ある日の迷惑コンビ
ある日、あの迷惑コンビの2人が、売店の応援に入った事があった。
迷惑コンビとは、○美と□子だ。
オレから頼んだ訳ではなく、ヒマな時間を潰しに来た押し掛け応援だ。
もう夏も折り返し、終わりに近づいていたので、お客さんもそれ程多くはない。
彼女達がいても邪魔にはならないだろう。
とりあえず、売店に来たお客さんは彼女達に任せた。
彼女達は以前から、自分の仕事がヒマになると、売店に来てオレに絡んでくる事がちょくちょくあった。
そんな時に売店が忙しくなると、自分から進んでお客さんの対応をしていたので、かき氷を除けば大抵の事はできた。
この日は、結構空き時間もあったので、かき氷の作り方を教えてみようと思った。
オレは、
「お前ら、かき氷作ってみるか?」
と言った。
2人共、
「やるやる!」
「○○さん、教えて!」
「じゃあ、オレが1コ作るから見てろよ。」
と氷をセットした。
その時□子の、
「いらっしゃいませ!」
と言う声が聞こえた。
若い女性客だ。注文は抹茶のかき氷。
オレは、氷をセットしてかき氷を作り始めた。
そこでもう一度、
「いらっしゃいませ!」
と言った。
女性客の後に、上品そうなお婆さんと孫らしい5歳ぐらいの女の子。
女の子は、イチゴミルクを注文。
オレは、抹茶のかき氷を作り、○美に、
「ハイ!抹茶お待ちどう!」
と渡した。
続けて、イチゴミルクを作り、
「ハイ!イチゴミルク上がり!」
受け取った□子が、女の子にイチゴミルクを渡している時、お婆さんが、
「抹茶にミルクをかけたら美味しそうね。」
と言った。
それを聞いた□子が、
「ハイ!抹茶にミルクをかけると美味しそうにいただけますよ!」
と元気よく答えた。
オレは、
「えっ!?」
○美も、
「バカ!違うでしょ!美味しくいただけますでしょ!」
「そうだぞ!美味しそうにいただくって、まずいものを旨そうに食うのか?オレの抹茶ミルクがうまいのはお前も知ってるだろ!ちょこちょこつまみ食いしてるんだから。」
かき氷を作っていると、カップからこぼれた氷が下の受け皿に落ちる。
その受け皿の氷に、勝手にシロップをかけてはつまみ食いをしていた。
「□子!アンタそんな事してるの?」
オレは、
「○美!お前もだよ!」
「なんだ、アンタだってつまみ食いしてるんじゃん!」
□子が言い返した。
そのやり取りを見ていたお婆さんが、笑いながらオレに、
「おにいさん、元気があって面白いお嬢さん達ね。」
と楽しそうに言った。
「もう、コイツらの子守りは大変ですよ。」
と答えると、
「何が大変なのよ!」
「ホントは楽しいくせに!」
2人でオレをバシバシ叩いた。
お婆さんは、
「それじゃ、お嬢さんオススメの抹茶ミルクを1つお願いしようかしら。」
□子は、
「おにいさん、抹茶ミルク1つ。美味しく作ってよ。」
「お前が言った、美味しそうにいただける抹茶ミルクを作るよ。」
横で聞いている○美は笑いをこらえている。
「ほら、抹茶ミルク。」
□子は、
「お待たせしました。」
と抹茶ミルクを渡した。
お婆さんは一口食べて、
「お嬢さん、大丈夫。ちゃんと美味しくいただいてますよ。」
と言った。
○美は、
「□子、よかったじゃん。美味しいって。」
と言いながら、□子の肩をバシバシと叩いた。
その後、○美は、□子の美味しそうにいただける件を、他のバイトに言いふらし、□子とモメていた。
2人はそのまま売店になだれ込み、オレにグチり始めた。
そこから話は行ったり来たり、最終的に何故かオレが悪いという事で気が済んだのか、2人はご機嫌で戻って行った。
この2人がグチりに来ると、必ずオレが悪者にされてしまう。