蟹江敬三は、バイ・プレイヤーとして素晴らしい俳優と昔から好きだったのですが、ヒップホップ界の重鎮、カニエ・ウェストについては、その高い評価を気にはしながら、これまでちゃんと聴いたことのないアーティストでした。

昨年の11月末に発表された彼の5thアルバム、年末近くであったこともあり、全くノーマークだったのですが、その後各種音楽雑誌で、2010年のベストアルバム企画で、かなり高い評価を得ていたものですから、前々から一度聴かねばと思っていたのもありまして、年を越してしまいましたが、ようやく聴くことができました。さすが、各種音楽雑誌で高い評価を得ていただけあります。

このブログには全く似つかわしくないアーティストですが、ピックアップさせていただきました。

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My Beautiful Dark Twisted Fantasy / Kanye West

10年発表

このアルバムのジャケット、何種類かあるようですが、掲載したものが、ちょっとエッチながら、最もオーソドックスなもののようです。

04年にデビューし、05年にはタイム誌で「今日最も影響力の強い100人」の1人に選ばれております。自らの活動の傍ら、プロデュース業でも手腕を発揮し、ジェイ・Zやジョン・レジェンドのアルバム制作に関わり、現代のブラック・ミュージック・シーンに、大きな存在感を示しているアーティスト。

ヒップホップ系の音楽は、どうも好きになれない旧世代の私ではございますが、昨年のゴリラズのアルバムを聴いて、そういったサウンドに対する免疫がだいぶついて来たおかげでしょうか、このアルバムはかなり素直に楽しむことができました。

このアルバム、自分の中で十分な分析は未だできていないのですが、全体を聴いていて、何かこうグ~ッと迫って来る、名盤らしさを感じることができました。打ち込みに乗せたメロディも良くできでるなぁと感心しながら聴いております。

半分くらいの曲にゲスト・アーティストが参加してますが、ほとんど知らない人ばかりなので、基本的にそれらのアーティストの紹介は省略させていただきます。

① Dark Fantsy
 女性のセリフの後に入ってくるコーラスの美しさに、まずは耳を惹かれたナンバー。この完璧なコーラスは、ポピュラー・ミュージックの粋を集めたものだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=b0Xai7ffhvM

② Gorgeous
③ Power
 ミドルテンポの②のグルーヴ感も親しみ深い雰囲気。続く③では、プログレッシヴ・ロックのあの名曲のサンプリングが実に効果的です。


④ All of the Lights (Interlude)
⑤ All of the Lights
⑥ Monster
 ストリングスによる間奏曲④に続く、本編⑤はシンセのサウンドが素晴らしい雰囲気を醸し出している佳曲。ファンキーでパワフルな⑥の破壊力満点のサウンドも魅力的です。
http://www.youtube.com/watch?v=qyB2JvMYFfE

⑦ So Appalled
⑧ Devil in a New Dress
⑨ Runaway
 マイナー調の曲ながら不思議な高揚感を感じる⑦、高音の女声ヴォーカルと男声ラップが全編にわたって絡む⑧から、シングルカットされた⑨へと続きます。哀調感のあるメロディが印象的なんナンバー。


⑩ Hell of a Life
⑪ Blame Game
⑫ Lost in the World
⑬ Who Will Survive in America
 いよいよアルバムは終盤。グルーヴ感溢れる⑩、ジョン・レジョンドをフィーチャリングした⑪、アカペラ風の⑫を経て、パワフルなラスト・ナンバー⑬で締まります。
http://www.youtube.com/watch?v=iqXOQ_sYK30

個人的にはやや居心地の悪いサウンドですが、今を感じるコンテンポラリーなポップ・ミュージック。メロディも秀逸なナンバーも多く、高い評価もうなずける作品でした。