ビートルズを入り口に入ってきたロックの世界、おかげで本当に素晴らしい音楽に出会うことができました。
そして、ロックの歴史は、今も刻み続けられており、これからも素晴らしい音楽に出会って行けるものと確信しております。

このコーナー、長い間ご愛読いただきありがとうございました。