その容貌から今やソウル界のゴッド・ファーザーとも畏怖されているソロモン・バーク。今月21日に70歳を迎えるようなのですが、なんと5月末のジャパン・ブルーズ&ソウル・カーニヴァル2010に出演のため、来日が決定したようです。

08年に発表された、現時点での最新作「Like a Fire」では、エリック・クラプトンも参加して、ソウルというより良質のアメリカン・ルーツ・ミュージックという感じでしたが、その野太い堂々としたヴォーカルは健在で、とっても好感の持てる作品でした。

今晩は、そんな彼の60年代に発表されたディープ・ソウルの名盤と言われるアルバムをピックアップしました。

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King Solomon / Solomon Burke

68年発表

この頃はまだ若頭って感じですね♪(笑)

この人の作品については、昔から聴いて来たわけではないのですが、初期の、ブライアン・ジョーンズがリーダーシップを取っていた時代のザ・ローリング・ストーンズが、彼らの曲を積極的に取り上げていたことから、強くインプットされておりました。「Cry to Me」や、ブルース・ブラザーズも取り上げた「Everybody Needs Somebody to Love」は、直接、バークのオリジナル・ヴァージョンを聴く前から、R&Bの名曲だなぁと惚れこんでいた曲でした。

今回は映像が少ないので、まずはその「Cry to Me」からお聴き下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=mEu8DrO9PbY

さて、このアルバムですが、バークのアルバムを1枚も持ってないのはいかんなぁってことで、07年のアトランティック・レコード60周年記念ということで、日本盤で1500円の廉価盤が出たのを機会にゲットしたものです。

ほんとディープなR&Bを楽しめる名盤です。アルバム・タイトルに「キング」とつけるだけあって、ほんと堂々としたバークのヴォーカルが楽しめる作品。全く逆だとはわかってはいるんですが、このアルバムを聴いていると初期のストーンズの作品に似たモノを感じました。

65年から67年にかけて録音されたナンバーを集めたもの。この頃は、特にソウル系はシングル中心の時代で、アルバムはおまけみたいな感じでしたので、このように録音時期が長い期間にわたるのは、ザラだったと思います。

① It,s Been a Change
古いブルーズ・ナンバーのようなギターで始まるオープニングは、アップ・テンポのリズム感とバックの女性コーラスに彩られ、ご機嫌なナンバーです。ステイプルズの曲。

② Take (Just As I Am)
冒頭のバークのしゃべりが実にいい感じのソウル・バラード。ダン・ペンスプーナー・オールダムの手による、スペンサー・ウィギンスのナンバー。

③ Time Is a Thief
これまた、実に味わいのあるサザン・ソウル・バラード。

④ Keep a Light in the Window
サム・クックと活動をしていたJ.W.アレクサンダーが、自作自演したナンバー。これまたバークにより、見事なサザン・ソウル(録音はニューヨークのようですが)・ナンバー。

⑤ Baby, Come on Home
65年に録音され、シングル・カットされ、66年にはR&Bチャートで31位まで上がったスマッシュ・ヒット。

⑥ Detroit City
これも①同様、ブルーズ・ナンバーのようなギターで始まる曲。タイトなリズム感がとっても小気味良いナンバー。最近のライヴ映像でお楽しみ下さい。ちょっと音が小さいです。



⑦ Someone Is Watching
このアルバムで最も古い録音となる曲。エディ・フロイドアル・ベルそしてバークの3人の共作。これもニューヨーク録音ですが、メンフィスっぽいホーンが楽しめます。

⑧ Party People
ドン・コヴェイの手による、弾むようなリズムの、これまたいかにもサザン・ソウルって感じのご機嫌なナンバー。

⑨ When She Touches Me (Nothing Else Matters)
分厚いホーン・セクションが印象的なソウル・バラード。胸にじーんと迫ってくる素晴らしさです。

⑩ Woman, How Do You Make Me Love You Like I Do
これも前曲と同時期録音のナンバー。ホーン・セクションがなんとも言えない、良い雰囲気を醸しだしてます。

⑪ It,s Just a Matter of Time
やや抑制を効かせた様な、それでいて熱いものを感じるナンバー。

⑫ Presents for Christmas
ちょっと季節外れですが、バーク本人の手による、クリスマス・ソングがラストを締めます。バークの熱いヴォーカルは圧巻です。


これと言った有名曲がないのですが、どれもが良質のサザン・ソウルといったバックの演奏やコーラスです。そして、それに気持ちよくノッているバークのヴォーカル、迫力と情感がこもっていて、嬉しくなります。