再会~彼女とケーキと~ | Sea Breeze Season8

再会~彼女とケーキと~

8月も終わりに近いある日。

今年も彼女が遊びに来た。

確か初めて海に来た時は、まだ高校生だったな。

当時は、ひと夏の間に何度も顔を見せては、よくしゃべっていた。

ある時、彼女はクッキーを焼いて持ってきた。

「おっ?うまいぞ!これ!!」

「当然でしょ!」

それからも、彼女は何度かクッキーを持ってきた。

彼女はお菓子作りが得意だと言うので、


「じゃあ、今度はケーキだな。」


「いいよ。」


それから何日かして、彼女はケーキを持ってやってきた。


「残念ながら、うまい!!オマエのこと、ちょ~っとだけ見直した。」


「なによ、残念ながらって!だから得意だって言ったでしょ!たまには素直にホメてよね!」


でも顔は笑っている。


それからも、毎年夏になると彼女はケーキを作って持ってきた。
一口食べてはいつものやり取り。


そして、今年の夏も彼女はケーキを持って遊びにきた。


「うん。うまい!」


「あれ?今日はやけに素直じゃない?らしくないんだけど。」


「しょうがねえじゃん。うまいんだから。素直にホメたらヘンか?」


「うーん、なんか物足りない。調子狂うなぁ。」


そこまで言われては、こっちも黙ってられない。


「買ったケーキをラッピングするのだけはうまいな。で、どこで買ってきたんだ?」


「ウルサイッ!ちゃんと作ったわよ!でもそっちの方がらしくていいよ。いつもどおり。」



そんな彼女も、大学を卒業し、今ではもう社会人だ。

そして帰りぎわ彼女は、

「来年、またケーキ持ってくるからね。」

と言って笑っていた。



またひとつ、来年の夏の楽しみができた。