今年1月にビルボードのNo.1アルバムとなったザ・ディセンバリスツの新作でも、バックコーラスで参加していた、現代アメリカン・ミュージックを代表するシンガー・ソングライター、ギリアン・ウェルチですが、今度は彼女自身の新作が、なんと8年ぶりに発表されました。

カントリー系の新作が続きますが、今晩はこちらをご紹介いたしましょう。

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The Harrow & The Harvest / Gillian Welch

11年発表

こちらもオルタナ・カントリーやブルーグラスといったあたりにジャンル分けされてるアーティストで、私自身、ブログの大先輩に教えていただくまでは全く知らなかった人です。

デビューは96年で、このアルバムは5枚目のスタジオ・オリジナル・アルバムとなります。サウンドは、ウェルチと盟友デヴィッド・ローリングスの2人による、アコースティック・ギター、バンジョー、ハーモニカと実にシンプルな構成。

メロディも実にシンプルで聴き易く、時折ブリティッシュ・トラッドにも通ずる陰影のある曲も楽しめます。清涼感が漂う音楽ですので、リラックスして癒されたい時には、効果があるのではないでしょうか。

① Scarlet Town
 この曲なんか、ほんとブリティッシュ・トラッドなんかにも通ずる旋律が印象的ですね。


② Dark Turn of Mind
③ The Way It Will Be
④ The Way It Goes
 ダークサイドに落ちたかのようなタイトルの②は、確かにマイナー調のメロディでけだるくゆったりと歌われるナンバー。③も静かな感じの実に美しいナンバー。素晴らしい音の響きです。リズム感のある④は、なんとなく下世話な現実を歌っている感じ。前曲とタイトルもなんか呼応している感じもします。
http://www.youtube.com/watch?v=AiS37_EULj8&feature=related

⑤ Tennessee
 ニューヨーク生まれのウェルチは、現在テネシー州の州都ナッシュヴィルに住んでおり、このアルバムも当地で録音されているのですが、そんな地元を歌ったナンバー。
http://www.youtube.com/watch?v=miIeU_kIljk&feature=related

⑥ Down along the Dixie Line
⑦ Six White Horses
 ⑥の「ディキシー・ライン」なんてタイトルを見ると、ザ・バンドのあの名曲を思い出してしまう私ですが、そんなドラマチックなサウンドではありませんが、こちらも胸に染み入るナンバーです。⑦はいかにもカントリーって感じの遊び歌っぽいナンバー。手と足を叩いて歌うウェルチの姿が見れる映像をご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=prW0VLxUPWQ&feature=related

⑧ Hard Times
 こちらもウェルチがじっくりと歌い上げるナンバー。歌詞はロクに聴き取れませんが、なぜか説得力のあるヴォーカルです。
http://www.youtube.com/watch?v=k35haKwqY14&feature=related

⑨ Silver Dagger
⑩ The Way the Whole Thing Ends
 60年代初頭、フォーク・ブーム華やかなりし頃を彷彿とさせる⑨を聴いていると、ほんと気持ちが落ち着きます。そして、ラスト・ナンバーの⑩も、これまたダウナーなげだるい感じのヴォーカルが実にいい雰囲気です。


CDのジャケットは、通常のブックレットではなく、コースターのような厚手の紙1枚で、表はジャケット・デザイン、裏には曲名、参加ミュージシャンなどのクレジットが書かれたものだけです。こういうのは初めてのような気がします。