広福女王♡仙台334の広福菜根譚その4
広島と福岡は芸能人やそれに準ずる関係者を多く輩出する事はすでに述べましたが
そんな広島と福岡の芸能関係者がタッグを組んで作品を作るとどうなるでしょうか。
大分前になりますが「タモリの音楽は世界だ」でタモリこと森田一義と坂田明のコンビは
絶妙でしたがタモリは福岡市の出身、坂田明は広島県呉市の出身で納得しました。
最近で広島人と福岡人のコンビ作品としては松たか子主演の映画「告白」とつい先週、
賛否両論の激しいとされた朝の連続テレビドラマ小説「純と愛」だと思います。
映画「告白」について
映画「告白」の原作者の湊かなえは鈴木京香主演のTBS系金曜ドラマ「夜行観覧車」の
原作者でもあり広島県の因島の出身です。対して監督の中島哲也は同じく映画である
「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」などを手がけており、福岡県の出身です。
中島哲也のウィキの記述をみると
http://ja.wikipedia.org/wiki/中島哲也
「プロの役者さんを褒めるのは逆に失礼」とか「熱気のある現場は嫌い」だとか、
「重く辛い、胃が痛くなる空気の仕事が好き」などの言動から極めて屈折した感の
ある方だと分かります。しかしそれゆえに映画化の難しいとされた「告白」を原作から
ズレル事なく見事映画化に大成功を収めたといえるのかもしれません。
内容もある種の残忍さ、同音異字での酷薄をも感じ、見事な出来ばえでした。
朝の連続テレビドラマ「純と愛」について
次に純と愛ですが脚本家の遊川和彦は東京に生まれながら小学生から大学まで広島
で育ちました。作品も単発で「さとうきび畑の唄」「広島・昭和20年8月6日」、連続では
「女王の教室」「家政婦のミタ」で有名なのは言うまでもないかもしれません。そして
純と愛での彼の最大の協力者はヒロイン純の父役を演じた武田鉄矢だと思います。
彼が福岡市の博多の人間であるのも言うまでもないことでしょうが、生粋の博多っ子で
ある小松政夫も指摘してますが鉄矢は旧博多部ではなく南端の今は麦野と呼ばれる
雑餉隈(ざっしょのくま)エリアのタバコ店のせがれです。言うまでもなく「母に捧げる
バラード」で一躍有名になり、「幸福の黄色いハンカチ」で映画でもメジャーになり、
「3年B組金八先生」で不動の人気をつかむなど本当に運が良い男だと思います。
しかしそれに胡坐をかいてか、好意をもつファンに「こちらはあんたの事知らんから、
ファンサービスは一切しない。」とか「画面はタダだから」とかいうファンへの感謝に
欠ける言動があり不評を買う事が少なくありません。そんな鉄矢に遊川は「あんたは
金八などの良役に今まで恵まれたのだから、これからは俺の悪役を受けてくれ。」と
頼んだとか。俳優のイメージダウンに繋がるのだから懇切丁寧に頼まなければならぬ
はずですが、ファンへの感謝に欠ける鉄矢にはお似合いだったかもしれません。
そして視聴者を不快にさせる事にかけては200%とも言ってもよい父親役で撮影終了後
の会見で鉄矢は「あの父親はあくまで演技によるもので実生活では自分は娘に対して
人一倍気を使い命令口調で接した事などない、とか弁明してましたが、少なくとも亭主
関白なワンマン親父であるのは間違いないだろうと思います。私個人ではこのドラマは
不快極まりなかったけれども、この武田鉄矢の父親役は私が福岡や広島に住んで
いた時の周囲の中高年男性を如実に思い出させ、ある意味金八以上の当たり役
だったと確信しています。狩野善行は遊川和彦からの広島の悪いサンプルの典型と
武田鉄矢からの福岡の悪いサンプルの典型を融合させた最高傑作の最悪キャラ
だったと思います。ちなみに遊川和彦は先の「告白」の監督の中島哲也と何処か
同じ臭いを感じさせるのですが、私の思いこみでしょうか?
私の純と愛の視聴の仕方と福岡や広島への思いとの共通性
純と愛はそのストーリーの登場人物が殆ど自己中心的な人物ばかりで、視聴者
の反感を買い、朝の連続テレビ小説の視聴を止めた方もシルバーの方を中心に
多かったようですが、視聴率は15~20%で大河ドラマの清盛ほど悪くはありません
でした。しかし私もそうですが、おそらくこれは嫌なドラマだな、と文句を言いながら
みてしまう自虐視聴者が多かったのではないかと思っています。簡単にいえば
純と愛は文句を言いながら見るドラマ。
「何でそうなるのよ!」「相手の事を考えろ!」「あんた、それでも親か?」
などと中盤から罵声を実際に口に出すようになってましたが、これってよく考えれば
私が福岡や広島の知人によく文句をいうのと全く同じでした!!
今回の4月上旬の広島と福岡の訪問も広島や福岡の知人(向こうは友人だと思い
込んでるようだけど、こちらはそうは思わない)の無計画で行き当たりばったりの
行動に振り回され散々でした(笑)。嫌だ嫌だと言いながらも広島や福岡の知人の
誘いに乗る私も相当なお人よしだな、と自己嫌悪です(笑)。純と愛の登場人物は
本当に広島や福岡の知人達に似てるけど私も純に似てるのかな?と思っています。
純と愛の後番組、「あまちゃん」に期待。
そんな純と愛の後番組の「あまちゃん」の主人公天野アキに能年玲奈さん、準主人公
足立ユイに橋本愛さんが演じてます。橋本愛さんは先ほどの映画「告白」でも重要な
役で「貞子」も演じ、私も「あの子だ。」と分かりましたが、実は能年さんも映画「告白」
に参加していたのは気づきませんでした。二人には頑張って欲しいものです。
最後に
金八シリーズに2年B組仙八先生というのがあって、先生役に青葉城恋歌を歌った、
さとう宗幸さんが演じられ、仙台の民放情報番組「OH!バンデス」に出演なさってますが、
優しい好人物であり、福岡や広島の地を離れ仙台に住んでる事に誇りを感じます。
しかし、よくも悪くも強烈な人材を生み出す福岡や広島もまた麻薬のような魅力を
感じ、どんな灰汁の強い人物が輩出するのか実に楽しみでもありますね。そして
その広島出身の業界人と福岡出身の業界人が手を組むと、とてつもなく凄まじく
とんでもない作品が生まれる気がしてなりません。湯川和彦の脚本で中島哲也の監督
の作品が出来たら、ぜひみてみたいと思います。