最近は特定の書庫ばかりの記事を書き連ねておりまして、ほとんど休眠状態になっている書庫が多くなってまいりました。たまには別の書庫も使わなくてはと思っていた矢先にゲットした、「カヴァーズ&トリビューツ」と「ライヴでイケイケ」に相応しい、トリビュート・ソングばかりのライヴ・アルバムをピックアップしたいと思います。

カントリー界の大御所:ウィリー・ネルソン
現代ジャズ界の大物:ウィントン・マルサリス
21世紀の歌姫:ノラ・ジョーンズ
という豪華メンバーが勢ぞろいして、R&B界のジーニアス:故レイ・チャールズの曲を歌うという、目もくらむような贅沢な作品です。

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Here We Go Again (Celebrating The Genius Ray Charles) / Willie Nelson & Wynton Marsalis featuring Norah Jones

11年発表

最初ジャケットを見た時、ウィリー・ワイントンや、ネルソン・マーサリスって、一体誰なんだという感じで、ノラ・ジョーンズの名前がなかったら、思わず見逃すところでした。(笑)

もう既に2年前(09年2月)に行なわれたライヴなんですが、最近になってCDとして発表されました。どういう経緯でこのような企画が生まれたのか、良くわかってないのですが、ネルソンとマルサリスは、カーネギー・ホールでもジョイント・ライヴを行なっているようで、これはその発展形なのかもしれません。

ネルソンの枯れたヴォーカルに、マルサリスの素晴らしいトランペット、そしてノラちゃんのうっとりとするヴォイスで、ジャズ風にアレンジされたレイ・チャールズの名曲の数々を聴いていると、無上の喜びというものを感じます。現代ポピュラー・ミュージックの粋を集めたって感じです。

① Hallelujah I Love Her So
 まずはレイの作品の中でもごく初期、アトランティック時代のナンバーから。このアレンジは、R&Bを超えてアメリカン・ミュージックの名曲といった雰囲気です。ヴォーカルはネルソン。
http://www.youtube.com/watch?v=ZBpHafZNqhY

② Come Rain or Come Shine
 続いては60年の作品から。こちらのヴォーカルはノラ。マルサリスのペットとノラのヴォーカルがしっとりと心に沁みるナンバー。


③ Unchain My Heart
 これまたレイのナンバーとしては定番中の定番。62年、ABC時代のナンバー。リフが実に格好いい。ヴォーカルはネルソン。
http://www.youtube.com/watch?v=guYuJpel454

④ Cryin, Time
⑤ Losing Hand
⑥ Hit the Road Jack
 カントリー・ナンバーの④では、ネルソンとノラのデュエットが楽しめます。⑤も初期のナンバーで①と同じく57年のアトランティックからの初のアルバムに収録。ヴォーカルはネルソン。⑥もレイの代表曲の一つで、61年に発表されUS総合チャートでNo.1を獲得している作品。マルサリスもヴォーカルに参加し3人で盛り上げます。こちらはレイのオリジナルでお楽しみ下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=Q8Tiz6INF7I

⑦ I,m Moving On
⑧ Busted
⑨ Here We Go Again
 ⑦はまたまたアトランティック時代は59年の作品。フリー・ジャズ風のアレンジが楽しめるナンバー。ヴォーカルはネルソン。⑧は63年のスマッシュ・ヒット。こちらでもマルサリスのヴォーカルが楽しめます。アルバム・タイトル曲の⑨も、ネルソンとノラのジジマゴ・デュエット。ジャジーでとっても雰囲気のあるナンバーです。

⑩ Makin, Whoopee
⑪ I Love You So Much
⑫ What,d I Say
 ⑩は65年の作品。ノラのヴォーカルで、見事なジャズ・ヴォーカル・ナンバーになっています。⑪は48年発表のカントリー・ソングをレイが62年に取り上げた曲。そして、ラストは彼の代表曲中の代表曲⑫でラストを締めくくります。再び、マルサリスも含めた3人でのヴォーカル。

レイの古いR&Bナンバーも、こうやってこの3人の手にかかると、実に洗練されたモダンな作品に生まれ変わってます。素晴らしい作品です。