今週も快調に「ロック・クロニクル」のコーナー、進めて参りましょう。今晩は1967年。サイケデリックやヒッピーなどのオルタナ文化が花咲いた「サマー・オヴ・ラヴ」の年。そんなことも知らない私は、めでたく小学校に入学することができました。
この年は31回衆議院選挙が行なわれました。政治家の公私混同みたいな、いろんな問題があった後の選挙で、自民党は過半数は獲ったものの、得票率では50%を割ったようです。そんな雰囲気のためか、東京都知事選で革新系の美濃部亮吉氏が当選。その後の革新系首長ブームのさきがけとなります。また、吉田茂元首相が亡くなってます
世界の方では、第3次中東戦争が勃発。アジアではASEANが結成されております。カナダのモントリオールでは万博が開催されています。
社会面では、2月11日が「建国記念の日」の休日となったのがこの年から。チョコボールやサントリー純生が新発売。「ジェットストリーム」「オールナイトニッポン」の放送開始もこの年。ツイッギーが来日して、日本にミニスカートブーム起きました。
プロ野球では、阪急がパリーグ初優勝を果たすも、日本シリーズは巨人が3連覇を果たしました。映画では「ゴジラの息子」や「ガメラ対ギャオス」が公開されております。「007は二度死ぬ」「華麗なる賭け」などもこの年。
歌謡界に目を向けると、グループサウンズ(GS)が大流行。ジャッキー吉川とブルーコメッツの「ブルー・シャトー」がレコード大賞受賞。美空ひばりもGS系の「真赤な太陽」を発表。その他、佐良直美の「世界は二人のために」、森山良子の「この広い野原いっぱい」がヒット。
USの方では、ルルの「To Sir with Love」がビルボード年間チャートのトップに立ってます。グラミー賞では、最優秀レコードと最優秀楽曲にフィフス・ディメンションの「Up, Up And Away」、最優秀アルバムにはこの後ご紹介するザ・ビートルズのあのアルバム、そして最優秀新人賞にはボビー・ジェントリーがそれぞれ選ばれております。
そんな67年に発表されたアルバムをご紹介して参りましょう。
The Doors (1st) (67年発表)
(20世紀のロックアルバム#77)
67年のトップには、大方の予想に反して、このアルバムを持って参りました。ロックの時代をあっと言う間に生き抜けたジム・モリソンをフロントに据えた、USバンド、ザ・ドアーズのデビュー・アルバムです。
ステージ・パフォーマンスでの危険なロックの香りと、歌詞などに表れる文学的・哲学的指向の、双方を兼ね備えたバンドってのは、彼らをおいて他にはなかったのではないかと思います。加えて「Light My Fire」で全米チャートNo.1を獲得し、商業的な成功まで手にしたのは、当時のロックバンドでは珍しかったのではないでしょうか。
今でもモリソンを信奉する人が多く、いろんなところに影響を与えているバンドです。
それでは、アルバム・ラストを飾った重要曲「The End」を70年ワイト島フェスの映像でどうぞ。
Again / Buffalo Springfield (67年発表)
(記事はこちら)
続いては、永遠のライバル、スティーヴン・スティルスとニール・ヤングの出会いのバンドとなったバッファロー・スプリングフィールドの2ndアルバムです。
このアルバムは70年代の日本では(確か)廃盤になっておりまして、私は70年代後半に輸入盤でゲットし、なんでこんな名作をちゃんと発売しないのか、もっと早く聴きたかったと激怒した1枚です。
「Mr. Soul」や「Broken Arrow」などのヤングのキャリアでも重要な曲が収録されてますし、スティルスもヤングと張り合えるほどの楽曲を提供。
さらには、リッチー・フューレイも曲を提供し、3人のソングライターが火花を散らす、捨て曲なしの名盤です。
当時のサイケな雰囲気も反映され、時代性も十分です。
当時の映像で、「Rock And Roll Woman」をご覧下さい。
この他、この年発表されたアルバムで私が音源を保有しているものは。。。
【UK】
Magical Mystery Tour / The Beatles (20世紀のロックアルバム#32)
Disraeli Gears / Cream (記事はこちら)
Are You Experienced? / Jimi Hedrix Experience (20世紀のロックアルバム#53)
Something Else / The Kinks (記事はこちら)
Days of Future Passed / The Moody Blues
The Piper at the Gates of Dawn / Pink Floyd (記事はこちら)
A Whiter Shade of Pale / Procol Harum (記事はこちら)
Their Satanic Majesties Request / The Rolling Stones (20世紀のロックアルバム#64)
