21世紀に入ってから発表された名盤をご紹介するこのコーナー、今晩はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの登場です。
80年代から活動しているバンドで、90年代には、いわゆる「ミクスチャー」系(ロックや、ファンクの要素をごちゃ混ぜにした系統)のバンドとして大ブレイク。20世紀の最後の年に「Californiacation」というアルバムで、時代のロック・バンドとして、高い人気を誇ったバンド。21世紀になってからは、まだ2枚のスタジオ・アルバムしか発表してませんが、完全に大物ロック・バンドとしての風格を持つに至りました。
このアルバムは、21世紀のレッチリの最初のアルバムです。07年1月に一度取り上げてますが、映像貼り付けもやってなかったので、このコーナーで、当ブログ再登場させました。
まあ、バンド名からしてふざけているし、一時期チンコ・ソックスでステージに出ていたということで、私の中では完全にイロ物バンドでありました。音楽的にも、ヒップ・ホップ的なハードロックと言ったイメージで、ビースティ・ボーイズやコーン等と同等のバンドなのかなということで、まあ頑張って下さい的視線で見ておりました。
そんな私めが、なんでこのアルバム買ったのか、今でもよくわからないのですが、丁度、何か新しい音を聴きたいと思って選んだアルバムにあたったんだろうと思います。リアルタイムでは聞き落としてて、05年頃に後追いで聴いたのですが、このアルバム聴いてビックリしました。聞き落としていたこと、心底後悔いたしました。ジョン・フルシアンテ(g)の創り出す歌(クレジット上はメンバー4人になっていますが)のメロディの素晴らしさに感激すら覚えた次第でした。
そんなわけで、私が始めてレッチリのアルバムを通しで聴いたアルバムで、個人的には、とっても思い入れの大きい作品です。
まずは、アルバム・タイトル・ナンバーの「By the Way」。じっくりと聞かせる導入部から、いきなり激しいリズムを叩き出す展開が、滅茶苦茶格好いい曲。PV映像でお聴き下さい。
続いて、私がこのアルバムで一番好きな「Universally Speaking」。タイトなリズムに、ポップで親しみ易いメロディを乗せた曲で、オールド・ロック・ファンも十分に満足できる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=er8ouaMCuv8
http://www.youtube.com/watch?v=er8ouaMCuv8
「This Is the Place」もレッチリ(というかフルシアンテ)独特のメロディ・ラインを持つキャッチーな曲。心に沁みるバラード調の「Dosed」では、寂しげなサビのメロディが最高です。フリーのストローク風のベースによるイントロが印象的な「Don,t Forget Me」に続く、「The Zepher Song」も、思わず一緒に口ずさみたくなる親しみ易いメロディ・ラインが耳を惹きます。
http://www.youtube.com/watch?v=30ALL9-cFMw&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=30ALL9-cFMw&feature=related
「Cant Stop」は、彼らの名曲「Give It Away」にも匹敵するレッチリ得意のハード・ファンク。イントロのハードなリフが小気味良いです。「I Could Die for You」のスローなテンポで、アンソニー・キィーディスがジックリと歌いあげます。彼らには珍しい、ストリングスを導入し、シンフォニックな雰囲気で迫る「Midnight」を挟んで、またまたファンキーなフリーのベースが何やら不穏な雰囲気を盛り上げる「Throw Away Your Television」。チャド・スミスのアフリカンっぽいドラムも効果的。
http://www.youtube.com/watch?v=7pgBjnbxCBs
http://www.youtube.com/watch?v=7pgBjnbxCBs
このアルバムの中で最も異色な、カントリー・ナンバー「Cabron」を最初に聴いた時は、ほんと、ビックリしました。彼らがこんな曲をやるとは、予想だにしておりませんでした。こんなところも、大物になった彼らの貫禄を感じたものです。TV出演時の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=zazQKZ6D8UE
http://www.youtube.com/watch?v=zazQKZ6D8UE
ピアノをフィーチャーしたスロー・ナンバーの「Tear」、ロス・ロボスみたいな「Oh Mercury」、と、彼らの音楽性の拡がりを感じる曲が続きます。一方で、彼ららしさを感じるアップ・テンポの「Minor Thing」で、変わらないレッチリもアピール。
アルバム・ラスト前の「Warm Tapes」もマイナー調ながら。彼ららしさを感じる曲。そして、何とももの悲しい歌と美しいコーラスで始まるラスト・ナンバー「Venice Queen」は、途中からテンポアップし、アルバムは幕を閉じます。
ハチャメチャやってきた彼らですが、このアルバムの裏ジャケットやブックレットに写る彼らの顔が、老成した渋みを感じさせるほどになっており、成長の後を物語っております。