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79年発表。Sex Pistolsと並ぶオリジナルUKパンクの代表バンド、The Clashがパンクの地平を飛び離れた歴史的名盤。既にPistolsの方は解散しており、シーンもニューウェイヴへと移行する中、パンクの可能性に大いなる期待を持たせてくれたアルバムです。

1stで「ロンドンは燃えているぅ~っ」と叫んでいたのが、哀愁ただようメロディで「ロンドンが沈んでいく~」と唄う、時代を象徴するようなオープニング。ベースラインが格好いいです。続いて、ロカビリー調で攻めてきたかと思うと、ジャズ(というかボードビル調と言うべきか)が来て、「嫌悪」といういかにもパンクらしい題名の多少ポップさを混じえたパンクを聴かせ、最後はルード・ソングで締めるアナログ盤のA面の流れは最高です。

B面は、ミック・ジョーンズの元来のポップ魂炸裂の「Spanish Bomb」や「Supermarket」で心落ち着かせ、ラストでは、「Guns of Brixton」というベースのポール・シムノン作のレゲエというか、ダブ調の名曲が素晴らしい。私は、これがベスト・チューンだと思ってます。

C面はスカあり、スピード感あふれるクラッシュナンバーで、ヅンヅン進んで行き、D面ではミディアムテンポの「Lover's Rock」や、威勢の良い「Four Horsemen」ときて、歌詞に勇気づけられる「I'm not Down」この歌は20代の頃の私のプライベート・アンセムでありました。最後は、スカで締めたかなと思いきや、シークレット・ソングの「Train in Vain」というこれまたミック・ポップで大団円。

今思うと、それほどいろんなタイプの音楽満載といった感じではないのですが、当時はクラッシュの音楽の幅が、物凄く拡がったなあと思ったものです。2枚組のスタジオ・アルバムというと、なかなか通して聴き通すのはつらいものですが、このアルバムだけはそんなこと微塵も感じさせず一気に通してくれます。批判を恐れず言うと、「ホワイト・アルバム」よりもまとまりのある2枚組みです。

当時、大学生だったので、普通レコードは生協か、輸入盤屋さんで買っていたのですが、このアルバムは何故か、池袋の西武で買った記憶があります。未だに、なんでそうしたかは覚えておりませんが。

ジャケットのベースを振り回すシムノンの写真は、本当に格好いい。(確か)82年の来日では、中野サンプラザへ観に行ったのですが、シムノンはやはり格好良かったです。中には、下手くそだと騒いでる奴がいたのですが、うまい演奏を聴きにパンク観に来るなよって怒っておりました。

また、ジャケットのロゴは、プレスリーのデビュー・アルバムを真似しているのですが、当時はそんなことも知らず(プレスリーのディスコグラフィなんて見たことなかったし)、本当にいいジャケットだと思ってましたし、今もそう思います。