ヴァージン・スローター | ごあごあ D.O.M.

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地獄で悪魔な死霊から、いけにえのはらわたがえじきになる。したたります

旧タイトル:赤い斧
原題:AXE
監督:フレデリック・R・フリーデル
出演:レスリー・リー

1974年のアメリカ製クライムサイコホラー

$ごあごあ D.O.M.-赤い斧1

黒服ギャングの3人は裏切り者を待ちぶせて始末し、都会から田舎に逃走する。

ギャング3人は凶暴なリーダー、スティールと
ビリーの相棒で変態のローマッックス
そして、2人の手下となって働く根が真面目なビリーだ。

3人は逃走途中に寄ったコンビニでウィリアム・テルごっこをし
女性店員に恥辱を浴びせる。
$ごあごあ D.O.M.-赤い斧2
↑安心してください。赤いのはケチャップです

ビリーだけはこの仕事から足を洗うつもりでいた。その為にチャンスを伺う。
逃亡を続ける3人は身を隠す為、ある田舎町の1軒家に目をつける。
そこには浮かない顔で鶏の血抜きをする少女、リサと
廃人同然のおじいさんが住んでいた…

$ごあごあ D.O.M.-赤い斧3
↑無表情で鶏の首を斧で跳ね飛ばすリサ

ビリー以外の2人のギャングはキチガイ同然の振る舞いをするが
リサとおじいさんも同じように狂っていたのだった…

$ごあごあ D.O.M.-赤い斧4
↑代わり映えのない田舎の生活と廃人同然のおじいさんの世話、そしてギャングの介入でリサの精神もどんどん追い詰められる…

リサをレイプしようとしたローマックス。
リサは必死に抵抗をして、ローマックスを殺し、斧でバラバラにする。

$ごあごあ D.O.M.-赤い斧5
↑斧で冷静に死体処理

ローマックスの死体に気づいたビリーはリサを説得し、この状況を打破しようと試みる。
しかし、今度はスティールがリサを襲う。

$ごあごあ D.O.M.-赤い斧6
↑リサはスティールも斧で処刑する

ビリーはリサがまともな精神状態じゃないことに気づき、1人で脱出を試みるが
リサの家の周りには警察が待ち構えていた…

$ごあごあ D.O.M.-赤い斧7
↑事件が収束に向かう中、おじいさんにスープを飲ませるリサ。その赤いスープの中身は…

全体的に倦怠感が付きまとう、不条理サイコホラーの傑作です。
この作品はやはり、リサを演じるレスリー・リーの終始不安気で浮かない表情と
おじいさんがノイズ塗れのテレビ画面を微動だにせず見続ける演技です。
見れば見るほどダウナーになる、誰も幸せになれない、見るタイミングを選ぶ映画です。
調べたら、レスリー・リーはこの作品以外に出演作が無い。なんともったいない。
監督のフレデリック・R・フリーデルは実質主人公ともいえるビリーも演じており
彼の思想が如実に表されてる映画だといえるでしょう。
この世は不条理と暴力と不安と狂気にまみれており、誰も幸せになれない。そういう映画です。
ここまで言いきっている、表現しきってる映画はあまりないと思います。
オンリー・ワン・ムービー。

ところでクエンティン・タランティーノ&ロバート・ロドリゲスの
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」を見た時に
まっ先に頭に浮かんだのがこの「ヴァージン・スローター」でした。
ギャング映画がホラー映画になっていくという流れが一緒ですもんね
(サイコホラーかヴァンパイアホラーかの違いはありますが)。
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」よりも「ヴァージン・スローター」の方が
心に残る映画だと思いますが、世間的には逆ですね。

トラッシュマウンテン・ビデオの日本版DVDで鑑賞。
輸入盤DVDもSomething Weird Videoから出ています。
初鑑賞は15年前くらいに中古落ちビデオで。
いやはや、初めて見た時は衝撃的でした。
個人的にネットではこの作品は貶されることが多くて、寂しいです。
傑作だと思うんだけどなぁ…

ヴァージン・スローター [DVD]/レスリー・リー,ジャック・キャノン,フレデリック・R・フリーデル

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