Small Faces (3rd)
Mr. Fantasy / Traffic
Sell Out / The Who (記事はこちら)
Little Games / The Yardbirds (記事はこちら)
Magical Mystery Tour / The Beatles (20世紀のロックアルバム#32)
Disraeli Gears / Cream (記事はこちら)
Are You Experienced? / Jimi Hedrix Experience (20世紀のロックアルバム#53)
Something Else / The Kinks (記事はこちら)
Days of Future Passed / The Moody Blues
The Piper at the Gates of Dawn / Pink Floyd (記事はこちら)
A Whiter Shade of Pale / Procol Harum (記事はこちら)
Their Satanic Majesties Request / The Rolling Stones (20世紀のロックアルバム#64)
Small Faces (3rd)
Mr. Fantasy / Traffic
Sell Out / The Who (記事はこちら)
Little Games / The Yardbirds (記事はこちら)
【US】
John Wesley Harding / Bob Dylan
Younger Than Yesterday / The Byrds
Strange Days / The Doors
Surrealistic Pillow / Jefferson Airplane (記事はこちら)
Forever Changes / Love (記事はこちら)
Vanilla Fudge (1st)
The Velvet Underground & Nico (20世紀のロックアルバム#10)
John Wesley Harding / Bob Dylan
Younger Than Yesterday / The Byrds
Strange Days / The Doors
Surrealistic Pillow / Jefferson Airplane (記事はこちら)
Forever Changes / Love (記事はこちら)
Vanilla Fudge (1st)
The Velvet Underground & Nico (20世紀のロックアルバム#10)
【ブラック】
I Never Loved a Man the Way I Love You / Aretha Franklin (記事はこちら)
You Got My Mind Messed Up / James Carr (記事はこちら)
8 Men And 4 Women / O.V.Wright
Sing Holland-Dozier-Holland / The Suprems
I Never Loved a Man the Way I Love You / Aretha Franklin (記事はこちら)
You Got My Mind Messed Up / James Carr (記事はこちら)
8 Men And 4 Women / O.V.Wright
Sing Holland-Dozier-Holland / The Suprems
だいぶ少なくなって来ましたね。2部構成にしなくても収まるようになりました。
なお、トラッフィクの「Mr. Fantasy」は1968年の時にもご紹介しておりましたが、良く調べましたら67年発表でした。失礼しました。
Sgt Pepper's Lonely Heats Club Band / The Beatles (67年発表)
(20世紀のロックアルバム#1)
さて、ラストはやはり67年と言えばこのアルバムを外すわけには行きませんね。67年というか、60年代というか、ビートルズというか、そういう枠を外してもロック史に残る名盤。ロックがここまで長い期間人々に楽しまれ、西洋文化に根付いたのも、このアルバムがあったからと言っても過言ではないくらいの作品。
ライヴ活動をやめ、スタジオ活動に集中したビートルズが、やりたいことをなんでもやって創り上げた、金字塔的アルバム。とにかく、いろんな人に衝撃を与えたそうで、ジミ・ヘンドリックスはこのアルバムを聴いたその夜、ライヴでタイトル・ナンバーを取り上げたそうです。
ジャケットも、後ろにいる人を何人知ってるか競いあうこともできるし、サイケデリックな雰囲気も、これまた時代を反映してますね。
「With a Little Help from My Friends」の映像です。いろんな意味で泣けてきます。