全国のハード・ロック・ファンの皆さん、お待たせしました。世界一固い、カッチン、カッチンのロック・アルバム、遂に当ブログ登場であります。低迷の続いていたブリティッシュ・ロックの長いトンネルを抜け出したかのような、愉快痛快爽快、これぞロック! これぞゼップ! ということで、明確な「存在証明」を高らかに宣言した70年代中期の超名盤。「ファンが選ぶ20世紀のロック・アルバム」でも堂々とランクいたしておりました。

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Presence / Led Zeppelin

当ブログ・ファン投票 第23位
76年発表

燦然と輝く名作となった4thアルバム発表後、ややギミックの強いアルバム2枚で、彼らのハードネスは感じながらも、何かちょっと物足りなさも感じ、Zepらしいアルバムを望む気持ちが多くのファンの間で広まっていたのが75~76年の状況であったと思います。ブリティッシュ・ロック全体としても、バッド・カンパニーやクイーンといった有望新人は出現していましたが、グラム・ロックも含め、70年代前期の勢いは、はっきり言って衰えていた時代でした。

そんな中、最大のバンド、レッド・ツェッペリンが、1年ちょっとのインターバルで発表したこの7枚目のアルバム。当時のロック小僧たちにとって、待ちに待ったアルバムでした。

このアルバム、はっきり言って直前の2枚で存在感を現わしていた、ベース兼キーボードのジョン・ポール・ジョーンズは、ベーシストとしての貢献しかしておらず、全編ジミー・ペイジのギター・サウンドが鳴り響く、ギター・アルバムとして完成されたのです。録音期間は短かったそうですが、集中的に録音・ミキシングを行い、ほぼ3週間で作成された作品。それが逆に功を奏して、全ての装飾をふるい落とし、まさにコアだけ、存在のみを主張する、Zepサウンドができあがりました。このアルバムを最初に聴いた時の感激は、今でも忘れられないです。

なんと言ってもZepの代表曲、「ファンが選ぶ20世紀のロック・ソング/レッド・ツェッペリン編」でも見事2位を獲得した「Achilles Last Stand」。重たいリズム・セクションに乗って、一体何本のギターが鳴っているのかわからない位、厚いギターが縦横無尽に鳴り響き、泣きのギター・ソロでハートをぐっと掴み、ロバート・プラントが古代の英雄の様に堂々としたヴォーカルを聴かせる名曲。10分を超える長さを全く感じさせない名曲。オープニングで完全にやられてしまいました。

続いてミディアム・テンポの「For Your Life」は、ファンクやソウル、ブルーズの影響を受けたZep流ハード・ロック・ナンバー。格好良いです。Aラスには、JB好きドラマージョン・ボーナムの趣味が表れた「Royal Oreleans」は、ファンキーさでは当アルバム一番。ハード・ロック・ギタリストとして知られるペイジですが、この曲でのギターのカッティングは最高です。

B面トップは、これまたZep流ハード・ロックの名演「Nobodys Fault But Mine」。最高にヘヴィなサウンドが格好いいですね。中間部の「アァアァア~ア~」の部分のボーナムのドラムや、その後のプラントのハープの入り方なんかは最高です。Zep後期の名曲です。シングル・カットされた「Candy Store Rock」はZep風ロカビリー。せわしないリズムが高揚感を与えてくれる小品。(といっても4分はあります。)

「Hots on for Nowhere」も弾むリズムが気持ち良い、ご機嫌ナンバーですが、当アルバムでは一番目立たない曲。アコスティック・アレンジにした方が良かったかも知れません。ラストは、グルーヴ感溢れるイントロ(これ凄い格好いいです。ライヴでやられたら、ゾクゾクしそう)から一転、なんか久々に聴いた気がするZepのモロ・ブルーズ・ナンバー「Tea for One」。3rdアルバムの「Since I've Been Loving You」以来の感触を味わいながらのクロージング、たまりません。

回り道したけど、やはり彼らにはこの路線がピッタリなんだと誰もが思ったアルバムだったのではないでしょうか。後のヘビメタとは一線を画しておりましたが、正に言葉そのものの意味を考えた場合、ヘヴィ・メタル=重金属という言葉が最も相応しいアルバムと今でも思っております。

それでは、79年ネブワースの「Nobodys Fault But Mine」がようつべにもアップされておりました。どうぞ!