中三のいつ頃だったか覚えていませんが、僕は友達とレコードを買いに行きました。当時アルバムで2,500円程したと思います。当然僕はKISSのレコードを買うつもりでいました。しかし、その時一緒に行った友達がこう言ったんです。

「KISSよりもこっちのほうがカッコいいぜ」

彼が示したアルバムには、一人の男が黒いレスポールを弾いているイラストが描かれていました。そしてアルバム名は「ギター殺人者の凱旋」。そうジェフ・ベックのblow by blow というアルバムでした。当時は洋楽に大袈裟な邦題を付けるのが当たり前で、KISSのアルバムにも「地獄のロックファイヤー」とか付いていました。

「ギター殺人者の凱旋」てKISSよりカッコいいじゃん!

迂闊にもそう思ってしまった僕は、そのレコードを持って既にレジの前に立っていたのです。嗚呼、ミーハーな僕の性根は今もって治りません。ヘビメタよりベビメタの方が好きなんです。かくして僕はジェフ・ベックのレコードを買ってしまったのです。

またしても、

名前も知らなかったのに……。

聴いたことも無いのに………。

 心の師匠って言うと何かかっこいいですけど、こんな出会いだったんです。

いよいよ僕の運命の歯車は音を立てて廻り始めました。

おいおい、KISSのレコードいつ買うんだ?


次回、ジェフ・ベックの衝撃につづく