「1110gの差」


現在、「走ったりジャンプしたり素早く動く動体」を撮影する為のカメラシステムは、ニコンの「Z9」に「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」と「NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」を使用している。


そのうち、400mmを使う撮影シーンの場合、シャッタースピードをかせぐ関係で朝夕や雲の環境下ではISO感度を上げなければならず、更に高画素機であるが故の高感度耐性の問題からノイズが許容範囲を超えてしまう問題を抱えている。また、その状況下ではAF精度の低下も否めない。


そんな中、キャノンの「RF100-300mm F2.8 L IS USM」に目が止まる。





これならば、70-200mmと400mmを1本に集約(エクステンダー1.4使用も前提)する事が出来るし、ボディは1台で済む。前述の問題を解消するには完全ではないが、何とか満足出来そうである。


エクステンダー1.4倍を使用した場合の解放F値は4.0で、400mmの解放F値4.5との差は数字上は僅差であるが、100-300mmはレンズの素性が比べものにならない程高性能な訳だから、実際の写りには大きな差になるのではないか。


ニコンにもFマウントではあるが「AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR」という類似のレンズが存在する。





だがしかし、マウント替えせずに120-300mmを使おうと比較した場合に次の問題が発生する。


キヤノン「RF100-300mm F2.8 L IS USM」の重量は約2590g」で、ニコン「AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR」の重量は「約3250g」。その差は「約660g」もある。


仮にキヤノンは「R3」に取り付けた場合、総重量は「約3605g」、ニコンは「Z9」に取り付けた場合、マウントアダプターを含めた総重量は何と「4715g」で、その差は「約1110g」にもなる。皆さん1kgのダンベルを想像してほしい。とてつもない大きな差だ。


先日開発発表された「R1」にマッチングさせたとしても、その差はあまり変わらないかもしれないと勝手に推察する。


朝から夕方まで手持ちで動く被写体を撮影し続けるには、体にかかる負担を考えるとこの差は非常に大きい。写りが同等と仮定した場合、当然システムは軽い方が良いに決まっている。


しかも、最新のZマウントならともかく、旧型といってもいいFマウントに今から大金をつぎ込むのはどうにも抵抗がある。


カメラボディのAF性能(動体撮影における被写体補足力、トラッキング性能、AF精度)は、私自身の現状認識では「R3」が「Z9」に勝ると考えていて、前述したカメラシステムの総重量の差異も含めると、現在はニコンユーザーの私もキヤノンへいよいよマウントチェンジを検討せざるを得ない状況となっている。


実際のカメラボディは「R1」を検討しているが、資金の面も含めて悩ましい問題だ。