関西に春を告げる東大寺二月堂のお水取り。修二会における儀式の一つですが、以前から漠然と変わった儀式だなぁ、と思っていました。
お水取りなのに松明持った人がお堂を走っている。火は穢れ落としとか、体を清める意味はあるけど、水は何処?
今年、修二会の模様が初めてテレビで放映されていました。
法会は、選ばれた練行衆と呼ばれる僧侶たちにより行われます。厳粛で深い祈りの様子が映し出されていました。
そして3月12日深夜に、観音様にお供えするため、若狭井より御香水を汲み上げる行事がお水取りで、練行衆の方の足元を照らすために松明が灯されます。
練行衆の方は、この階段を移動されます。
閼伽井屋、中に若狭井があります。
二月堂
松明を持って走ります。
汲み上げられた御香水は、一部お堂内で撒かれその上から松明で打ちつけます。???
国宝のお堂、大丈夫かなと心配になりますが、それにしても不思議な動きです。
そしてこの大事な御香水ですが、言い伝えでは、東大寺盧舎那仏の開眼を2カ月前に控え、二月堂に全国の神様が集められたそうです。しかし若狭の神様は魚釣をしていて遅刻されます。
若狭の神様はお詫びとして、御香水を噴出させる約束をします。そして2羽の鵜とともに御香水が湧き出てきます。
ここまでですと、御香水の有り難さを理解するには不十分です。
ちなみに、この井戸は若狭にある鵜の瀬の地下洞窟とつながっているということです。
若狭、鵜の瀬。
また、お水取りにさきがけ、若狭ではお水送り行事があります。
若狭、神宮寺仁王門。
神宮寺本堂、ご本尊は薬師如来様。
小浜市にある、「ごえん」さんの刺身ランチ。
さて、お水取りに関しての個人的な解釈ですが、水と火で何が造られるのか想像してみます。
若狭の神様は遠敷明神と呼ばれています。若狭彦と若狭姫の神様です。遠敷という地名は、かつての地名は小丹生です。
丹生という地名は、水銀の元となる辰砂の産地を指します。
大仏鋳造のためには、大量の銅と金、水銀が必要となります。そして高温の熱で水銀の成分を飛ばすと、金メッキが完成します。
お水取りの儀式は、水(水銀)と火(松明)を使用することで、752年から現代に至るまで、大仏を造り続けているということではないか?と。
妄想は膨らみます。
鏡池より
大仏殿
盧舎那仏