ある日の迷惑コンビ | Sea Breeze Season8

ある日の迷惑コンビ


ある日、あの迷惑コンビの2人が、売店の応援に入った事があった。

迷惑コンビとは、○美と□子だ。

オレから頼んだ訳ではなく、ヒマな時間を潰しに来た押し掛け応援だ。


もう夏も折り返し、終わりに近づいていたので、お客さんもそれ程多くはない。
彼女達がいても邪魔にはならないだろう。

とりあえず、売店に来たお客さんは彼女達に任せた。


彼女達は以前から、自分の仕事がヒマになると、売店に来てオレに絡んでくる事がちょくちょくあった。

そんな時に売店が忙しくなると、自分から進んでお客さんの対応をしていたので、かき氷を除けば大抵の事はできた。

この日は、結構空き時間もあったので、かき氷の作り方を教えてみようと思った。

オレは、

「お前ら、かき氷作ってみるか?」

と言った。

2人共、

「やるやる!」

「○○さん、教えて!」

「じゃあ、オレが1コ作るから見てろよ。」

と氷をセットした。

その時□子の、

「いらっしゃいませ!」

と言う声が聞こえた。

若い女性客だ。注文は抹茶のかき氷。

オレは、氷をセットしてかき氷を作り始めた。

そこでもう一度、

「いらっしゃいませ!」

と言った。

女性客の後に、上品そうなお婆さんと孫らしい5歳ぐらいの女の子。

女の子は、イチゴミルクを注文。


オレは、抹茶のかき氷を作り、○美に、

「ハイ!抹茶お待ちどう!」

と渡した。 

続けて、イチゴミルクを作り、

「ハイ!イチゴミルク上がり!」

受け取った□子が、女の子にイチゴミルクを渡している時、お婆さんが、

「抹茶にミルクをかけたら美味しそうね。」

と言った。

それを聞いた□子が、

「ハイ!抹茶にミルクをかけると美味しそうにいただけますよ!」

と元気よく答えた。

オレは、

「えっ!?」

○美も、

「バカ!違うでしょ!美味しくいただけますでしょ!」

「そうだぞ!美味しそうにいただくって、まずいものを旨そうに食うのか?オレの抹茶ミルクがうまいのはお前も知ってるだろ!ちょこちょこつまみ食いしてるんだから。」


かき氷を作っていると、カップからこぼれた氷が下の受け皿に落ちる。
その受け皿の氷に、勝手にシロップをかけてはつまみ食いをしていた。


「□子!アンタそんな事してるの?」

オレは、

「○美!お前もだよ!」

「なんだ、アンタだってつまみ食いしてるんじゃん!」

□子が言い返した。


そのやり取りを見ていたお婆さんが、笑いながらオレに、

「おにいさん、元気があって面白いお嬢さん達ね。」

と楽しそうに言った。

「もう、コイツらの子守りは大変ですよ。」

と答えると、

「何が大変なのよ!」

「ホントは楽しいくせに!」

2人でオレをバシバシ叩いた。


お婆さんは、

「それじゃ、お嬢さんオススメの抹茶ミルクを1つお願いしようかしら。」

□子は、

「おにいさん、抹茶ミルク1つ。美味しく作ってよ。」

「お前が言った、美味しそうにいただける抹茶ミルクを作るよ。」

横で聞いている○美は笑いをこらえている。

「ほら、抹茶ミルク。」

□子は、

「お待たせしました。」

と抹茶ミルクを渡した。


お婆さんは一口食べて、

「お嬢さん、大丈夫。ちゃんと美味しくいただいてますよ。」

と言った。

○美は、

「□子、よかったじゃん。美味しいって。」

と言いながら、□子の肩をバシバシと叩いた。


 
その後、○美は、□子の美味しそうにいただける件を、他のバイトに言いふらし、□子とモメていた。

2人はそのまま売店になだれ込み、オレにグチり始めた。
そこから話は行ったり来たり、最終的に何故かオレが悪いという事で気が済んだのか、2人はご機嫌で戻って行った。

この2人がグチりに来ると、必ずオレが悪者にされてしまう。