修羅場
8月31日で海水浴場の営業は終了したが、
この夏のエピソードは、まだ残っているので、もう少し紹介する。
お盆休み中のこと。
カップル客がパラソルを借りにきた。
多分、アメリカ人のお客さんだろう。
英語で話しかけられているようで、高校生のバイトがテンパっている。
オレは、売店を出て様子を見に行った。
別に英語が話せる訳ではないが、
ビーチでの用事など、大体内容は決まっている。
毎年、対応しているうちに、単語の羅列だけでなんとなく意思の疎通ができるようになった。
時には、日本語の話せるお客さんに、簡単な会話を教えてもらうこともあった。
この日もバイトに代わって、料金、閉店時間等、ひと通り説明し、パラソルを貸し出した。
パラソルの下で、2人は楽しそうに話し始めた。
特に問題なさそうなので、あとをバイトに任せ、オレは売店に戻った。
しばらくして、男がビールを買いにきた。
またしばらくすると、今度は売店の前を通りすぎ、海の家の陰から彼女の様子を、じっと見ている。
彼女は、パラソルの下で膝を抱えてうつむいている。
彼女となにか揉めたようだ。
数分間、その様子を見ていたが、彼女の所へ戻って行った。
またしばらくすると、今度は道路のほうに歩いて行った。
戻って来た男は、マクドナルドの袋を手に戻って来た。
食事を買ってきたのだろう。
その後、2人は帰って行ったが、
彼女は泣きながら、男はその肩を抱くように歩いている。
男は彼女の耳元で、何か話しているようだが、彼女は一切無視して、ただ泣いていた。
2人が帰ったあと、バイトがやって来て、
「さっきの2人ヤバイっすよ。修羅場でしたよ。」
と言った。
内容はわからないが、
初めは仲良く話していたが、そのうち口論になった。
男が彼女をなだめているが、彼女は納得しない。
男が怒ると、彼女は更に大声で言い返す。
男は仕方なく、その場を離れる。
彼女はうつむいて泣いている。
そんなやり取りが何度かあったが、
結局、彼女の怒りは収まらず、
ハンバーガーをぶちまけたそうだ。
オレは、バイトと一緒にパラソルのところに行ってみた。
そこには、ハンバーガーやポテトが散乱し、シェイクまで飛び散っていた。
オレはパラソルを片付けてきたバイトに、
「そのゴミ、穴掘りよろしく。」
と言った。
バイトは、
「穴掘りっすかぁ。」
と言って、スコップでを穴を掘り、ゴミを埋めた。
ケンカするのは勝手だが、余計な仕事は増やさないで欲しいものだ。