今日は珍しく本の紹介をさせていただきましょう。
私、昨年の1月から、老後の健康の事を考えて、土日の休みの午前中は、特段の仕事や用事がない場合は、市の体育館のフィットネス・ルームへ行って、エアロバイクだの、ウェイト・トレイニング・マシンだのを使って、体を動かすようにしています。今年になってからは、iPod君も投入して、このトレーニング時間をリスニング・タイムとして、有意義に使えるようになりました。また、ついでになんか本でも読もうってことで、最近、ジャズ関係の新書を読んでます。
「エリック・クラプトン自伝」は運動しながら読むには重すぎるし、ビジネス書は心のリフレッシュにはならないし、小説だと週に1~2回では前まで読んだ筋を忘れてしまうし、てなわけで手軽に持ち運べて、中断があってもそれほど支障もなく、軽く読めるということで、音楽物を読むようにしています。ただ、ロック関係の本ってのは、あまり新書や文庫では出てないもんですから、勉強がてらジャズ関係の本を手にすることが多くなってます。
最近は、ジャズに関しては、結構いろんな新書が出ているので、こういう時に読むにはいいですねぇ。ジャズに関しては、本当に素人も同然でして、こうやって活字を通して、いろんな歴史やエピソードを知ることができるのは貴重なことです。ジャズの聴き方も、なんとなくわかってきたような気がします。
ジャズの歴史は、マイルス・デイヴィスを聴けば全てわかる!なんて極論も飛び出すほど有名なジャズ・ミュージシャン。ロックの世界で言えば、ビートルズに匹敵する位(それ以上かな?)、ジャズの進化に大きな貢献を与えてきた人だそうです。
そんな彼の足跡を、本人ではなく、彼にいろんな意味で影響を与えたミュージシャンと彼との接点を描くことで、マイルスの音楽・人間性をあぶり出そうという、なかなかの力作でした。
著者は、お医者さんの傍ら、ジャズ・ライターもやっておられるという小川隆夫さん(50年生まれ)と、作家の平野啓一郎さん(75年生まれ)のお二人の共著。取り上げたミュージシャンごとに分担されており、最後にお二人の対談が載ってます。
ここで取り上げられたのは、
ジャズ界でのマイルスの先輩にあたる、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー。
50年代の共演者で、後にマイルスと並ぶジャズの巨星となる、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、ビル・エバンス、さらにマイルスのレコード編集にあたったテオ・マセロ。
60年代の「黄金のカルテット」の面々、ハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムス、ウェイン・ショーター。(ロン・カーターは残念ながら取り上げられておりません。)
ロック界からは、ジミ・ヘンドリックス、カルロス・サンタナ、マイケル・ジャクソン、プリンス、ロックとジャズの間にいたジョン・マクラフリン等が取り上げられてます。
さらに、ジャズ界の後輩、キース・ジャレット、ウィントン・マルサリス、どの世界の人か微妙ですがクインシー・ジョーンズ。
クラッシック界からカールハインツ・シュトックハウゼン、ボクシング界からシュガー・レイ・ロビンソン、絵画の世界からジョー・ゲルバードと、彼の人生に影響を与えた人も取り上げられてます。
最後は、彼の晩年のアルバムをプロデュースしたヒップ・ホップ界のマーカス・ミラー。
の計21人。
私も馴染みのミュージシャンが何人かいますが、マイルスとの関係については、あまり知らなかったので、初めて聞いた事がいっぱいあって、とっても楽しい本でした。また、マイルス自身も一般常識程度にしか知らなかったので、彼の事を知るいい機会になりました。
それでは、最後に、上記にも取り上げられた「黄金のクインテット」の演奏による「So What」をご覧下さい。ジャズには疎い私でも、この5人の名前は70年代後半から知ってました。